釣りビジョン

2013.9.1号

海楽園・神奈川県佐島
相模湾・佐島沖の“ライト五目”は旬の魚が対象!

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東海岸は東京湾、西海岸は相模湾に面した三浦半島。西海岸の付け根にある葉山御用邸を右に見て半島先端方向に進むと国道134号線沿いに「佐島入口」の信号。標識にならって右折すると小和田湾、その一角、佐島『海楽園』の鶴蒔英紀店長から「先週はカマスが1束(100尾)近く上がったし、イサキやアジも釣れてるよ」と景気のいい話を聞いた。19日に出掛けてみた。

渡し船で本船へ

仕掛け図
午前5時に『海楽園』に着くと、鶴蒔店長から「上の駐車場に入れて下さい」との指示。店の裏手、高台の広い駐車場に車を入れて道具を降ろし、店内に入ると、常連の中村康彦さん(横須賀市)が「先週はカマスが入れ掛かりでしたよ」と鶴蒔店長の話を裏打ちしてくれた。
出船は6時だが、この近辺の海辺は遠浅のため桟橋がない。5時30分に店の前の砂浜から小型の渡し船に乗り、沖の本船(釣り船)まで行き乗り換える。店内でカマス用のフラシャーサビキと、鶴蒔店長お薦めのイサキ&アジ用カラー3本バリ仕掛けを購入。餌の沖アミとジャリメを持って渡し船に乗り込んだ。2、3分走ると沖に停泊している船に横付け。「最初はマダコとカサゴの船です」と渡し船の船長。5人程が乗り移る。更に進むと、その先に目的の“ライト五目”の本船だ。再び横付けされると、道具を積み込み、乗り移る。渡し船は本船から離れ、再び浜で待つ釣り人を迎えに戻った。本船に乗った釣り人は、店先で取った座席札の番号の席に着き、直ぐに釣り仕度。「最初にカマスを狙います。フラシャーサビキを用意して下さい。オモリは25号です」と田中仁之船長。
釣り人は両舷に3人ずつの6人。私は左舷、胴の間(中央)に座った。乗船者を見ていると、2.4m前後の柔らか目のシャクリ竿に中型の両軸リール、道糸はPE2号の方が大半なので私もそれに習った。左舷ミヨシ(船首)に若い女性(阿部なぎささん)が船宿の道具をレンタルして釣り仕度をしていた。

鶴蒔英紀店長お薦めの仕掛け
渡し船で本船へ
カマス用フラッシャーサビキは
これ

40cm近い大型カマスが竿先を振るわす

小和田湾を出た船は三浦半島の先端の方角に舵を取り10分程南下、三戸浜沖でスタート。「タナは上から26m、そこから上16m位まで探って」と船長。
一斉に6本バリの黄金色のフラッシャーサビキが海中へ消える。道糸のマーカーでタナを確認して、指示されたタナからサビキを躍らせる様にしてシャクリ上げて来る。アタリがなければ、又タナまで降ろして再び16mまでシャクリ上げる。この時、注意したいのはシャクリの間隔、シャクリ上げたら魚がサビキに喰いつく“間”を持つことだ。シャクリ上げたら一瞬の“間”を持って次のシャクリに移る事。左舷トモ(船尾)の池田修二さん(杉並区)、ミヨシの阿部なぎささん、右舷トモの中村康彦さん(横須賀市)、胴の間の片桐操さん(横浜市)、ミヨシの室岡康之さん(板橋区)、全員そのシャクリを実践している。「アタリがないなあ。先週は入れ喰いだったのに」と中村さん。「当たりませんね」と池田さん。様子を見ていた船長から「上げてー!」の合図。南風に押されて流された分だけ元に戻り再投入。「底の方で当たりました」と池田さん。竿先を振るわせている。右舷ミヨシの室岡さんにもアタリ。「喰いがよくなさそうだから追い喰いを待たないで1尾ずつ上げてー」と船長からアナウンス。池田さんが手にしたのは、尖った口ばしが精悍な40cmはあろうかと言う丸々太った見事なカマス。室岡さんも同じようなサイズをゲットした。

これ大きいでしょう
こっちも来たよ

反応あるも喰いが渋く散発釣り

“スレ”だけどやっと来たよ
群れの移動が早く“追っかけカマス”釣りになった。「昨日までと違い、反応はあるけど移動が早く食いも渋いなぁ」と船長。それでも流し直す度に誰かしらカマスをゲット。中村さんは「“スレ”だよ」。隣の片桐さんは「おー、下のハリばかり喰っている」と言いながら笑顔で型の良いカマスを釣り上げる。ミヨシの阿部さんが「あー、落ちちゃった。2尾だったのに」と残念そう。その直後、阿部さんの竿が勢いよく引き込まれた。グイグイと引き込む竿先を必死に耐えて釣り上げたのは30cmのショゴ(カンパチの幼魚)。
私も竿を出した。タナを20mにセットして竿掛けに。カメラを持って動きまわっている時は竿先を揺らしているが、席に戻り竿を持つとバレていて反応なし。手に持ってタナを探りながらシャクリ上げてくると、アタリはあるが中々ハリ掛かりしない。それでもやっと型の良いカマスをゲットしてオデコ脱出。8時半近く、トモの池田さんがダブルで釣り上げツ抜け(11尾)、それを機にカマス釣りは終了。カマスの釣果は1~11尾。「反応はあったのに…」と船長。

やったぜ、ダブルで来たよ
エヘヘ俺も“スレ”だ
カマスの釣果だよ

カラー“空バリ”でアジ交じりでイサキ入れ喰い!

「少し移動しますから、今の内にコマセ仕掛けに替えて下さい」とアナウンス。10分程葉山寄りに戻る、長井沖か。竿はそのままで35号のFLプラビシカゴ、30cmの片天ビン、太さ1mm、長さ15cmのクッションゴムの先にカラー3本バリのビシ仕掛けをセット。「やって下さい」の合図に、プラビシカゴにアミコマセを詰めて指示タナ20mから仕掛け分の3mをプラスして沈め、仕掛けが馴染むのを待って竿先を振ってコマセを撒く。1.5m程巻き上げてコマセを撒き、更に1.5m巻き上げコマセを撒き、アタリを待つ。間もなくコマセが効き出し、中村さん、池田さん、室岡さんの竿先に同時にクンクンとアタリ。この日のレギュラーサイズか22、23cmのコロッとしたイサキが釣れて来た。一時、良型のアジも交じり入れ喰い。

仕掛け図
まあまあの型でしょ
今日のレギュラーサイズ

アミコマセで寄せるんだ
本日の良型サイズのイサキ

イサキに交じって“ゲスト”も多彩、タカベやメジナも

ソーダカツオやワカシ、サバも姿を見せた。池田さんは「仕掛けを降ろしている最中に喰った」と言いながら、50cm級のシイラを釣り上げた。ブルーマリンの美しい魚体が見ている間にグレー色に変わっていく。暫くしてアタリが遠くなったのを見て船長から「竿上げの」合図。佐島から程近いカメギ根の灘寄り(岸寄り)に移動。タナは先程と同じ20m前後。やはりコマセが効き出すと皆に同時にアタリ。先程より少し小振りだが縞模様を残したコロッとしたイサキが絶え間なく釣れる。「脂が乗ってて美味しいよ。刺し身には小さいけど、塩焼きやカラ揚げは最高だよ」と中村さん。足元のバケツの中はイサキがあふれんばかりに泳いでいる。阿部さんが、片桐さんが、室岡さんがダブルで上げていた。池田さんは「夫婦で食べる分は十分釣りました。あまり持ち帰ると家のが嫌がるので」と余裕の釣り。「カメラで忙しいでしょう」と最後の方で釣ったイサキやアジを私のバケツに移して下さった。「あと10分で上がります」のアナウンスに時計を見ると12時少し前。釣果を聞いて回る。カマスのトップは池田さんで良型を11尾、アジも10尾。イサキのトップは中村さんで30cm近い良型を交え68尾、他にアジやタカベ、ワカシが数尾。片桐さんはイサキ30尾、他にカマス、アジを数尾に30cm近いメジナ。ミヨシの室岡さんはイサキ42尾、アジ8尾、他にカマス4尾、30cmのメジナ、紅1点の阿部さんはカマス5尾、イサキ28尾、アジ2尾、他にカンパチ、サバと大健闘。皆さんクーラー満タン!私はカマス1尾、イサキ25尾、アジ5尾、他にソーダカツオ、サバ、スズメダイ、ネンブツダイと品目だけは“7目”をゲットした。

ウーン良型、良型
私はダブルよ
これだけ釣れました

田中仁之船長のコメント

私が操船しました、喰いはイマイチでしたが
「今日はカマスの反応はあってもあまり口を使いませんでしたが、“ライト五目”は、タナさえ守れば誰にでも楽しんでもらえる釣りです。今は型の良いカマスが回って来ていますが、メーンターゲットはイサキ、アジ、サバ中心です。潮の状況でワカシやメジナ、タカベ等何が来るかわからない楽しみもありますよ。“ライト五目”は周年やっています、時期によって対象魚や“ゲスト”が変わりますが、レンタル道具も揃っていますので気軽に楽しみに来て下さい」

(釣りビジョンAPC・倉形 金幸)

今回利用した釣り船
神奈川県佐島『海楽園』
〒240-0103神奈川県横須賀市佐島1-15-17
TEL:046-856-0703 (定休日:毎週木曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
海楽園ホームページ
出船データ
ライト五目釣り
出船6時00分(5時半に渡船)、沖上がり12時
料金8,500円(コマセ・付けエサ・氷付)
貸道具500円(手巻きリール付きロッドセット)
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