伊藤遊船・千葉県江戸川放水路・行徳
東京湾奥の大型マコガレイ、年明けから好調!
車でも電車でも直近、市川市は東京の隣!
千葉県と言っても行徳は市川市、都心からは目と鼻の先。自宅の神奈川県・横須賀からも車で1時間30分。首都高・羽横線から湾岸道路を走り、千鳥町ICを出て江戸川放水路に架かる地下鉄・東西線鉄橋脇の『伊藤遊船』に午前6時15分に到着した。店主で女将の伊藤千鶴子さんとカレイ船担当の三島修船長が明るく迎えてくれた。店先の柱に、各々の対象魚毎に船座番号を書いた黒板が掛かっていて、先着順に釣り座に名前を書くシステム。テラスでは先着の釣り人が、お茶を飲みながら釣り談義をしていた。カレイ船は小学生の親子連れを含めて5人。午後船も出船していて、こちらは8人が予約しているとの事。午前7時、餌のアオイソメを受け取って出船。朝焼けの江戸川放水路を下る。
ポイントは河口近くの行徳沖、スカイツリーも見える
行徳沖の海は、風はなく波も静かで絶好の釣り日和。スカイツリーやマリンスタジアムを視界に入れての景色の良いポイント。穏やかな海に、イカリを入れての掛かり釣り。「餌の青イソメは4、5匹を房掛け(頭の部分に少しハリを通すだけ)にして、長さが10cm以上にならないようにして下さい。餌がグターッと伸びたら取り換えてよ」と船長から親切なアドバイス。「この場所は昨日午後、40cmオーバーを含め、ポチポチ釣れた場所だよ」と景気のよい声が続いた。ロープが伸びきって船が落ち着くと「ハイ、やって下さい。水深10m」でスタート。
ググー、グー!の引きの期待を胸に
釣り人はトモ(船尾)とミヨシ(船主)の四隅に陣取った。私は空いていた左舷のミヨシに入り、右舷ミヨシには平野邦宏さん、天翔(たかと)くん(8歳)親子(立川市)、トモには今井雅之さん(江戸川区)、左舷トモには鈴木和夫さん(船橋市)が座った。各自3本ずつ竿を出す、私は取材もあるので1本竿にした。仕掛けは、船宿で買った“発光船カレイ”仕掛け、船長のお勧めだ。ハリのチモトに蛍光塗料の塗ってある10号のカレイバリ、モトスはナイロン3号、ハリス2号、片テンビンにオモリは25号をセット。アオイソメを4、5匹房掛けにしてチョイ投げして船縁へ立て掛ける。平野さん親子は6本を並べた。今井さんは2本をチョイ投げ、1本は真下に。ハゼの10束釣りで知られる“放水路の名人”鈴木さんが長竿を出していた。「カレイは久し振りで、マゴチ竿や軟調子のヒラメ竿を用意してきました」と言いながら、仕掛けを真下に落とした。
最初に竿を振るわせたのは、スズキの幼魚・セイゴ
静かな波間に、海苔シビが見える。この辺りは東京湾ブランドの一つ浅草海苔の産地でもある。この海苔を食べにマコガレイが集まるとも聞く。「トモで喰ったよ」と船長。右舷トモへ跳んでゆくと今井さんが可愛いセイゴをぶら下げていた。出世魚として知られるスズキの幼魚だ。船中を一回りして席に戻ろうとすると「おじさん、引いているみたい」と天翔(たかと)くんが教えてくれた。竿を持ちリールを巻き始めると、ググー、グーと心地よい引き込み。海面に茶褐色の魚体がスーと寄ってきて船長が差し出たタモに納まった。35cm級の肉厚に思わずニッコリ。釣ったと言うより「釣れた」だ。
喰い渋り気味のなか、将来の太公望が良型をゲット!
「昨日は帰り際、ポツポツ喰ったんだけど」と船長。8時半過ぎ、天翔くんの竿がククーと引き込まれる。竿を持った天翔くんに「少し待って!」とお父さんのアドバイス。間を置いて「もういいよ」の合図でリーリング。軟らかい竿がグイグイと絞め込まれる。必死でリーリング、タモに納まったのは36cmオーバーの良型。その後、お父さんも35cm級をゲット。天翔くん、「お父さんの方が小さいよ」と自慢気味。天翔くんが「先週は41cmを釣ったよ。アジ、シログチ、シロギス釣りにも行って沢山釣ったよ」と釣り好きを披露してくれた。
時合いか、喰いが立ち船中に活気!
「潮が動き出せば…」の船長の言葉通り、9時前になって、また私の竿にアタリ。焦る気持ちを抑えて引き込みを待って竿を立てる。グイグイと引き込む、2匹目がタモで掬われた。33cmにホッと一息。トモの鈴木さんの長竿が半舷を描く、跳んでゆくとタモに納まったのは36cm。その後も39cmを追加する。「右舷トモで喰ったみたいだよ」(船長)に跳んでゆく。30cm弱がタモの中で暴れていた。「昨年末、子供に誘われて5年ぶりに釣りに来て、これが再開2日目ですよ」と言っていた今井さん。昔取った杵柄、その後33cmと36cmを連続で釣り上げた。鈴木さんが40cmに少し足りないな良型をタモで掬ってもらいながら、「今日は、みんな真下ですね」と教えてくれた。「トモでも巻いてるよー」に跳んで行くと、船長がタモで掬い上げたのは39cm。今井さん、「やっと、いいのが来たよ」とニッコリ。
潮流が緩むと喰いは中だるみ
喰いが立った一時も、潮が緩んできたのかアタリが遠くなった。船長は船を小移動。「潮温が下がったのかね、オモリが冷たいね」と鈴木さん。船中が静かになった。11時過ぎ、普段は午後船の釣り人を乗せに一旦帰港するのだが「今、店から連絡があって、午後釣りのお客さんが12人になったので別船を出すそうなので、このままやります」と船長からアナウンス。カレイ釣りの人気を伺わせる。しかし、喰いは渋く、時折セイゴが竿先を賑わすだけ。
再び朝いちの場所で41cm!
船長は、何度か移動を繰り返していたが、午後船の船長から「朝いちでやってた場所でポチポチ釣れてるよ」の情報が入った。再び朝やった行徳沖のポイントへ移動。イカリを入れると再び投入の合図。暫くすると天翔くんが「喰った」と真剣な顔でリーリング開始、引き込みは強い。茶褐色の魚体が浮いてきた、「デカい!」。タモに納まると天翔くんは満面の笑み。船長がメジャーを当てると41cm。ついに出たー、40cmオーバー。左舷トモの鈴木さんが38cm、右舷の今井さんが39cmを追加して共に5匹。私も33cmを追加して3匹をゲット。2時半、納竿の合図で竿上げとなったが、巻き上げている最中に、天翔くんが「喰ってる」と再びリーリング。船長が慌ててタモを持って跳んできて掬い上げたのは38cm。2人で6匹となったが、「お父さんは2匹、僕は4匹」と大喜びだった。
これからの見込み、“体力を回復してハリス切れも”
「今年になってから、喰い出しましたね。これから叩いた(産卵)後で体力回復のために喰い出しますよ。それに放卵していない肉厚も混じって釣れています。産卵時期がズレて来ているようですね。型も30cm以上がほとんどなので楽しめます。これから体力を回復すると引きも強くなり、2号のハリスも切られますよ」と、三島船長が今後の展望を語ってくれた。
(釣りビジョンAPC・倉形 金幸)
今回利用した釣り船 |
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千葉県江戸川放水路・行徳『伊藤遊船』 〒272-0111 千葉県市川市妙典2-2-14 TEL:047-358-5774(毎週火曜日。ボートは無休) 詳細情報(釣りビジョン) 伊藤遊船ホームページ |
出船データ |
料金:午前船・午後船 カレイ/ 餌・氷付き5,500円
午前船・午後船 通し/ 餌・氷付き8,500円 出船時間:午前7時00分出船・・11時沖上がり / 午後1時出船・・17時00分沖上がり |