釣りビジョン

2014.5.1号

佐衛美丸・千葉県洲崎港
千葉県・洲崎沖の抱卵イサキ。本格シーズンに突入!!

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関東地方ではサクラも散り、春真っ盛りの季節。「さぁ、イサキ釣りシーズンがやって来た」。千葉県・洲崎『佐衛美丸』のHPを覗くと4月6日、海水温が15度で10~22匹。13日に海水温が16度に上がると30~64匹。15日には17度で18~82匹。“春潮”と共に初夏が旬のイサキの本格シーズン突入の様相!19日(土)に期待を込めて出掛けた。

「梅雨イサキ」は釣り人の“季語”

イサキ釣りのシーズンは長い。寒イサキから釣らせる処も有るが、一般的には春先から盛夏がシーズン。産卵の為に灘寄りの根回りに乗っ込んで来るイサキを「梅雨イサキ」と呼び、釣りの世界では、初夏の“季語”になっている。釣り場の水深も浅く、ベテランは勿論、初心者でも充分楽しめる季節だ。

洲崎港入口の看板
「第十二佐衛美丸」
仕掛け図

釣り座は予約順

春爛漫、明るくなるのも早くなった。港での集合時間午前5時には既に薄明るくなっていた。係留船の前に釣り道具を置き、港前のコンテナハウスで受け付けを済ませ、予約順に釣り座に着く。危険防止の為、荷物は手渡しで、人は身一つで乗り込む。イサキシーズンの土曜日にも係わらず、前日の天気予報の風の強さを表す矢印が橙色だった為か乗船者は私を含め4人。左右2人ずつに分かれての“大名釣り”。定刻5時30分、舫い綱が解かれ、早川忠信船長の操船で出船した。

釣り場までは港を出て10分

港を出ると、風は予報通りかなり強く身体に当る。船長から「右側が濡れるので、左の方へ逃げて下さい」とアナウンス。船は、風とウネリの中、白波を立てて進む。港を出て10分。最初のポイントに着いた。「ハイ、どうぞー。タナは18m。21mまで降ろし、タナでコマセをポロポロ出してやって下さい」とのアナウンスでスタート。小まめに竿をシャクリ、コマセを撒いてもアタリは無い。船長の決断は早い。2、3分で移動の合図が出た。

船内第1号、上野富次雄さん
付け餌のバイオワームと船宿オリジナル仕掛け
川崎善陳さん、小型ながらトリプル

潮の流れが速く、刻々とタナが変わる

少し沖目に走った。「タナは21m」(船長)。相変わらず波が高い。風と潮の流れがぶつかって、ウネリとなり、立っているだけでも難儀だ。常連の上野富次雄さん(館山市)は「これじゃ潮が速すぎる」と苦笑。アタリが無いと船長は直ぐ移動。タナは25mに変わった。左舷トモ(船尾)の上野さんが船中第1号の24、25cmのイサキを取り込んだ。それを見ても船長は移動。潮が速いため、ひと流し1回、2回しか投入できない。ワンチャンスを物にした人が手に出来る貴重なイサキ。移動直後、上野さんがダブルで掛けた。小型イサキは放流し、水桶には23cm級を1匹放り込み、続けざまに23cm前後と25cm級をダブルで取り込んだ。右舷ミヨシ(船首)の川崎善陳さん(南房総市)も取り込んだ。小型中心ながらバタバタと喰い出したが、船長は直ぐその場に見切りをつけ、さっさと場所移動。

モヤに霞む洲崎灯台
潮の流れが速く、ひと流し1、2回しか投入出来ない
金野博さん、良型イサキゲット!

ハリ掛かりしたイサキに大ダイの歯形

カメラを向けていた川崎さんが突然、柔らかなイサキ竿を弓なりにして踏ん張っている。「アッ、バレた!釣れたイサキに大ダイが喰いついたが、歯形を残して逃げて行った。4~5kgは有った」と溜息をつく。時々大ダイが釣れるそうで、同乗の上野さんも何度も釣り上げているとの事。水深20~25mで喰わせたら、取り込むまでスリル満点だろう。

船縁に磁石が埋め込まれているので、長い仕掛け捌きには便利
30m前後に真っ赤な魚影反応

ダブル、トリプル。入れ喰いタイムに突入!

8時30分頃、船長から、「潮が緩くなって来た。どんどんコマセを出して下さい」とアナウンス。見渡すとウネリも小さくなり、風も治まって来た様子。ボチボチ良型も上がって来た。船長の言葉に励まされ、活気が出て来た。私も竿を出した。上野さんに良型が上がった。右舷の川崎さんがトリプル。続いてダブルを取込む。型も良くなってきた。ひと流し何回も出来る。他の人のコマセの振り方を見ると、竿先だけ“チョン、チョン”と小さくシャクる独特のコマセワーク。私の釣り方はタナ下3mから確りコマセを振りながら上げて来て、イサキに喰わせる釣り方。「郷に入れば郷に従え」で真似をしたら、早速釣れ出した。全員、“入れ喰いタイム”突入だ。ダブルやトリプルでの取込が多くなり、型も大型が交じる様になって来た。写真を撮って戻って来ると、竿がガンガン叩かれていた。リールを巻いても竿が立たない程で、そのままゆっくり巻き上げ、海面を割ったのは30cmを超える大型イサキ2匹と中型のトリプル。コマセを詰めて再投入。軽くコマセを振ってキーパーに掛け、又写真撮影に跳び出す。帰ってくれば、又ダブルかトリプル。喰いが立つと、水桶にどんどん溜まって行く。上野さんは「コマセはその都度全部出さない。上の穴は確り閉めて丁度良い」と話す。

ダブルが気持ち良い!
よーいしょっと、良型のトリプルだ…
このサイズが美味いんだよ

入れ喰いになれば型も良くなる
金色に輝く脂の乗ったイサキ

終わってみれば62匹、51匹、35匹!

9時半頃、喰いが落ちてきて、ポツリポツリの状況に戻った。左舷トモの上野さんにもイサキにマダイが喰いついたが、又もや歯形だけ残してのバラシ。11時頃、良いポイントに入ったのか、又、喰いが戻って来た。船長は「人数が少ない為、誰かが竿を上げてしまうと、コマセが効かなくなるのでイサキが散ってしまう」と渋い顔。金野博さん(海老名市)も静かにマイペースで釣り上げ35匹。上野さんは終始好調で、放流も含め62匹。川崎さんは最後の最後に30cmオーバーを含めトリプルを取り込んで51匹。“ゲスト”にメジナや大きなウマヅラが時折竿を揺する。
なお、当日の午後船は終始入れ食いで、22~38cmを25~85匹の“大爆釣”だった。

大型交りのトリプル、川崎善陳さん
イサキでクーラーボックス満タン
舵を握った早川忠信船長

脂の乗った抱卵イサキは絶品

釣り場まで航程10分の洲崎沖には沢山の根が点在していて、ポイントには事欠かない。今回釣ったイサキも小さい卵を持っていた。これから卵も膨らみ、脂も乗って、より美味しくなる。刺し身、塩焼き、握り寿司等何で食べても絶品だ。大型クーラーボックスを持って出掛けて頂きたい。

(釣りビジョンAPC・飯妻 武夫)

今回利用した釣り船
千葉県洲崎港『佐衛美丸』
〒294-0316
千葉県館山市洲崎1-228
TEL:0470-20-8003
詳細情報(釣りビジョン)
佐衛美丸ホームページ
佐衛美丸ブログ
出船データ
(料金)
イサキ予約乗合:アミコマセ・餌・氷付き1万500円 午後船=9,000円
仕掛け:船内で購入可能
(出船・集合時間)
午前船集合=午前4時30分、出船=5時、沖上がり=11時30分頃
午後船集合=12時30分、出船=13時、沖上がり=17時30分頃
(電話確認の事)
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