2014.10.15号
小倉丸・千葉県千田港
千葉県・南房総のコマセ・マダイ、台風の合間を狙う!
実りの秋、そして釣果の上る秋を迎えたのに、台風が連続して発生、まだまだいくつも本州に襲来しそうな今シーズンの天候だ。悪天候の合間の10月9日、底荒れを心配しつつ千葉県・南房総、千田港『小倉丸』のコマセ・マダイ乗合船に乗った。
電話予約で楽な釣行
館山自動車道を使うと南房総・千倉地区も近い。終点の富浦ICから19kmである。『小倉丸』の釣り座は電話予約順で決まるので気楽に行ける。午前4時30分に到着、5時開店の待合所で乗船手続きを済ませ、小倉眞船長から乗船者9人(取材者を含む)でアドバイスを聞いた。そして駐車場から見える船着き場に向かった。
最初のポイントは不発
小雨が降り、風も少し吹いていた。港口を見ると白波が立っている。台風18号の残していったウネリだ。ウネリに叩かれながら航程10分ほどでポイントに到着。6時、海面から32mの指示ダナでスタートした。東風が強く、潮の流れも速い。右舷では80号ビシが船底方向に吸い込まれて行く。この湾口近くのポイントは実績もあり期待していた常連さん達も渋い顔。暫く粘ったがアタリはなく、底荒れの不安が頭を過った。船長は、少しでも潮の流れが緩いポイントを探して船を小移動させて行く。6時30分頃、指示ダナ40mでイサキが掛かるが、取り込み時にサメに襲われ歯型が着いて来た。サメは海水温が低い時に良く掛かる。海水温度計を覗くと23.5度だった。
悪条件の中、連発でマダイ浮上!
7時頃、指示ダナ31mで仕掛けを入れた。すぐに持ち竿の左舷ミヨシ(船首)の林征宏さん(横浜市)にアタリ、小型ながら船中1号のマダイを釣った。「もっと大きいのを釣りますよ」と苦笑い。指示タナ28、29mポイントに移動した7時45分過ぎから流れが緩くなったようでアタリが出始めた。
右舷トモ(船尾)から2番の常連丸偉夫さん(富津市)がイサキを釣り、同時に左舷トモから2番の田中俊久さん(川崎市)、丸さんがマダイ、55分過ぎには右舷トモの上村安而さん(船橋市)と3連発でマダイが釣れた。
指示ダナ23、24mに少移動。すかさず田中さんが2匹目をゲット。そして8時10分頃、林さんに良型が釣れる。30分間に4連発。浅いタナのポイントで流れが緩ければ期待十分である。その後、単発でイサキとマダイの拾い釣りが続いたが、10時過ぎから風が強くなり、次の台風の気配を感じながら定刻に納竿となった。
トップは林さんの4匹で、船中11匹(取材者の釣った放流サイズ含む)。風とウネリの悪条件の中、十分な成績と言っていいだろう。
仕掛けの工夫も楽しい
『小倉丸』の仕掛けは80号ビシにクッションゴム、ハリス4号8~10m、マダイバリ10、11号と標準的だが、ハリスを2段にして、上部に6号を5m、その下に極少ヨリモドシを付けハリス結束を推薦している(通称トレーラー仕掛け)。流れが速いとハリスが船底に当たることが多く、ヒラマサやワラサも回遊してくるので、ハリス交換を楽にする為でもある。“青物”用にハリス6~8号の太仕掛けも準備しておきたい(船長に頼めば作って貰える)。
竿を出して感じた事は、流れが速い時の対応策を考えておく必要があると言う事。例えばスリムタイプのビシやビシ用の足しオモリ(潮上の釣り座で使用)、ハリスにうつガン玉などだ。こうした工夫も釣りの楽しみの一つである。
天候回復時の好漁狙い
「今日は久しぶりの出船で情報が少なく、二枚潮の上に流れが速過ぎた。海況が落ち着いてくれば好転しますよ。12月一杯は数狙いで“青物”も交じります」と船長。タナの取り方やコマセの入れ方なども丁寧に教えてくれる。コマセ・マダイ釣りは各地で行われているが、釣り方は少しずつ異なり奥が深い。今度は穏やかな日に南房総のヒレピンのマダイを狙ってみたい。
(釣りビジョンAPC・野口 壮一)
今回利用した釣り船 |
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千葉県千田港『小倉丸』 〒295-0025 千葉県南房市千倉町千田991-3 TEL:0470-43-8355 詳細情報(釣りビジョン) 小倉丸ホームページ |
出船データ |
乗合料金:11,000円(付けエサ・コマセ・氷付) 出船時間 午前船:5時集合 5時30分頃出船 沖上り:11時30分 定休日:第2・4水曜日 貸道具:無料 |