松栄丸・千葉県布良港
連日“爆乗り”千葉県・布良沖のヤリイカ
布良瀬は人気の一級ポイント
布良(めら)港は、房総半島の最南端に近い。沖の「布良瀬」は人気の一級ポイント。黒潮がぶつかるため魚種が多い上、大物も潜む。加えて、どのポイントへも港から30分以内に着くのも人気の理由。 私が初めて訪れたのは30年も前のこと。当時は久里浜からフェリーで金谷に渡り、前泊して釣行した記憶がある。今やアクアラインと館山自動車道を使えば、横浜から僅か1時間30分で着いてしまう。
投入器が置かれてから乗船許可
当日は、出船1時間前に到着。船宿で席順札を取って港に向かった。暫くして船長が軽トラックで到着。乗船名簿に名前を記入している間に、船縁に投入器が人数分置かれ、乗船許可が出た。釣り人は私を入れて9人。全員が座ったのを確認して午前5時30分、「第八松栄丸」は黒川一夫船長の操船で出港した。
降ろせば乗る!の繰り返し
30分程走ってポイントに到着。ヤリイカ釣りと言えば、船団の中に入ってスタートするのが私の持つイメージ。大海にポツンと1隻だけというのは少し違和感がある。しかし、船長は慎重に旋回を繰り返してから投入合図を出した。「ハイやって下さい。水深は140m。海底から15mほど上まで探って」。そして、着底と同時にあちこちでリールが唸り始めた。次々にヤリイカが取り込まれる。後は、降ろす、乗る、取り込むの繰り返しだ。
開始1時間で20杯超え
左トモ(船尾)に座った滝沢直樹さん(さいたま市)は、最初の投入で2点掛け。次は6点掛け。その次も、と僅か3回の投入で2桁釣果を達成。さらに開始1時間足らずで20杯を超えてしまった。撮影していると船長から「右舷側でも8点掛けが出た」と声が掛かる。正に“入れ乗り”、“爆乗り”状態だ。 左舷ミヨシ(船首)のA・Tさんは、好漁情報をWEBでキャッチ、週末を待ち切れずに来たとのこと。8点掛けが1回、7点掛けが3回、6点掛けも数回あって、10時には70杯を超えてしまった。そして「今日は奥方を病院に連れて行ったことになっている」と片目をつぶった。
2回目の挑戦で前回の倍近くの釣果
左舷胴の間(中央)に座った髙澤康之さん(木更津市)は、普段はルアー釣り専門だが、好漁を聞いてヤリイカ2回目の挑戦。最初は仕掛け(プラヅノ)の扱いが、ぎこちなかったが、後半はスムーズな取り込みに大変身。前回の倍近くを釣り上げて(本人曰く)笑顔がこぼれた。
白い姿が浮かび上がる至福の瞬間
私も急いで撮影を済ませ、4流し目から“参戦”した。第1投、着底後すぐに乗ったが、巻き上げ途中でブツンと嫌な感触が手に伝わり再投入となった。今度はしっかり掛かって上がって来た。こうなると手返し勝負だ。次は着底前に仕掛けが止められた。巻き上げると結構な重み。途中で数回イカが暴れる。その度に緊張させられる。海面に白いイカの姿がボワーンと浮かび上がった。イカ釣りで一番嬉しい瞬間だ。次々と6杯取り込んだ。仕掛けが7本ヅノだから準パーフェクトか。後半は水深が200mを超えるようになった。海底までの往復時間が長くなると同時に、釣果もダウンしてしまった。正午少し前、反応が途切れたのを機に沖上がりを迎えた。
秋の深まりとともに釣り味も倍加
最終結果はトップ84杯、次頭55杯で30~40杯台の人が多かった。船長が釣行を急かせた理由も充分理解できる内容だった。これから秋の深まりとともにイカが大きく育ち、釣り味も倍加していく。今年の布良沖のヤリイカは、スタートと同時に最盛期に入ったようだ。
(釣りビジョンAPC・谷口 晴治)
今回利用した釣り船 |
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千葉県布良港『松栄丸』
〒294-0235 千葉県館山市相浜286 TEL:0470-28-2305 詳細情報(釣りビジョン) 松栄丸ホームページ |
出船データ |
ヤリイカ予約乗合 料金 :1万円(氷付) 出船時刻 :午前5時30分(季節により変動あり、予約時確認) 沖上がり :正午頃 定休日 :毎月第2、第4水曜日 ルアージギングも出船中 |