釣りビジョン

2014.11.15号

佐衛美丸・千葉県洲崎港
シマアジより美味!?千葉県・南房の“カイワリ”絶好のスタート!

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ポピュラーとは言えないが、知る人ぞ知る “カイワリ”(体高のあるアジ科の魚)。この魚、釣り味も然ることながら、食べたら絶品!刺し身に塩焼きに“アジの王様”シマアジにも勝るとも劣らないと言う人も多い。千葉県・洲崎港『佐衛美丸』で11月から乗合船をスタートさせるとの情報に初日の1日、早速出掛けた。

東京湾口最先端、洲崎港は横須賀からでも3時間弱

この看板の先の小道を右折、港に出る
『佐衛美丸』に予約を入れると「午前4時50分には港にいて下さい」と早川忠信船長。横須賀から首都高速湾岸線→アクアライン→館山自動車道を経由、国道127号線を走り、午前4時前に洲崎港の駐車場に到着。4時半になると駐車場は満杯。『佐衛美丸』の受け付け場所には13人が集まった。受け付けを済ませ、氷を貰い予約順に船長の指示で釣り座に着く。出船は5時20分、まだ真っ暗だ。

ここが受け付け場所、奥が駐車場
夜明け前の港、「第12佐衛美丸」
日中見るとこの通り

釣り場は港の真沖、水深90m

港を出て10分、船の灯かりの下、釣り仕度が終わるか終らないうちに釣り場に到着。プラビシカゴFL80号(スリムタイプ)、ハリス2号の3本バリ、ビシ仕掛けのソフトなシャクリ釣り。「水深は93m、ビシが底に着いたら50cmほど切って底から5m位までをゆっくり竿を立てる様に探って。アタリがなかったら再度底まで落として同じように探って来てね。ジッとしているとフグにやられますよ。サバが来るようだったらコマセを入れないでやって下さい」と船長から丁寧な指示。

スタートはまだ暗い
少し明るくなって来ました、釣れてくれ!
仕掛け図

幕開けはレンコダイ&ゴマサバも!

スタート間もなく、船中の竿先を揺るがしたのは15cmから25cmのレンコダイ。赤い魚体がライトに浮かんだ。空が白みかけてくると今度はサバ。それも型の良いゴマサバが横に走る。右舷トモ(船尾)の方ではカガミダイと“本命”は姿を見せない。「風と潮が逆で海の様子が悪いね」と船長。時たま小雨がパラつく空模様の中、船長の心配通りミヨシ(船首)とトモで、右舷と左舷でオマツリが続出。

暗いうちに第1号はレンコでした
私の最初の獲物もレンコダイ
オマツリが激しくて…

良い引きだったがサバでした
こちらはカガミダイでした

“本命”が姿を見せる、顔見せは25cm級

右舷トモでゆっくり3段階に分けて、竿を立てる様に誘いをかけていた山口知己さん(君津市)がリールを巻き始めた。「口が弱いからスローで巻いています」と12、13回ほど手巻きをして電動リールスイッチON。それも低速、ドラグは緩め。竿先がグングンと引き込まれる。海中に銀灰色の魚体のカイワリが姿を現した。25cm級か。すぐに隣の平地淳理さん(所沢市)の胴調子の白い竿が半月を描いた。こちらもグングンと力強い引き、“本命”をタモに収めた。左舷胴の間(中央)で上乗りも兼ねて釣りをしていた上野冨次雄さん(館山市)も同じ様なサイズを釣り上げた。

“本命”やりました
まあ良い型だよね
まあまあサイズかな

赤かったよ、レンコでした
ウーン引きが強いね、カイワリでありますように!
エーイ“本命”のカイワリ抜き上げちゃった

そして30cmオーバーが

時折サバが邪魔をする。空が明るくなると同時に小雨が降り出した。潮が動き出したのか、ミヨシでトモでリールの巻き上げ音がする。「なんだぁ、レンコか」、「こちらはサバ、サバ」、「やっと“本命”だ」と船上に活気が出てきた。釣り人の状況と潮流、風の様子を見ながら小移動を繰り返していた船長、「105mからだんだん浅くなります、タナ取りに注意してよ」とカケ上がりのポイントを狙う。右舷2番の神田弘(岩槻市)さんが慎重にやり取りしている。強い引き込みにリールが逆回転、ドラグと竿捌きで30cm超をタマに収めた。それが合図かの様に上野さんがサンマの身餌で、ミヨシの河野孝明さん(足立区)が30cm級を、他の釣り人もレギュラーサイズの25cm級をゲット。銀灰色の“本命”にレンコダイの赤が賑わす。

カイワリとレンコダイの2色釣り
さっきバレた方が型がよかったけど
エヘヘ、ダブルだけどレンコの方が大きいよ

デカイでしょ
“本命”は大きいけどレンコは可愛いね
これは今日のレギュラーサイズ

雨の中、良型のダブル、トリプルの連続

時折、雨が強くなる。再び山口さんの竿が弧を描いた。ゆっくり手巻きを繰り返す、強い引きに手が止まる。時間を掛けて浮かせて来ると白っぽい姿が海中に見えた。“本命”だ。それも良型の3点掛け。緊張していた顔に笑みがこぼれる。隣の平地さんや田村薫さん(中野区)もダブルで取り込む。胴の間やミヨシ寄りもレギュラーサイズをゲット。左舷のトモや胴の間でも負けじとリールが巻かれた。圧巻は山口さん、トリプルを再現、ダブルも、そして40cmに少し欠ける船中最大もキープ。ポーカ・フェースで黙々と釣っていた平地さんもダブルだ、良型だと連チャン。おまけに良型のオニカサゴもゲットして、沖上がり時のカイワリ20尾は竿頭。2番手の山口さんも18尾、スソ(最低)でも6尾の好スタートとなった。

ダブル、ダブル、うれしいね!
ウシシ、トリプルですよ
ビッグサイズ、2尾目です

またダブルで釣りました、絶好調だ
こちらも“本命”のダブルでした
ゲストも交じって銀と赤

デッカイのもいるでしょ、刺し身が楽しみだ
満足満足、成果の一部ですから

船長も好スタートに安堵

好スタートに早川忠信船長も安堵の顔
「今シーズンは魚影が濃そうなので3月まで楽しめそうだね。アタリがあったら口周りが弱いから、ゆっくり手巻きで10m位巻き上げ、電動はスローにして巻き上げるといいですよ。ドラグも緩めで、引き込み対応すれば誰でも釣れますよ」と言う船長。その顔には好スタートに安堵の色が浮かんでいた。

(釣りビジョンAPC・倉形 金幸)

今回利用した釣り船
千葉県洲崎港『佐衛美丸』
〒294-0316
千葉県館山市洲崎1-228
TEL:0470-20-8003
詳細情報(釣りビジョン)
佐衛美丸ホームページ
佐衛美丸ブログ
出船データ
(料金)
カイワリ五目・予約乗合:アミコマセ・餌・氷付き1万500円 午後船=9,000円
仕掛け:船内で購入可能
(出船・集合時間)
午前船:集合=午前4時50分、出船=5時20分、沖上がり=12時00分頃
午後船:集合=13時00分、出船=13時30分、沖上がり=18時00分頃
(予約等電話確認の事)
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