2024年04月28日公開
「2024年渓流バトル」の大会会場となった栃木県那珂川黒磯地区では、満開の桜並木が選手たちを出迎えてくれた。まさに春ど真ん中である。早朝は7度と肌寒さも感じられたが、この日は23℃予報!川は雪代も入り少し水位は高めではあったが濁りもなく、釣り大会日和。続々と集まる選手達の中に、遠くは岩手県からの参加者も!誰しもが、今日の勝負に胸を膨らませていたことだろう。暑い日差しが降り注ぐ中清流那珂川で熱き戦いの火蓋が切られる!
予選8:00~11:00の3時間勝負!
餌釣り、ルアー、テンカラ、フライもOKと釣法は様々。那珂川本流、支流とエリアも広い。車移動も可能で皆思い思いのポイントへと向かい、11:30の帰着時間に検量を済ます。私は相方と解禁初期から評判の良かった支流「木の俣川」へと向かうことにした。ポイントは会場から車で約20分ほど。到着すると既に3台の車が止まっている。早い選手は着替えを済ませ河原で試合開始を待っていたが、駐車場付近は人気で賑わっていたので私達は下流の本流筋、那珂川との合流点方面へと向かうことにした。
川沿いは木の俣園地となっており、遊歩道があるものの中々のアップダウンで足にくる(笑)。試合開始時間には渓にも陽が差し汗ばむ気温となっていた。木の俣川も本流と同様に水位は高めであったが遊歩道があるお陰で入川は容易なポイントが多い。そろそろ私達も竿を出すことに。エメラルドグリーンが美しい落ち込みを狙い第一投!アップにダウンにミノーを通すがチェイスなし。早めに見切り、場所移動を繰り返す。川底に沈んだ枯れ木に根掛かってしまうなどトラブルもあったが、なんとかミノーを回収。
さらに下流へと歩を進めると、右岸は浅瀬、左岸は深場。大きな石が点在する雰囲気のいいポイントを発見!入渓点から上下に別れてミノーをキャストしてみる。日当たりも良く水温が上がって魚が溜まりそうなポイント。だが…上流側を選んだ私にはノーチェイス!しばらく粘り探ってみたもののどうも反応がない。そう言えば相方が静かだ…何だか心配になり薮漕ぎし下流に向かうと不適な笑みを浮かべる相方の姿があった!
そう、相方のタモの中にはヤマメが収まっていた!話を聞けば「上流にミノーをキャストし水深や流れに合わせてドリフトさせたら釣れた」とのこと。左岸の深みに身を潜めていた個体が飛び出して来たようだ。私も早速キャストしてみると3尾の魚影がチェイス!やはり左岸の深みから飛び出してきた。これは活性が良さそうだ!ミノーチェンジをしながらバイトを狙うがすぐにスレてしまう。、ミノーだけでなく、スプーンやスピナーなど持ってきたルアーをすべて投入してみたのだが、ここで反応がよかったのはゴールド混じりのミノーだった。
ポイントを休ませるため、しばらく他のポイントを巡ってみることにした。すると一投目で勢いよく良型の白い影が!一瞬フッキングするがバラシ…くう~どうしたものか!残り時間も少なくなってきた。カバンからエースを取り出し順番に出動させてみる。少しポイントをズラしながら探っていくと浅瀬から5尾が一気にチェイスしてきた!今日イチの魚影の濃さだ!良い噂は本当だった。それにしてももどかしい。あと少しのところでUターンしてしまう。時間はあっという間に過ぎ、残り時間はあと10分…(泣)。
予選の検量では良型ヤマメも!決勝はまるで夏のような陽射し!
これにて競技は終了となった。制限時間5分前に帰着。ギリギリだ。会場では続々と選手達の検量が行われていたが、良型のヤマメを何尾も持ち帰る人もいた。話を聞けば支流の余笹川が良かったようだ。そして圧倒的に餌釣りの人達が良い釣果をあげていた。そして、私達の検量の順番が来た…。持ち帰ったオトリかんを見て「重そうじゃん!」と言われたが…それは水がいっぱい入っているだけ(笑)。なんせ魚は相方の1尾のみ…。残念ながら私はあの魚達を仕留めることができなかったのだ。
検量も終わり15名の決勝進出者が発表されると、15名中ルアー釣りが1名、14名は餌釣りとなった。その後、決勝は大会会場前で行われていたので、私達も応援することに!大会開始直後と同様に、やはり会場下流が人気のようで、多くの選手はそちらに向かって行った。会場より上流には3名のみ。中でも、分流と本流の合流点周辺は人気で多くの選手が集まっていた。決勝が開始されると、合流点少し上にいた選手があっという間に、なんと4尾の釣果!しかも良型のヤマメだ。この釣り師はバラさぬよう慎重に緩い流れに寄せてのキャッチしていたが、良型のヤマメに苦戦しバラしてしまう選手の姿も多く見られた。
釣れていたのは比較的流れの強いポイントが多かった印象。浅めの緩い流れではハヤが多発していた。釣れる場所では同じ流れで4~5匹釣れると言うこともあった。苦戦しながらも皆ポイント移動を繰り返し14:00の試合終了時間まで熱き戦いが繰り広げられた。そして、2時間の決勝も遂に終わりいよいよ検量だ。トップ釣果は8匹が2名でまさに接戦。一人は最上流に向かった選手であったが、後で話を聞いてみたところ、やはり流れの強いポイントで釣果が上がっていたとのことであった。流れの中で掛かるヤマメの引きは力強く、楽しかったと話してくれた。
2ヶ月を切った那珂川アユ解禁に向けアユの放流が行われた
「渓流バトル」の恒例イベントでもあるのだが、大会終了後にはアユの放流が行われた。今回は7500匹の稚鮎を放流。選手や河原にお花見をしに来ていた人達も一緒に放流を見守った。10cm前後の小さなアユ達が一気に川へと放たれる。多くの企業や個人から協力を得てこの放流事業は成り立っているのだ。
ここ那珂川では放流事業のみならず、アユの天敵でもある「鵜」の出没状況をアプリで管理したりなど様々な努力している。漁協や地元の皆さんの努力によって川や魚達が守られていると言う事を忘れずにいたい。昨年近年稀に見る大漁遡上のあった那珂川。今年は現時点で昨年よりは遡上数が少ないとの事ではあるが、確実にアユ達は川に戻って来ている!今シーズンも那珂川アユ達は逞しく育ち、熱い夏の清流を煌めかせてくれることだろう。
満開の桜と、ヤマメの姿に春を感じつつ…
山を見れば若々しい新芽が芽吹き、河川敷には色とりどりの花々が咲き始めていた。渓魚達も春に目を覚まし私達を楽しませてくれた今大会。満開の桜の元同じ趣味を持つ釣り人が集まり終始笑顔たえぬ時間となった。運営をしてくださった皆様楽しい時間をありがとうございました。皆さん!また一緒に楽しい釣りしましょう~!
施設等情報
施設等関連情報
東北自動車道那須ICから約10分