釣りビジョン

2015.2.1号

敷嶋丸・千葉県大原港
千葉県・大原沖のショウサイフグ、鍋ネタにピッタリ!

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大寒も過ぎ、朝晩めっきり冷え込んで来た。寒い冬は、身体の芯まで温まる“鍋物”に限る。家族で鍋を突つけば心も身体もホッコリする。贅沢な鍋と言ったら“フグちり”だろう。勿論、刺し身や唐揚げも絶品。釣り人は、食べたいものを自分で釣るのが特権。家族に背中を押され、25日(日)千葉県、外房・大原『敷嶋丸』に出掛けた。

型が良いから釣り応えがある

ショウサイフグ釣りで名を馳せる大原港。10月の解禁当初は数釣りが続いていたが、1月に入り、その型の良さが評判を呼んでいる。型がいいから釣り応えがある。大原沖のショウサイフグは鍋ネタに最高のターゲットだ。

敷嶋丸
山本幸夫船長
今日は 私が主役

餌のアオヤギは、餌バリにタップリ付ける

集合は係留船の前に午前5時。4時30頃に着いた。既に沢山の車が駐車していた。手前の船がショウサイフグの「第一敷嶋丸」。奥側の「第二敷嶋丸」はオニカサゴ。フグ船は私を含め5人。全員が揃ったという事で、5時半、舫い綱が解かれ、真っ暗な海に出船した。
航程30分程で太東沖に着いた。「ハイ、どうぞ。用意出来たらやって下さい。アタリを待っても良いですが、時々空合わせをして下さい」と山本幸夫船長からアナウンス。海は未だ真っ暗だ。船の明かりを頼りに釣り開始。周辺に僚船の明かりが点々と見える。餌付け(冷凍アオヤギ)をしている所を見せて貰うと「餌バリに肝を縫い刺しし、最後にベロに刺して肝を押さえる。餌のアオヤギはタップリ付けて餌を大きく見せる。フグが食べるのは“キモ”」と言う。ミヨシ(船首)ではウネリに合わせながら空合わせを入れている。振り向くと、右舷トモ(船尾)の加藤雅也さん(千葉県・長生村)が25cm前後の良型フグを釣り上げた。真っ暗な海中から真っ白いフグの腹が海面を割って飛び出して来た。釣り方を見ていると、片手に竿を持ち、チョン、チョンと小さな空合わせを入れての釣り。左舷トモの石和田利一さん(大原市)は座ったまま、小さく空合わせ。見ている前でハリ掛かりさせ、良型を取り込んだ。

大原仕様仕掛け
付け餌 冷凍アオヤギ
快晴の釣り日和

食いが立った時は手返し良く

右舷ミヨシの上荒磯正美さん(富津市)が28cm前後の良型フグを取り込んだ。左舷ミヨシの堺克明さん(富津市)の桶を覗くと、既に2匹泳いでいた。釣り方のコツを聞くと「餌のアピールと空合わせだね。空合わせを何度かした後は、餌のチエックが大切。ベロの固い部分だけ残り、肝が喰われている事もある」と話してくれた。上荒磯さんは「殆どべた底です。釣れるのはお日様が上がってから、これからですよ」と自信を覗かせる。6時半過ぎ、辺りが漸く明るくなって来た。堺さんが良型を取り込み、続けてリールを巻いている。「食いが立った時は手返し良く釣らないとね」と言いながら目の前で立て続けに3匹取り込んだ。良い時合に入った様だ。右舷ミヨシと、左舷ミヨシで交互に釣り上げていく。上がって来るフグはみな30cm前後の良型だ。

加藤雅也さん、船中第1号
上荒磯正美さん、アタリで掛けた
堺克明さん、ガツンと来たよ

石和田さん、空合わせで釣りました
自作の仕掛けです
大きいでしょう

アタリで釣るか?空合わせで釣るか?

7時頃、たまりかねて私も竿を出した。軽く前方へキャスト。水深は20m。ウネリで仕掛けを海底にキープするのが難しい。20cm程浮かせ、ゆっくり竿を上下させて誘いを入れたり、一定間隔で空合わせを入れたりした。最初の1匹目は、空合わせで“ガツン”と来た。スレで掛かって来るので、抵抗感がかなりあり、リールを巻くのも重い。慌てずに上げて来ると、目一杯海水を含み、真っ白いお腹を膨らませ、“グリーッ、グリーッ”と歯ぎしりの様な音を出す。2匹目は、小さく誘いを掛けた時、“クッ、クッ”と竿先に微妙なアタリを感じ、咄嗟に竿を煽ると“ガツン”とハリ掛かり。気持ちが良い瞬間だ。上がって来たのは先程より大きなショウサイフグ。

7時頃、良く釣れた
マイペース、マイペース
アタリで掛けました(取材者)

ゲストにガンゾウビラメ

仕掛け図
7時を回って日が昇り、大分温かくなってきた。同時に完全にフグの時合に入って来た。相変わらず、左右ミヨシの2人は競って良型を取り込んで行く。上がって来るフグは飲んだ海水を、ブルブルと魚体を振りながら吐きだす。パンパンに張ったお腹は見る見るペチャンコになって行く。上荒磯さんがゲストのガンゾウビラメを取り込んだ。「塩焼きで一杯、最高のゲストです」と喜ぶ。8時を回る頃、私の竿先に“コツコツ”のアタリがあり、“ガチッ”と合わせた。かなり大型の予感。上げて来るまでハラハラドキドキ。取り込んだのは今までより更に大きい目測30cm。良型のフグは、アタリが出るが、小型のフグはアタリが判りにくい。空合わせも重要だ。

ゲストのガンゾウビラメ
型が良いから面白い
“フグちり”食材調達!(取材者)

11時30分、沖上り!

10時を回る頃、食いが渋くなってきた。それでも、手慣れた人は、ポイントに入れば確実に掛けている。一つリズムが狂いだすと、アタリが取れず、空合わせでも掛けられない。上荒磯さんは「ポイントに入れば皆にアタリがあっても良い筈。餌をフグに見せれば追っかけて来る」と言う。言っている傍で良型フグを連続して釣り上げる。堺さんが一段と大きなフグを釣り上げた。加藤さんが腹一杯膨らませたフグを取り込んだ所で、11時30分、沖上りの時間になった。

30cm前後の良型揃い!

最終釣果は10~19匹。良型揃いでボリューム満点。空合わせ中心の釣りに徹した左舷トモの石和田利一さんが19匹。アタリを取って掛けた右舷ミヨシの上荒磯正美さんは17匹。持てるテクニックを駆使しての釣りだ。噂通り30cm前後の良型が揃った。日によりアカメ(ヒガンフグ)も交じるとの事。釣ったフグは、下船後船宿に戻り、処理師免許を持った船長が捌いてくれるので、血を水で綺麗に洗い落として持ち帰る。
大原沖のショウサイフグは、味が良いことで定評がある。「4月頃まで楽しめます」と船長。鍋ネタに、刺し身に、唐揚げに、良型だから食べ応え充分。是非足を運んでみて頂きたい。

(釣りビジョンAPC・飯妻 武夫)

今回利用した釣り船
千葉県大原港『敷嶋丸』
〒298-0004
千葉県いすみ市大原10335-1
TEL:0470-62-1800
詳細情報(釣りビジョン)
敷嶋丸ホームページ
出船データ
ショウサイフグ予約乗合
料金:氷付・餌別: 9,000円 餌:1パック500円
集合時間:午前5時00分
出船時間:午前5時30分 沖上がり:午前11時30分
貸道具:無料(竿・リール)
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