ふじや釣舟店・静岡県清水港(巴川)
静岡県・清水港、クロダイの「かかり釣り」に初挑戦!
この日の“指南役”と合流
午前5時に静岡県・清水港『ふじや釣舟店』に到着。この日の先生、片山剛男さん(清水区在住)と合流。片山さんは60歳を過ぎてから『ふじや釣舟店』で「かかり釣り」を始め、10余年の経験を経て、現在では毎年、トップクラスの釣果を上げている御仁だ。当日は自ら手引書、ポイント図、イメージ図を作成して持参頂いた。店が用意してくれた撮影用の大型船(通常の2倍サイズ)に荷物とオカラ、サナギ粉、小石等の入ったコマセ桶を積み込み、舟上で早速コマセ作りを開始。集魚剤やアミなどを入れて良く混ぜ合わせた。「この時間が楽しいよね」と片山さん。まさにその通りだ。船着場を見ると皆さん、コマセ作りや竿の準備をしている。まだ暗い中、店主の親船に曳かれ釣り場の折戸湾に向かった。
釣り場に到着、“実践コマセ”を完成させる
釣り場到着。最初にアンカーを投入、その後2点をロープで固定した。先ほど作ったコマセに付け餌のオキアミやアミを溶かした物を混ぜ、適度の粘り気が出るよう再度混ぜ合わせる。使用する集魚剤は各自色々な物を使うそうだ。付け餌はオキアミ1尾掛け、サシアミ4、5尾掛け、サナギ1個掛けなど冬期は軟らかめのものを使用する。竿は「かかり釣り」専用竿、リールも専用、リール糸2号にハリを直結したシンプルな仕掛けで、テニスボール大に握ったコマセダンゴの中に付け餌を隠し、投入するのだが、これに苦戦した。
自信喪失、ダンゴが握れて半人前!?
事前にコマセダンゴを4、5個投入しポイントを作って、ハリを隠したダンゴを投入するが、途中で割れて付け餌が底まで届かず最初の難問にぶつかる。片山さんを見ると、軟調の竿先がダンゴの重さでしなって時々上下する。「ボラがダンゴを食べているよ。もう直ぐダンゴが割れるから、少しラインを送り込んで待っていて。この時間が楽しみだね」と早くもアタリの瞬間を待っている。こちらはアタリどころではない、ダンゴの練り込み回数を増やし、3回に2回位着底するようになるまでに1時間、ダンゴが割れるのが判るのに更に1時間程費やし、ダンゴ打ちは続いた。
ゆったり、じっくり構えれば良し!
ここで片山さんに話を聞いた。釣りは昔からやっていたが、人に紹介され「かかり釣り」を60歳から始めた。「この釣りは奥が深いが、難しく考えることはない。最初は経験者に教えてもらい、色々考えて経験すること。苦労しての1尾の価値は高い。何しろ船酔いしないのが良い。練炭コンロの貸し出しや昼食の配達などが頼めるのもいいですね」と、シニアからの挑戦を振り返ってくれた。じっくり、丁寧に繰り返す事はシルバー世代の得意なところ、奥が深いのもこの釣りの遣り甲斐があるところだ。
“時合”を逃さず本命が!
午前中はクロダイの機嫌が悪く、ボラ、マルタ、コノシロのみだった。午後になり風が出始め、初挑戦の私には更に難しくなったが、前日も午後の方が良かったとの情報で、集中すると午後1時30分過ぎに片山さんが“本命”1匹目を釣り上げた。カイズ級で苦笑いするが、直ぐに2匹目、3匹目を釣った。短竿なので腕や上半身を使ったやり取りで40cm弱のクロダイを連発。さすがに“地合”は逃がさず、午後3時の納竿前にも同型を釣り、細かなアタリを見逃さない熟練の技を見せてくれた。私は当然オデコ(釣果なし)だったが、ボラとのやりとりが良い経験になった。
次回こそ本命を!
曳き舟で店に戻ると3匹はこの日の竿頭。別舟で松井信遵さん(豊橋市)が1.33kgの良型を釣っていた。冬に浅場で大型が狙えるのはここだけ。夏は数釣りも出来るとの話を常連さんから聞いた。舟の数か決まっているので計画したら電話予約し、空き状況の確認が必要だ。
難しく考えれば切りがないのはどの釣りも同じ。シンプルな「かかり釣り」。コマセで寄せて集中し、小さなアタリを逃さず次回は最初の1匹を釣りたい。
(釣りビジョンAPC・野口 壮一)
今回利用した釣り船 |
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静岡県清水港(巴川)『ふじや釣舟店』 〒424-0949 静岡県静岡市清水区本町5番1号 TEL:054-352-1704 詳細情報(釣りビジョン) ふじや釣舟店ホームページ |
出船データ |
1人:1万2,000円 集魚材は各種別売り(各自持参も可) 手釣りの仕掛け:300円(巻具は返却) 氷:105円 午前5時集合、6時出船、15時最終迎え |