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キャスティングで楽しむ本湖のコアユ釣り【琵琶湖】

2024年06月10日公開

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例年5月ごろになるとシーズンが始まるコアユ釣り。昨年は琵琶湖に流入する河川でのコアユ釣りを紹介した、この哀れな語り部(←筆者のことです)。今回は琵琶湖本湖でのコアユ釣りにトライ!

川のコアユは厳しいという話だが…琵琶湖本湖なら釣れる?

例年であれば5月になると、琵琶湖の小物釣りの主役はホンモロコからコアユへとバトンタッチされる…ハズなのだが、今年はコアユが川を遡上したという知らせがどこにも見当たらないのである。

去年の晩秋から「ヒウオ(コアユの稚魚)がエリに入らない」と、漁師も嘆いていたと聞く…。どうも今年のコアユは不漁が確定的な様子。

だからといって、竿も出さずに諦めるような物分かりのよい人間でもないわけで…とりあえず、トライはしてみたいと思う。

というわけで、最初に挑戦したのは4月23日。

この日はもともと釣りをするつもりはなかった。湖西にある自宅近くの湖岸で犬の散歩をしていたら…あれ、釣り師の延べ竿が曲がってキラキラと光る魚が釣られている…コアユだ! 話を聞くと、なんと朝から昼過ぎまでに200匹は釣ったという。これは…仕事などしている場合ではない!

夕方、再び現場に降り立った、この哀れな語り部。
16尺のヘラ竿にサビキ仕掛けをセットし、湖に立ちこむと…初めのうちはさほどアタリはなかったのだが、コアユが寄り始めたのか、1匹、また1匹と釣れ始めた。トリプルしかも、15cm級の大型もたまに混じるではないか。

遅めの時間だったので、この日は1時間で納竿したのだが、39匹のコアユを釣り上げることができた。素晴らしいシーズンのスタートである。

日ムラが激しいものの、チャンス日を狙えばプチ爆釣も味わえる

今シーズン最初のコアユ釣りで気をよくしたこの哀れな語り部。それから夕方の短時間釣行に2~3度赴くも…10~20匹程度の釣果が続いた。

やはり、今年は厳しいのか…と、しばらくコアユ釣りに足が遠のいていた。

そんなとき、実家の親からメッセージが届く。

「来週、お父さんの友達が15人来ます。コアユの天ぷらが美味しそうだね。人数分送ってください」

となれば、ぜひとも100匹は釣りたい。例年なら難しいオーダーではないのだが…。ということで、5月20日からまた近所の浜へと早朝短時間釣行を開始することにした。

雨上がりの朝6時25分。現場に着くと、すでに釣り人がズラリと並んで、脚立を水中に立てていたり、立ち込んで釣りをしていたりしている。

人気のエリアから200mほど離れた場所に陣取ったこの哀れな語り部。エサを投入し始めると…開始直後からバンバン釣れ、これは朝だけで100匹超えるか?…と思うほどのロケットスタート。

しかし、9時ごろから急ブレーキがかかり…10時になるころにはすぐ目の前にコアユの群れが出現するようになった。しかし、これがなぜかさっぱり喰い気がない。10時半、結局60匹で納竿となった。

 

本湖なら投げ釣りの方が理にかなっている気もする

さて、本湖のコアユ釣りのタックルや釣り方の話をしよう。

流入河川でも本湖でも延べ竿を使うのが圧倒的に主流なのだが…湖の釣りだとその時々でコアユのポジションに合わせる必要があり、どうしても5m前後のかなり長い竿になってしまう。しかも、湖に立ちこむ必要性も高く…重いし、冷たいし…ちょっと面倒だったりもする。

そこで、この日から導入してみたのがバスタックル。7フィートのスピニングロッドに2500番リールをセットしたもの。これなら立ち込むことなく、25m沖くらいまでなら狙いたいスポットへ仕掛けを投入することができる。

実際に使ってみると、若干キャストにコツがいるものの、慣れればなんの問題もない。竿とリールもバス用ならば軽くて持ち重りしないし、準備片付けも少し楽である。この合理性を体感すると、延べ竿が主流なのは(ホンモロコと同じく)単に昔の名残なのかも…と思ったりもする。ただ、近距離の手返しだけはほんの少し延べ竿の方が有利かもしれない。

でも延べ竿は延べ竿で釣趣がいいんだよ…という人もいるかもしれない。だが筆者の場合、そんなことを考えるのは自分なりにいろいろと経験を積み、飽きるほど釣れるようになってからでいいのではないだろうか?

そして釣り方。川のコアユ釣りの仕掛けは、上から、道糸にセットしたウキ、コアユ用サビキ仕掛け、エサをセットするラセン、オモリの順。流れのなかでウキが下流側へと仕掛けを先導し上流側のオモリを引きずる。ラセンにセットしたエサが上流から下流側のサビキ仕掛けへと流れていく、というシステムだ。

対して、湖の仕掛けは、上から道糸にセットしたウキ、エサをセットするラセン、コアユ用サビキ仕掛け、オモリの順。ウキの下にあるラセンからエサが底方向のサビキ仕掛けに向かってバラけていくという仕組み。

仕掛けを投入したら、そのまま待っていると…玉ウキがポコン、ポコンと沈んだり、消し込んだりしたら…それがアタリ。軽く巻き合わせを入れて、魚の重さを感じたらそのままゆっくり巻いてくる。

また、状況によっては誘いのアクションを断続的に入れた方が喰ってくることもある。

川のコアユ釣りよりもやや難易度は高いが、やればやるほどよく釣れる、テクニカルな数釣りを楽しめると思う。

※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

望月 俊典
千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。
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