釣りビジョン

数より型狙い!竹岡沖のカワハギ

2015年10月15日公開

03_main.jpg

台風が通過する度に涼しくなり、いよいよ秋の船釣りシーズン到来だ。例年、この時期になると気になるのは今シーズンのカワハギ事情。今年の模様はいかがなものか?神奈川県・金沢八景『新修丸』へ出掛けてみた。

【この記事を書いたライター】牛島 誠

アカムツにかわってカワハギ!

金沢八景野島・夕照橋脇にある『新修丸』は、通年カサゴの専門船を出していることで知られた船宿だが、5~9月には久里浜沖に産卵の為乗っ込んできた超高級魚・アカムツを狙う数少ない船宿としても有名だ。そのアカムツと入れ違いで“開幕”するのがカワハギ釣りだ。

首都高速道路最大活用!
私の住むさいたま市から利用する首都高速ICは「さいたま見沼」。ここから『新修丸』に最も近いICは「幸浦」である。つまり首都高速の端から端まで最大限利用したことになる。これで料金はETC利用で片道830円と懐に優しく有難い。また、カワハギの出船時間はのんびりと7時20分なので、十分睡眠を取ってから出発できるのも単独釣行には嬉しい限り。道中、停留所で傘をさしてバスを待つ通勤途中のサラリーマンの皆様を横目で見ながら、夕照橋袂の『新修丸』待合所に到着すると、新明正義大船長が笑顔で迎えてくれた。

11月中旬並みの寒さ…

荷物を待合所に降ろし、駐車場まで大船長に送迎してもらう道すがら「今日は北東風が強いから、竹岡沖に着くまでドッタンバッタンしちゃうなぁ…」。当日の天気予報は北東風が強く、おまけに終日雨降りのバッドコンディション。後で知ったのだが、この日は11月中旬並みの寒さだったとか…。

竹岡沖は土砂降り・大風・速い潮のトリプルパンチ
降りしきる雨の中準備を済ませ、定刻の7時20分に河岸払い。今回舵を握るのは普段カサゴ乗合船を操船する石田和也船長。「道中波を被るんでキャビンに入っててくださ~い」とアナウンス。こんな悪条件にも関わらず、右舷には初心者含む仕事仲間が集まった6人、左舷にも私含め4人が乗船して合計10人。今更ながらカワハギ人気の高さには驚く。

 

開始早々良型上がる!

海の悪状況もあり、ややスローで走ること約45分。釣り場の竹岡沖に到着した。「どうぞ、オモリ25号で始めてください。水深は15~20m!」と船長からのアナウンス。全員、一斉に仕掛けを投入、カワハギのアタリを待つ。様子を伺っていると、潮の流れが速いようで底立ちが取り辛く、オマツリも頻発している。そんな悪条件の中、開始早々上がったのは目測25cmの良型だった。これを皮切りにポツポツながら良型カワハギが取り込まれだした。

“外道”のオンパレード
滑り出しは上々だったものの、その後は“外道”のオンパレード。カワハギ釣りは多彩な“外道”も魅力の反面、「招かれざる客」も多いのが悩みの種。今回も海水温が高いのが影響してか、トラギスやベラといったあまり喜ばれない魚たちが釣れてはリリースされ、それを狙う海鳥達で海面はあたかも餌付け場状態となった。

釣れたカワハギはすでに肝パン状態!

小まめに船を移動して岩礁周りのポイントに当ててくれる船長もこれには渋い表情。「今年の竹岡沖は“ワッペンサイズ”は交じらず上がれば良型なんですけど、数がまとまりませんね。最初にポンポンと釣れてもなかなか後が続かないんですよ。それにしても今日は潮もカッ飛んでて波も高いし…条件悪過ぎます」と船長。
11時過ぎ、私も竿を出す。確かに潮は速く底ダチを取り直す度にどんどん糸が引き出されていく。おまけに潮流も複雑で、これは厳しい。仕掛けを回収する度に餌取られているので、魚の活性自体は悪くないはずだが、この状況ではアタリすら取れない。それでも“外道”に悩まされながら何とか2匹をキャッチ出来た。サイズは中型ながらお腹はプックリ。明らかに“肝パン”状態だ。アフターフィッシングに期待が膨らんだ。
その後もポツリポツリといった状況で、土砂降り・強風・波高の三重苦の中、悪戦苦闘しながら最後まで頑張り続けた初挑戦の方もめでたく“本命”1匹をキャッチすることが出来た。この状況下で誰一人キャビンに入ってリタイアする事無く頑張り続けた乗船者の皆様、やっぱりホントにカワハギ釣りが好きなんですね。

本格的な数釣りシーズンはこれからが本番!

その後も悪条件は好転することなく、定刻の2時半に沖上がりとなった。残念ながらオデコも出てしまったが、竿頭は横浜市の竹林聖一さんの6匹。当初は“タイシャクリ”の船に乗船予定だったが出船しなかった為、急遽タイラバロッドを持ち込んでチャレンジしたとの事。専用ロッドでないにも関わらず竿頭とは…見事です。
下船後、新明正義大船長に現状を聞いてみた。「今は竹岡沖メインでやってます。まだ海水温が高くて本調子とはいかないですけど、これから海水温が下がって、群れが固まりだしてからが本番!今後は大貫沖や第二海堡周りも狙っていきます。そちらは小型中心ながら数釣りも楽しめますよ」との事。そう、カワハギシーズンはまだ始まったばかりだ。ちなみに皆様が気になるカワハギの肝は、この時期にしてはビックリするくらい肥えていました!

今回利用した釣り船

神奈川県金沢八景『新修丸』
神奈川県横浜市金沢区野島町10
TEL:045-784-2636(定休日 毎週木曜日) 釣果・施設情報 新修丸ホームページ

出船データ

■出船時間
カワハギ船(予約者3名より出船):7時20分出船、14時30分沖上がり
カサゴ船(常時出船):7時30分出船、14時30分沖上がり
■基本料金※サービス券利用可、女性・中学生以下割引あり
カワハギ:9,500円(餌・氷1ヶ付き)餌持参・又は餌別は8,500円
カサゴ:8,700円(餌・氷1ヶ付き)平日は8,200円
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

その他オススメ記事

釣りビジョン倶楽部