池田丸・神奈川県腰越港
お手軽!誰にでも楽しめるウイリー五目釣り!
サビキが縦ならウイリーは横の釣り
仕掛けの形態は、確かにサビキ状なのだが、ウイリー仕掛けの特徴は、縦の釣りのサビキと違って、横の釣りだという点。サビキ仕掛けを使う場合は、仕掛けの先端(下)にオモリかビシ(コマセカゴ)が付き、仕掛けは海底に対して垂直になるが、ウイリーの場合は、ビシを付けたテンビンに結んで使う。つまり、潮の流れによって海底とは平行に近い形になるわけで、サビキが縦ならウイリーは横と言う訳だ。
アミコマセを撒きながら、徐々にタナを上げて魚を誘う釣り方。基本は“向こう合わせ”の釣りなので、船長の指示するタナさえ守れば、それ程難しい釣りではない。
船長からいきなり“先制パンチ”
4日の午前7時、池田博夫船長の操船で港を出船。船長は、「ここ2、3日潮が澄んじゃって、ちょっと喰いが悪いんだよね」と、港を出るなり呟いた。嫌な予感が頭を過る。年が明けて、この日が3回目の取材。過去2回とも潮に祟られ、シケに祟られ、満足な釣りが出来ていない。このマガジンの目的は、船宿が力を入れている釣りの紹介なので、こちらが好釣果を得る必要はない。とは言うものの、折角竿を出しているのだから、釣れるに越したことはない。常連の林さんが船中初獲物のサンバソウ
そんなことを考えている内に、釣り場の鎌倉沖に到着した。この日も前回の取材日(1月18日)同様、快晴・無風のこれ以上望めない釣り日和に恵まれた。しかし、船長の合図を待って仕掛けを投入した途端、「潮が澄んじゃって…」と言う船長の言葉を瞬時に理解した。沈んでいくビシが5mはおろか10mを過ぎても鮮明に見える。15mを過ぎた辺りでやっと見えなくなった。透明度14、15mは確実にありそうだ。ウイリーの釣りは、アミコマセを使った擬餌バリの釣りである。潮が澄んでいればいる程不利になる。
そんな中でも、間もなく「釣れたよ」と船長。右舷のミヨシ(船首)で竿を出していた常連の林義照さん(65)が、船中初獲物のサンバソウ(イシダイの幼魚=7本の横縞があり、能や歌舞伎の三番叟がかぶる烏帽子の模様に似ている事から付いた呼び名)を釣り上げたのだ。
ハナダイ、イサキ、ワカシも釣れる
ウイリー五目釣り-と言うのは、常に五目釣り状態(色々な魚が釣れる)と言う訳ではなく、時期によって色々な魚が釣れると言う事。現在の対象魚は、サンバソウを中心にアジ、ハナダイがメインだ。もう少し暖かくなって来ると、ハナダイが多くなり、イサキやワカシ(イナダ)なんかも交じって来る。
サンバソウと言う呼び名は、関東では馴染みがない人も多いと思う(『池田丸』の釣果欄でもイシダイと表記)が、西日本では、食べて美味い魚として人気がある釣り物だ。イシダイは、小型でも味がよく、刺し身、酒蒸しなどは絶品。
「数は少ないけど、たまに1㎏前後のいい型も交じって来るんで、今の時期はそれを楽しみに来ています」と言う林さん。その後も一人好調に釣り続け、500、600g級を頭に9尾を釣り上げ、納竿間際にはカワハギもゲットした。
翌々日には良型アジも9~27尾
「いつもなら、アジが必ず喰うんだけど、今日はサッパリだったね」と船長が言う通り、この日は、澄み過ぎた潮の影響か、アジは全く姿を見せなかった。しかし、6日の日曜日には、18~32㎝のアジが9~27尾(イシダイ0~6尾)交じっており、この日はたまたま喰わなかっただけのようだ。また、25~30㎝のハナダイが交じった日もあった。
シーズン盛期はこれから
今後、気温、潮温とも上昇してくれば、ハナダイやサンバソウの数も上昇してくるはず。釣り場も近く、水深も20~50mと手頃。付け餌の必要もなく、指示されたタナから、70、80㎝の間隔でシャクリ上げてくればいいだけの釣り方。ビギナーや家族連れにも十分に楽しめるはずだ。お天気のいい日に出掛けてみては如何だろう。
(野口 哲雄)
今回利用した釣り船 |
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神奈川県腰越港『池田丸』 〒248-0033 神奈川県鎌倉市腰越2-12-10 TEL:0467-32-2121(第1・3木曜日) 詳細情報(釣りビジョン) 池田丸ホームページ |
出船データ |
午前7時出船、午後2時沖上がり 料金:8500円(コマセ付) |