渚丸・神奈川県片瀬江ノ島港
今シーズンも期待大!湘南・極太“大カマス”!
シーズン開幕当初は浅場を狙う!
出掛けたのは8月24日(水)。この日が“大カマス”乗合船の初出船、12人の「大カマスフリーク」が乗船した。出船は朝6時40分。釣り場は港の目と鼻の先の江ノ島沖。航程約5分で到着。魚群探知機(魚探)とソナーを駆使して群れを捜し6時50分、「はい、どうぞ!水深43m。下から1m上げてやってみて」と船長から合図。その水深に「随分浅いな…」と驚いた。昨年、『渚丸』で“大カマス”の取材をした時には157mの水深から始め、その後も100mより浅い所ではやらなかったので面食らった。どうやらシーズン開幕当初は、深場に落ちる前の魚を狙うのだと言う。(昨年の記事はこちらを参照)
いきなりのダブルヒット!
何と第1投目から “大カマス”2尾が威勢良く顔を出した。それも2人同時のダブルヒットだ。「これは凄い!今日はあの試し釣りのように大漁になりそうだ!」。船長を始め誰もがそう思った。 ここで“大カマス”釣りのタックルと基本的な釣り方を紹介しよう。仕掛けは胴突き3本バリが基本。ハリ数は好みや戦略によって増やしても良いが、まずは船長が考案した「渚丸・オリジナル仕掛け」をお奨めする。餌はサバの切り身。オモリは浅場では80号、深場では150号をメインに使用する。
臆病で神経質…でも大胆不敵な“大カマス”!
朝いちのイケイケムードから一転、皆の期待も虚しくその後はポツリポツリとスローな展開となった。そう簡単にいかないのが“大カマス”釣りの難しさである。それにしてもこのアカカマスという魚、獰猛な顔に似合わず神経質で臆病なようだ。操舵室で魚探を見ながら船長がリアルタイムで説明してくれたが、仕掛けを落とした瞬間にカマスを示す反応がバックリ割れたり、山のように盛り上がった魚群反応がペタリと平らになってしまう様を何度も見せ付けられた。夜行性の強い魚なので、日中は海底付近でボーっとしているが、何かのきっかけで口を使う気分屋らしい。中々口を使わないが、時たま気紛れで喰ってくる“大カマス”を相手に「何が気に入らないのかなぁ!?」と半ば呆れる船長。しかし、確実に時合はある。釣れるときはバタバタと連ちゃんすることも多い。何度となく魚探の画面を見たが、“大カマス”の反応がびっしりと帯を作り、もちろんその真上に船は乗っていた。「口を使う、使わないのは紙一重の状況変化だね」という船長の言葉に納得。
最終的に、この日は江ノ島沖をメインとしながらも1度平塚沖まで移動し、そこで3連発のヒットなどもあり、定刻(午後2時)から少し過ぎて終了。狙った水深は35~46mだった。
しかし…大カマス釣りの楽しさは、その味の良さも紹介してはじめて完成する。私も途中から竿を出し“食材”確保に努めたが敢えなくボウズ(ノーフィッシュ)。そこで2日後に泣きの再取材を申し込んだ。
リベンジに燃える2人!!
8月26日(金)。再び船に乗った。「おはようございます!」と挨拶してくれた釣り人に見覚えが…なんと2日前一緒に船に乗った関西から藤沢市に転勤してきたという川北博史さんだった。実は川北さん、前回“大カマス”初体験で、残念ながら私と同じくボウズだったのだ。二人で「今日こそは」と胸に誓い出船したのだが…。この先はあまり書きたくないが、結論から言うと2日前より“大カマス”のご機嫌はすこぶる悪く、逆に返り討ちにあってしまった。なんと私は2日間を通して惨敗。しかし川北さんは見事リベンジを達成!初“大カマス”をゲット、「長かったよ~」と感動の対面を果たした。
今シーズンは期待大!
この湘南の“大カマス”釣り。秋の深まりと共に深場へ落ち、群れも密集して釣りやすくなる。浅場にこれだけ群れの反応があるのだから魚影は相当濃いはず。「本格的シーズンには期待が持てる!」と船長も楽しみにしていた。
【 美味しいインフォメーション 】
2日間ボウズだった私…。しかし肝心の食材は船長の計らいでどうにか確保できた。今回、“大カマス”料理を披露してくれるのは、『渚丸』の常連で船長の友人でもある中川和行さん。実は中川さん、藤沢駅前にある居酒屋『酒処喰処 久昇』の板前さん。プロの料理人が教える家庭でも簡単にできる絶品カマス料理の数々をご紹介。ほんのちょっとした工夫と考え方でこんなにも料理が美味しくなるなんて驚きと感動の連続。これは必見です!
(鈴木 恭介)
今回利用した釣り船 |
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神奈川県片瀬江ノ島港『渚丸』 〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸2-20-25 TEL:0466-33-1091 (定休日:毎週火曜日) 詳細情報(釣りビジョン) 渚丸ホームページ |
出船データ |
乗船料金:9500円(氷、餌付き) レンタルタックル一式2000円(竿、電動リール、ロッドキーパー) 出船7時/沖上がり14時 |