2022年03月31日公開
和歌山県北部では3月中旬とは思えない暖かい日々が続いている。“寒バエ”シーズンは終わってしまったようだが、ハエの顔が見たくなり、3月中旬の昼下がり、高確率で釣れる中谷川へと自転車を走らせた。
※ハエ=和名・オイカワ、関東地方ではヤマベと呼ばれる
ウキ釣りから毛バリ釣りへの端境期!?
中谷川は和歌山県を流れる一級河川・紀ノ川の支流である。紀ノ川筋の各支流はどこも比較的水量が少ないのだが、中谷川は常にそこそこの水量がある支流の1つだ。特に、この日は前日に適度な雨が降ったので、淀みのポイントは程よい濁りが入っていた。この淀みのポイント上・下流には好条件の瀬があり、流し毛バリ仕掛けでハエ釣りを楽しむことができる。ちなみに、淀みのポイントでは、じっくり腰を落ち着かせ、ウキ釣りで釣ると面白い。
この淀み周辺は、私は1級ポイントだと思っているのだが、今のところ他の釣り人に出会ったことがない。じっくりと落ち着いて釣りが楽しめるお気に入りのポイントだ。この淀みのポイントでは、過去にハエ(オイカワ)、カワムツ、タカハヤ(アブラッパヤ)、タモロコの4魚種を釣った事がある。
釣れるハエのサイズを考慮したタックルを選択
シーズンは少しずれたが、この日は“寒バエ”釣りスタイルで狙った。瀬のポイントで狙う流し毛バリ釣りのシーズンは、ゴールデンウイーク過ぎだ。そこで、淀みのポイントでじっくり粘ろうと、ウキ釣りタックルを用意した。
竿はカーボンのタナゴ竿1.8m、仕掛けは道糸0.8号、雑魚ウキ、極小シモリ5個付け、ハリス付きタナゴバリ。餌は以前から買い置きしてあるヘラブナ用の練り餌である。「これ、タナゴ釣りのタックルじゃないか」と思われるかもしれないが、ポイントが狭いので、作り置きしてあったタナゴタックルを流用したのだ。グルテン餌を使った理由は、匂いで魚を1ヵ所に留め、座ってゆっくり釣りたかった(動きたくなかった)だけのこと。
釣り始めて2時間、ようやくハエが……
ここ1週間程、とても3月中旬とは思えない暖かい日々が続いていた。正直グルテン餌を使用するまでもなく、淀みのポイントには沢山の魚が群れていた。この気温上昇で一気に活性が上がったのだろう。ただし、この群れの正体が何なのか気になるところだが…。
取り敢えず仕掛けを投入してみた。開始5分位で極小シモリが引っ張られるアタリ。合わすと手元に収まったのはカワムツ。やっぱりそうだ。実は紀北筋の河川では、どこもカワムツが異常繁殖しているのだ。
綺麗な魚体のハエが釣れた!
午後1時にスタートして、午後3時過ぎまで釣れるのはひたすらカワムツ。正直飽きてきた。いい加減納竿しようとしていた時、投入した仕掛け周辺が光った。直後に親ウキまで引き込まれるアタリ。合わせて乗った魚は空中で銀色に光った。手中に収まったのは紛れもなくハエだった。カワムツは光らないのですぐに分かる。無事に狙った魚をゲットした。
この日の釣果は、カワムツ中心に20匹足らず、暫くの間、カワムツ釣りに徹した方がよさそうだ。