吉野屋・千葉県浦安
正月目前!何と言っても東京湾のマダコ!!
“竿納め”は、東京湾のマダコ
早いもので平成23年も残すところ1カ月。毎年、年末の“竿納め”は、東京湾のマダコと決めている。毎年、師走の29日、『吉野屋』に出掛けるのだが、幸いにもここ2年、家族だけでは食べ切れないほどの釣果に恵まれた。今回は、取材にかこつけて密かに年末釣行の下見も行って来た。カワハギ大船団を横目で見ながら
午前7時、“タコ船長”こと千田貴之さんが舵を握る大型快速船は、16人を乗せて出船した。「釣り場までは1時間ちょっと掛かりますので、キャビンでゆっくりして下さい」。旧江戸川を下りながら船長からアナウンス。「1時間ちょっと…」と言う事は、釣り場は、上手(うわて=横浜沖周辺)じゃないって事。その辺の事情を聞いてみると、「“夏ダコ”の頃までは上手でもいくらか釣れたんですが、このところは沖の根周り専門です」と言う。昨シーズンにいい思いをした横浜沿岸部の釣り場は、「暫く休ませないと駄目でしょう」との事。東京湾のマダコは、比較的定着性が高いので、攻め過ぎると激減してしまうようだ。到着したのは竹岡沖。周辺には、只今絶好調のカワハギを狙う船が大船団を作っていた。
船中の初獲物は500g級
根(岩礁)の上を攻めるマダコ釣りでは、船を横流しにした方が乗船者に平均して釣れる。しかし、人数が多ければ、片舷ずつ流すしかない。通常、10人までは片舷釣りでやっているそうだが、この日はメインとなる左舷側に11人、右舷側に5人が座った。小生は、右舷側の真ん中に座り、船長の合図と共に50号のテンヤ(餌は石ガニ)を投入した。
釣り始めてすぐに分かったのは、潮がほとんど流れていないという事。そのせいか周りのカワハギ船もあまり釣れていない様子だ。苦戦を覚悟しなければならない状況だ。船長は、当然人数の多い左舷中心に船を流すが、潮の流れがほとんどないので、右舷側もそれ程釣り難くはない。そのせいか初獲物は、右舷のミヨシ(船首)で上がった。500g級のかわいいマダコだったが、釣り始めて30分程誰にも釣れず、船上に重~い空気が立ち込め出した時だっただけにその効果は絶大。
15mの海底からテンヤのカニを追い掛けて来たマダコ!
間もなく、ミヨシから2番目の人に1㎏オーバーのいい型が釣れ、小生にも1㎏級が釣れて来た。続いて2番目に釣った人が餌を確認しようと引き上げて来たテンヤが、海面下に見えた時、船下から1㎏オーバーのマダコがテンヤ目掛けて突進するのを目撃。「上げちゃ駄目!タコがいます!」と大声を張り上げてしまった。釣り場の水深は15m、海底から引き上げられるテンヤに付いて来たのだ。小生の声に気が付いてテンヤを手繰るのを止めた瞬間、マダコが抱き着いた。「船長!」。今度はテンヤの主が大声を上げた。玉網片手にすっ飛んで来た船長が無事ランディング、1.5㎏級の良型だった。随分永い間マダコ釣りをやっているが、初めて見る光景である。ついつい興奮してしまった。4、5mの水深ならありそうな事だが、15mの海底から追い掛けて来るとは…。何十年釣りをやっていても、まだまだ未体験な事がある事を改めて知った思いだった。
右舷ミヨシ側3人が2尾ずつ
この日は、何故か右舷のミヨシ側が好調で、気が付けばミヨシ、2番目、そして小生までの3人が2尾ずつのマダコを釣り上げていた。本来なら左舷側に釣果が片寄るはずなのだが、この時点では、左舷側は全員がオデコ(0尾)という不可解な状況が生まれていた。千田船長は、泰然自若としており、あまりバタバタしない人柄だが、この状況には流石に焦りがあったのだろう。頻繁に場所替えを繰り返し始めた。午後になると、その効果が出始めて左舷側でも1人、また1人とオデコを脱出、右舷ミヨシでは3尾目が釣れ、2番目の人は3尾目、4尾目を釣り上げた。
午後2時45分に沖上がりとなったが、4尾が竿頭でオデコが5人出てしまった。しかし、16人乗船して0~4尾、オデコ5人なら、潮が流れなかった悪条件を考えればまずまずの釣果と言えよう。少人数(10人未満)で片舷流しなら、オデコなしトップで7、8尾といった釣果も度々記録されている。船長の話では、ポイントはかなり広範囲に及んでいるとの事なので、少なくとも年末までは十分に期待出来そうだ。今年も29日には、正月用のマダコを狙って出掛けるつもりだ。
(野口 哲雄)
※『吉野屋』では、釣りビジョン・HPで紹介しているように東日本大震災義援金「釣り人一人ワンコイン(100円)」運動に参加しており、店内に募金箱を置いている。東北地方の復興にはまだまだ時間が掛かる。出掛けた際にはご協力を!!今回利用した釣り船 |
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