2022年06月01日公開
長野県・木曽郡を流れる木曽川は約2000の支流を持つ大河。「5月になれば雪代増水も落ち着く」と目論んだが、釣行前日は一日中大雨で増水、残念ながら狙っていた上流部には入れず、中流域の里川部分でテンカラを振った。
水温14度と申し分なし!
5月14日午前9時、気温16度、標高1000mにしては暖かい。11時30分に入渓したが、水温14度と申し分なし。普段は水量の少ない里川小沢だが、この日は水量が多かった。過去にも雨降り時に良い釣りをしたことがある末川水系・把の沢で釣り始めたが、山風が河原を抜け毛バリが水面を走る。そこで、平瀬(水深20cm前後)を諦め、大石まわりや堰堤下に狙いを定めた。
半年ぶりにイワナと対面
同行の友人に「ここからが“本命”」と、人家の少なくなった河原で数少ない成功体験を話し、「あんな所に逃げているかも」と、毛バリを流れの緩い石の裏に流すと水面直下でイワナが飛び出した。それを見た友人が先行して小堰堤の落ち込みで、私の魚より大きいイワナを1投目で掛けた。「無警戒で水面に出た」と友人。増水時での経験が役に立ち。思わず笑顔。周りにはハナモモやシバザクラの花が咲き乱れ、短時間で半年ぶりの心地よい感覚が蘇った。その後、1匹追加して12時30分に納竿、次の釣り場へ移動した。
沢は魚の“ゆりかご”
複数の流れ込み小沢を持つ本流(平川)は、流れ込む小沢毎に水温や水量が異なる事を理解していた方が良い。増水時は小沢に魚は逃げ込むといわれるが、小沢では長竿が使えず、魚の“品格”が落ちると本流しか釣りをしない釣り人もいる。しかし、小沢はテンカラのトレーニングには申し分ない。「注意深い接近術」、「ポイントの選定」、「正確なキャスト」等で本流に劣らない釣果になることもある。ただし、魚はリリースして資源保護、沢は魚の“ゆりかご”と数十年前、川釣り漁師に教わった。
午後3時過ぎに西野川本流に流れ込む小沢に入渓、本流合流の数m上の落ち込みで友人が25cmのイワナをゲット。まさに本流からの“逃げ込み”イワナ。分かれていたので写真が無いのが残念。私は別の沢の壊れた堰堤の溜まりで、20cmに少し足らないアマゴを釣り上げた。普段、水量が少ない時には魚影は見えていも掛からないポイント。増水時ならではの釣果で「してやったり!」。水温は本流より低い12度だ。
事前準備や情報収集忘れずに!
今回は大雨、増水濁りとポイント選定に苦労した“里川テンカラ”になったが、どうにか釣果は出せた。山岳渓流の流域は広く、天気などの条件が揃わないと厳しい釣行になる。事前準備や情報収集、そして、危険回避に留意。非常用食料や地図(携帯は繋がらない場所も多い)、さらにクマ対策も必要で、竿を出さず撤退する事も念頭に置くこと。しかし、まだまだ手付かずの地域もあり魅力あふれる源流釣行、シーズンは始まったばかりだ。
施設等情報
施設等関連情報
※詳細は、木曽川漁業協同組合ホームページを確認