2022年07月06日公開
6月下旬、北海道・十勝地方の十勝川へ。最近、北海道は雨が多く、蒸し暑い日が続いている。当日は「晴れのち曇り」の予報だったが、14時で気温は26℃、水温は17.7℃と、この時期としては気温、水温ともに高い日だった。この状況がどう転ぶか、若干の不安も抱えながら出掛けた。
60cmオーバーのニジマス&アメマスがターゲット
十勝の母なる川、十勝川は大雪連峰十勝岳を源に然別川、音更川、札内川、利別川など多くの支流を合わせて広大な十勝平野を南下、太平洋に注ぐ北海道の大河である。流域面積は全国6位と、日本でも有数の大河川でもある。上流~中流域ではニジマス釣り、下流ではアメマス釣りが有名。60cmオーバーもしばしば飛び出すアメマスは特に人気があり、道外からも多くの釣り人が訪れる。早春の指先が冷たくなるような日が続いても、週末ともなれば、駐車スペースがないくらいに釣り人の車で混雑する。北海道の中でも人気のある釣り場と言えるだろう。
ヤマメ模様のスプーン7gのロングキャストゲーム
今回エントリーしたのは、中流域。芽室町の毛根という地区だ。私の拠点である帯広市からは車で約30分。中流域とはいえ、さすが日本屈指の大河、川幅40mはあるだろうか。しっかりロングキャストしなければ、よい釣りにはならない。まずは7gと厚めのスプーン(ヤマメ模様)を選択し、流心を狙うことにした。つい先日、巻き直したばかりの2500番のリールと6ftのロッドを手に釣り上がる。いつもよりスプールエッジの抵抗が少なく、キャストが気持ちいい。飛距離もGood。しかし、そう簡単には釣れない。水温が高いため、より流れのあるポイントにレンジを変えてアプローチしたが、なかなか反応がない。ゴールド系やシルバー系、はたまた赤に色を変えても渋い。いやはや手ごわい。
結果を出したのはスプーンではなく…
そこで、水中にベイトフィッシュが見えないことから、虫っぽいスピナーを投入することに。そして、ポイントも本流から分岐した支流に変更する。深さは腰くらいだ。アップクロスでキャストして表層付近を泳がせ、ダウンクロスに差し掛かったところでHIT!ネットインしたのは20cm前後のキレイなニジマスだった。サイズの割には元気で、楽しませてくれた。何と言ってもパーマークが美しい。ビッグサイズとは言えないものの、美しい渓魚と出会う瞬間はいつも感動する。ラッキーだ。
さらにラッキーは続き、少し釣り上がったところで、もう1匹HIT!またミニサイズだが、ニジマスが顔を見せてくれた。先程と同じく表層付近で喰ってきた。「天気があまりよくないと魚が浮いている」という法則はやはり本当か…?この日は持ち合わせていなかったが、魚が浮いていると分かった時は、フローティング系のルアーなども面白かったかもしれない。
自分の思い入れより魚の胃袋に思いを馳せる
今回の釣りで改めて感じたのが、ベイトをよく観察するということ。釣りをする上では基本的なことだが、私はついつい「このルアーで釣りたい」など、強い思いが入ってしまうと、この法則を忘れがちになる。最初、実績のある魚模様のスプーンをロングキャストして狙ったが、先程も述べたように、よく観察するとベイトフィッシュの姿はなかった。一方で、水面付近にはカゲロウの仲間だろうか、虫が集団で飛んでいた。そこで虫に似たスピナーを投入し、結果的に「ボウズ(0匹)」を逃れた。
前に釣れたルアーでも、時期や水温、水量などによっては全く釣れない。魚に遊んでもらうためには、何を食べたがっているのかを想像することが極めて重要だ。まさに今回、体感させられた。そして、やはりこの時期の北海道・十勝川のキーワードは”虫”だった。
無数のポイントと妄想が広がる川
十勝川の魅力は、やはりその大きさ。長い川沿いを走っていると、「そこのポイントはよいな、あそこも…」というように、無限に気になるポイントが出てきて、妄想が膨らむ。大河川であるが故、なおさらなのだろう。上流から中流のニジマス、下流のアメマスと、雑誌やSNSでかなりの大物が釣れているとの情報を目にする。今回はかわいいサイズだった、キャストのたびに大いなる期待が持てるのは嬉しい。ちなみに、近くには温泉街もあるので、釣行の疲れをいやすにはちょうどよい。いつの日か70cmクラスの大物を釣って、ゆっくり温泉につかりたいものだ。