2022年08月02日公開
我が国の伝統釣法として知られる「アユの友釣り」。アユは、餌の藻類(主に珪藻)が豊かな場所に縄張りを持ち、そこに侵入してくるアユを攻撃する習性がある。これを巧みに利用して、“オトリアユ”を縄張りに送り込み、追い出しに来たアユを掛けバリに掛けると言う独特な釣り方だ。しかし、この釣り方、竿も仕掛けもビギナーには相当ハードルが高い代物。そこで近年、「アユイング」、「キャスティングアユ」と呼ばれるルアーを使った釣り方が注目を集めている。『釣りビジョン』制作スタッフが東京の大河・多摩川と今シーズン好調な神奈川県・相模川で“アユのルアーフィッシング”を体験してきた。
清流の女王・アユを多摩川で釣る!
流域で暮らす人々は凡そ380万人。首都圏を流れる多摩川で清流の女王とも呼ばれるアユが釣れるのはご存じだろうか?この地のアユは、高度経済成長に伴う汚染で一時は姿を消したが、下水道の普及と釣り人や近隣住民の清掃活動等、努力の甲斐あって水質が大幅に改善。それ伴いアユも戻って来た。
私は、この多摩川で小学生の頃から色んな釣りを楽しんでいるが、本格的にアユを狙うのは今回が初めて。釣り場は多摩川でアユのルアーフィッシングが楽しめる「内共12号」と呼ばれる中流域エリア(ガス橋から多摩川原橋の間)。無事に釣る事が出来るだろうか。
初挑戦で大アユが連発!!
アユのルアーフィッシングは、手軽にエントリー出来るのが魅力の一つ。今回使用するロッドとリールは手持ちのバスタックルを流用、ルアーはアユのルアーフィッシング用に発売されている専用ルアーを購入。最初からハリス止めや掛けバリがセットされているので、釣り場に着いたらすぐに釣りをする事が出来る。
釣り場に到着直後、アユが居そうな大きな石を発見。上流に立ってその石にアユルアーを流し込んでいくと強烈にルアーが持っていかれた。その後も同じ要領でポイントを探っていくと連発!!2匹目は24cmの大アユだった。
好調の相模川で数釣りに挑戦!!
アユのルアーフィッシングの魅力に大はまり。すぐに専用ロッドを購入、今度は解禁直後から好調が伝えられている神奈川県・相模川に向かった。狙いは、数釣りである。最初に入ったのは、ここでアユのルアーフィッシングが楽しめる最下流部座架依橋周辺(※相模川でアユのルアーフィッシングが認められているのは、座架依橋から昭和橋の区間)。アユが跳ねているポイントを見つけて5連発。その後、雨が降って来たタイミングで昭和橋下流に移動して怒涛の連発。合計32匹のアユをキャッチする事に成功した。
多摩川と相模川で釣ったアユを食べる
「川によって味が違う」と言われるアユ。今回釣りをした都市河川、多摩川と相模川のアユはどんな味なのだろうか。多摩川の大アユは塩焼きで相模川のアユは素揚げにして食べてみた。
まずは塩焼きにした多摩川の“江戸前アユ”。身はふっくらとホクホクで、味は多摩川のコケを食べて育っているせいか、野性的な香りがしたのが印象的。相模川のアユは素揚げで頂いた。クセが全くなく、頭や骨まで食べられた。どちらのアユもこの粋な味を求めて、通い込んでしまいそうなほど美味かった。
最後に多摩川や相模川の都市河川を中心に全国的に盛り上がりをみせているアユのルアーフィッシングだが、地域によっては、禁止されている河川もある。釣りを楽しむ前に必ず各地の遊漁規則を確認して頂きたい。