2022年08月15日公開
山梨県・桂川の支流、笹子川。今回の釣り場は桂川本流との合流点付近のポイントだ。
本流は連日良型アユの好釣果が続き、人気のポイントは混雑している。そこで、今回はあまり情報のない中で、「いっちょ、穴場狙い!」と、“笹子アユ”の様子を見にいくことにした。
連日の猛暑が嘘のような低気温。なんと到着時は21℃!
今回は友人達と4人での釣行。前日はゲリラ豪雨のため増水もあり、本流の桂川は濁りが入って水位も高い状態だった。釣行当日になれば本流も回復する事も考えられたが、「この増水でアユは上流に上ったのではないか⁉︎」と、友人達と推測、上流にある支流の笹子川への釣行となった。大月地区には何度も訪れていたが、笹子川に入るのはこの日が初めて。まずは情報収集を兼ねてオトリ屋さんへ。
オトリ屋さんの情報によると「良型のアユが釣れているよ!」とのこと。この一言で俄然やる気が出た。しかし、一つ気掛かりなことが…。それは、最近恐ろしいほどの猛暑が続いていたのに、今日はかなり涼しい、という事。朝、オトリ屋さんに着いた時、気温21℃だった。そして天気予報でも終日曇り。太陽が出ることはなさそうだ。早速ポイントに向かったが、河原に着いた時はひんやりするほどの気温だった。ここ最近、アユ釣りではライトスタイルを愛用していた。しかし、この感じでは「川に入ったら寒そうだな~」と思い、久々のタイツスタイルを選択した。
このところ、河原に着く頃には茹だるような暑さだった。それで忘れていたのが蚊の対策。低気温のこの日は朝から”蚊が大量発生”。これがまたおっきい蚊である。刺されないように急いで着替えを済ませた。タイツを履いてしまえばこっちのもの。アユ釣りシャツも長袖。虫除けスプレーを浴びて完全防備だ。今シーズン初の虫たちとの戦いじゃ~!
思ったより川幅が狭い笹子川。長竿は扱い難い
桂川と笹子川との合流点のポイントなので、まずはどちら側に入るか?友人達は思い思いの場所へと散って行った。2人は本流側へ。私はもう1人の友人と笹子川へと進んだ。笹子川の川幅は思ったより狭そうだ。どんどん上流に向かって歩いていくと、川にはアユが目視出来、よさそうなポイントが出て来た。しかし、木が川にせり出し…ん~、なんとも釣り難そうな感じだ。こんなに川幅が狭いとは知らずに9mの竿を持って来てしまった。車に戻れば短竿はあるが、結構歩いてきてしまったので、なんとか午前中はこの9mで頑張ることにした。
一緒に笹子川に入った友人は、大会でも結果を残しているアユ釣り師。「どこでも好きなところは入っていいよ!」と声をかけてくれたので、私は遠慮なく、先にポイントを選ばせて貰った。木と木の間に立ち、竿先を引っ掛けないように注意しながら釣り開始。友人は私の上流で、更に釣り難いポイントに入った。「譲ってくれてありがとう~」。
“見える魚は釣れない”
木があるので、基本、竿を立てての釣りになる。ポイントは、砂地の中にアユによって磨かれた石がポツリポツリと点在する。対岸の辺地は岩盤になっていて、ここも真っ黒に磨かれていた。釣りを始めると水中にキラリとアユが見える。このアユが見える場所というのが、磨かれた石の所ではなく白い砂地だ。「ん~?なんでだ?」と思いながらも、やはり見えるアユに引っ張られてしまう。砂地にオトリアユを誘導してみる。アユがキラリとしている所にうまく入っても反応はない。すると、上流の友人が竿を曲げた。遠くからでも分かる良型アユだ。木に引っ掛けないようにうまく取り込んでいる。「さすがだな~」。
その後も私の竿は曲がることなく時間だけが過ぎていく…。「こんなにアユが見えているのに~」。“見える魚は釣れない”とよく言うが…。するといつもの展開。友人が下ってきてくれて色々とアドバイスをくれる。友人達には本当にいつも感謝しかない!
彼が私の竿を持って、釣り方の手本を見せてくれる。友人は私とは全然違う場所にオトリを送り込んだ。見えている手前のアユを通り越し、対岸の辺地へ。丁寧に泳がせていると、前触れなくいきなり、「ガツーン!ギューン」。強烈にラインが引ったくられた。浅場のポイントで釣れたとは思えないほどの良型アユだった。釣れたアユにハナカンを通すと、私に竿を渡して友人は下流のポイントへと移動していった。なんというナイスガイ!「かっちょいいぜい~、ありがと~、友よ!」。
気をつけていたのだが頭上に樹。大トラブルが発生!
天然アユを手に入れた私は、今度は見えるアユに惑わされることなく、石の周りにオトリを送り出した。丁寧に上飛ばしすると、「ドカーン!」。突然の衝撃!想像以上の重量感。堪らないアユとのやりとりの時間だ。タモに収まったアユは良型で、キリリとした顔つきだった。そこから簡単ではなかったが、少しずつポイントをずらし、ポツリ…、またポツリ…。そして、あと1匹で午前中の釣りを終わりにしようとした時、この日一番の強烈なアタリ!「つ、強い!」。木に気を付けながらなんとか堪えたが、中々上がって来ない。やっとの思いで取り込んだアユは見事な背掛かり!
この1匹で終わろうと思ったが、あとひと流しだけ!釣れたアユにハナカンを通して送り出す。この欲が…この日最大のトラブルを引き起こす原因になるとは…。送り出したアユは元気に泳いでくれる。元気過ぎて上流へ上流へと勢いよく上って行った。あまりにも上流に行き過ぎたので戻そうとした時だ。あれだけ気を付けていたのに…ラインが木に引っ掛かってしまった。引いても緩めてもどうしても取れない。これはダメだと思い、オトリ救出に向かおうと思ったら、ラインが引っ張られて、なんとオトリアユが宙に浮いてしまった。ブラブラ…。「わ~最悪だ~」と思った瞬間、私の背後から凄い勢いで何かが通り過ぎた。と、思ったのも束の間。「シューン」と一瞬で宙に浮いた私のアユがいなくなった。鳥さんです!一瞬で私のアユを持っていってしまった。何とか回収した仕掛けには、ハナカンもハリもしっかり残っていたのだが…。「ガックシ…」。竿をたたみ、「ご飯だ!ご飯だ!」。
前アタリなしの「ドッカーン!」、「ドッカーン!」
気を取り直して、合流点近くの笹子川側で午後の釣りを開始した。午前中の事があったので、短竿7.5mに持ち替えて、樹のない開けたポイントへ。午後のスタートは落ち込みからの開けた場所で、水深もあって大きな石が入っている。この大きな石には多数のハミ跡も見える。開始10分、来ました。「ドッカーン!」、「上がってこな~い。この引きサイコー」。午前中よりもサイズアップしたアユ。このアユが釣れたことで状況がよくなった。またしても「ドッカーン!」。今度は手前の石組の中でキター!ナイスガイの友人にも「ドッカーン!」。このポイントは良型揃いだ
午前中に釣り残したのだろう、手前で掛かることが多かった。本流の方を見ると、他の友人達も良型アユを掛けている。“入れ掛かり~”とまではいかないが、釣れるアユは良型ばかりで強烈な引きを楽しむことが出来た。笹子川は本流よりも川の規模が小さく、水量も少ないので女性でも安全な釣り場だ。ただし、小規模とはいえ、釣れるアユは大きく、大いにアユ釣りを楽しむことが出来るだろう。目視できるアユは掛けることが中々難しいが、とにかくアユは沢山いる!このアユ達に「やる気スイッチ!」が入ったその時は、“笹子パラダイス”になることだろう。“笹子アユ”よ、いつ全開スイッチが入るのか?これからも気になる笹子川、要チェックである!
施設等情報
施設等関連情報
解禁:6月1日~11月末日 場所や支流によって漁期が違うのでHPで確認を。
「オトリ小屋井上 食堂ひろさと」
〒401-0015山梨県大月市大月町花咲1668-6
TEL:090-3003-6143
中央道大月ICから5分
「笹子川ポイント」
中央道大月ICから約7分