2022年08月31日公開
夏真っ盛り!友人の地元、滋賀県高島市・マキノ町の知内川で稚アユ釣りとBBQ。ちょっと足を延ばして琵琶湖を眺めながら小旅行に出掛けた。「今年の知内川は例年より水量が少なく、釣果は厳しめ」の前情報を吹き飛ばす贅沢な夏休みを満喫して来た。
バスやビワマスなど淡水魚のパラダイス
夏休み真っ盛りの8月上旬。滋賀県に住む友人から「稚アユ釣りをしながら、BBQをしよう!」というお誘いを受けた。その友人の住む滋賀県・湖西では、毎年地元の子供からお年寄りまで、稚アユ釣りを手軽に楽しんでいる。琵琶湖は、バスやビワマスなど淡水魚のパラダイスだが、中々釣りに行く機会がないエリアだ。少し遠方だが、こんな事がないと行く機会はまずない。京都に宿を取り、早朝からJR湖西線に乗り込んで1時間、のんびり琵琶湖を眺めながら集合場所のマキノ駅に向かった。
当日は休日、しかも晴天。電車内は、琵琶湖の“湖水浴”で有名な近江舞子駅に向かう親子連れやカップルで盛り上がっていた。普段は海釣りで集まる私達の装備は、お手軽な電車釣行スタイル。初めての琵琶湖の景色が車窓を流れていく。お昼のご馳走と初めての稚アユ釣りが待ち遠しい。近江舞子駅でほとんどの乗客が降りて、車内はガランとなった。友釣りで有名な安曇川駅を通り過ぎ、暫く田園風景を眺めているとマキノ駅に到着。釣り&BBQ会場になる知内川の高架下河原までは徒歩10分程。既に地元の友人達が準備を整えてくれていた。対岸では、地元の子供やお年寄りが川遊びや稚アユ釣りを楽しんでいた。
地元の稚アユ釣りには工夫が一杯!
高架下は日陰で涼しい。焼き台からBBQセット、テーブルにイスと地元友人のおもてなしが満載。目の前のご馳走の誘惑に負けてしまい、まずは、みんなが釣っているところを見学。昨年もここに来て楽しんだ釣り仲間に聞くと、今年は水位が低く、稚アユは少なめとのこと。例年なら1時間で100匹位は簡単に釣れるという。今年は雨が少なく、2週間前は全く釣果が得られなかったらしい。しかし、1週間前の雨で水位が上がり、稚アユの群れも増えて来たそうだ。とはいえ、水深は5~10cm。流れのある深い部分でも大人の膝下ほどでとても浅い。浅瀬の水面を見ると20cmほどのハスのほか、オイカワ、ウグイなどの群れが産卵を前に泳ぎ回っていた。川遊びをしている子供達が、必死になって網で追いかけている。しかし、全く捕まえることが出来ない。「こんな足元にいる魚が本当に釣れるのだろうか?」と疑心暗鬼になったが、先に釣り始めた仲間のビクの中には10匹以上が入っていた。
さて、小腹を満たしたところで、早速稚アユ釣り。持参したのは9尺(約2.7m)のヘラ竿(少し短かった。次はもう少し長い竿にしよう!)。用意して貰った仕掛けは、ワカサギ釣りに使うような小さなサビキ仕掛けで、ハリ数は3~5本。一番下にオモリ代わりにスーパーボール(現場に行ってみてスーパーボールを使う意味がよく分かった!)。その上にバネ型になったコマセカゴ。その上にサビキ仕掛けを結び、適当な場所にウキを付ける。水流や深さによってウキは調整出来る。コマセは、スーパーで購入したパン粉とカツオ粉をビニール袋に入れて、握ってばらけない程度の硬さに練って完成。アッという間に稚アユ釣り仕掛けの完成だ。
目の前にいるのに簡単には掛かってくれない!
流れはひんやりと冷たくて気持ちがいい。そのうえ、小石が敷き詰まっているのでとても歩きやすい。水深も足首くらいで足場はとても安全だ。コマセカゴにエサを詰め、流れのある場所を探して上流から仕掛けを入れる。竿を倒して下流側に向けてウキを沈め、テンションを緩めながら流れに合わせて竿を動かしていく。スーパーボールをオモリにしている理由は“川底の小石にオモリが引っかからず、仕掛けを流れに乗せるため”という事は、すぐに理解出来た。更に明るい色なので、自分の仕掛けがどこにあるのかすぐに分かる。何と画期的な道具なんでしょう。
何度か流している内に、グイッと小さなアタリ。「おっ、これが稚アユなのか?」と竿を上げてみる。すると、黒くて小さいオタマジャクシのような魚がついていた。「ゴリだよ、美味しいよ!」と地元の友人が教えてくれた。ハゼ科の小さな魚はゴリと呼ばれているらしい。小さい魚でもファーストフィッシュはとっても嬉しい。流れの筋を変えながら、次々に仕掛けを流し入れて稚アユを狙う。朝から始めている仲間が「少し流れの強いところがいいよ。竿ももう少し長い方がいいと思う」。仲間の竿と交換して貰い、偏光レンズ越しに見える稚アユの群れをコマセで寄せて、仕掛けを入れていく。暫くして強い引きを感じ、上げてみると稚アユ2匹が掛かっていた。塩焼きにしていたアユと同じ顔の可愛く綺麗な稚アユは7cm程。この群れのアベレージサイズだ。釣れた事に満足し、初めて釣りをする仲間と交代、暫しお昼の休憩をとった。小川は子供や地元の大切な遊び場なので、大勢で川に入らず竿もみんなで使い回す事にした。
川の状況に慣れてきて、みんな大満足の釣りに…
この知内川は「水の郷百選」として、国土交通省から認定されている川だ。周辺も綺麗に整備されており、水も綺麗で浅い流れなので、目の前をたくさんの魚が泳いでいるのが見える。川のせせらぎを聞きつつ、釣りをする仲間たちを眺めながら美味しいBBQをつまみ、冷えたビールを飲み、木陰で昼寝をした。最高だ!釣りをしていなければこんな遠くに来ることもなく、沢山の仲間のおもてなしもないし、こんなに素晴らしい場所が存在していたことも知らずに過ごしていたはず。釣りと釣り仲間には感謝しかない。夕暮れも近づき、そろそろ帰りの電車が気になり出したので、帰り支度という時に「もうちょっと釣りたいなぁ」と欲が出てしまった。「あと一流し、あと一流し、最後に1匹!」と粘りに粘っていると、ググンッと竿がしなった。粘った甲斐があって、最後の最後に10cmを超える“大物稚アユ“を釣りあげることが出来た。終わってみれば全員で50匹近くの稚アユを釣ることが出来た。沢山釣れることも楽しいけれど、こうやって小さな川の流れを感じながら色々なパターンを探していくのも、釣りの楽しみ方の一つ。大満足の一日になった。
※知内川では、滋賀県内水面漁業規則により、9月1日から11月30日までアユの採捕が禁止されている。今回のレポートは、来年の夏休みの楽しみに覚えておいて頂きたい。