2022年09月11日公開
今シーズン、“江戸前ハゼ”は全般に好調だが、中でも東京・羽田空港脇を流れる多摩川は絶好調だ。特に右岸側(神奈川県側)は足場もよく、週末や休日には多くの釣り人で賑わっている。残った夏休みを利用して、最近話題の“ホタテ餌”を持って平日釣行に出掛けた。
東京モノレール、京浜急行の天空橋駅からバスで4、5分
羽田空港脇の多摩川に「多摩川スカイブリッジ」が架かり、釣り場(下流右岸側)へのアクセスがグッと良くなった。これまでは、京浜急行大師線・小島新田駅から歩く(約15分)かタクシー利用(約600円)が最も便利だったが、この橋の完成で東京モノレールと京浜急行空港線の天空橋駅からバスで4、5分で行けるようになった。小生のような公共交通機関頼りの釣り人にとっては、実に有難い。
また、バス停近くにはコンビニもあり、釣り場近くの公園内には綺麗に掃除が行き届いたトイレもある。更にマイカーで出掛けた場合にも釣り場のすぐ近くに駐車場もあるので安心だ。
保存が出来る“ハゼほたて”餌で挑戦!
マイカーを持たない釣り人の大きな悩みは、餌の確保だ。釣り場付近に餌を扱う釣り具店等があれば問題ないが、そうそう都合のいい場所はない。多摩川下流周辺にも餌を扱っている所はなく、今回は最近話題の『マルキユー』の“ハゼほたて(テスト販売の為、今期分は終了)”だけで釣ってみる事にした。
ハゼの釣り方には、川釣りの延べ竿(小物竿)を使ったものと、リール竿を使っての投げ釣りがあるが、小気味よい釣り心地が直接手に伝わって来る延べ竿の釣りが断然面白い。それも短かめ(7尺~11尺=2.1~3.3m)の竿がいい。しかし、そうした竿で楽しむには、潮の干満時間をキチンとチェックする事が肝要となる。岸辺近くに水がない時間帯には釣りにならないからだ。
この日の満潮時間は正午前後だったので、上げ潮が効いている時間帯(午前10時以降)目指して出掛けた。
日曜日は200人以上、この日は3人だけ!
9月の第一日曜日に出掛けた時には、『日本釣振興会』のハゼ釣り教室も行われていたこともあり、軽く200人以上の釣り人でごった返していたが、この日(6日)、10時前に釣り場に到着すると、見える範囲には小生を含めて3人だけだった。天空には青空が広がり、少々暑い事を除けばこれ以上は望めない“釣り場環境”である。
早速、9尺の延べ竿にシモリ仕掛けを結び、“ハゼほたて”をパックから取り出し、丁寧にハリ付けした。上げ潮は足元近くまで来ていたが、まだ辺地(へち=壁際のこと)は底が見える水深。そこで少し沖目に仕掛けを投入すると、待つ間もなくシモリウキが消し込んで行った。そのまま竿を立てて合わせると、小気味よい引き込みとやや重量感あるテンションで11、12cm級のハゼが釣れて来た。餌のホタテは、十分残っていたので、そのまま振り込むと、又すぐにアタリがあり今度は13cm級とサイズアップ。続いて12cm級が釣れたところでホタテ餌を追加した。イソメ類のように1回の餌付けで、5匹、6匹とは釣れないが、2、3匹なら十分釣れる。競技会等で数釣りを競うような釣りなら兎も角、普通に楽しむには十二分の餌だという事を再認識した。
足元のポイントで15cm級が連チャン!
間もなく、足元の水際まで上げ潮が上がって来た。そこで、7尺の竿に替え、ミャク釣り仕掛けで足元を狙ってみた。護岸スレスレのポイントに仕掛けを落とすと、餌がそこに着く前に明確なアタリが来た。そのまま竿を立てると、“今日イチ”の引き込みで15cm級のハゼが釣れて来た。そのままの餌で仕掛けを入れると、又すぐにアタリが来て再び15cm級の良型。ビギナーは、沖目、沖目を狙いがちだが、ハゼは潮が上げて来ると、どんどん岸寄りに突っかけて来る。つまり、ポイントは上げ潮と共に岸寄りになって来るのだ。その後も12、13cmから15cm級の良型ハゼが釣れ続き、実に面白い釣りが楽しめた。
正午過ぎ、潮止まりになると同時にアタリも止まった。丁度ホタテ餌1個を使い切ったところだったのでそのまま納竿したが、10~15cmを85匹(15cm級15匹)と、正味2時間の釣りとしては十分な釣果だった。
ハゼのさばき方、食べ方
鮮魚店やデパート、スーパーなどでは、絶対に売っていない高級魚・ハゼ。同属別種は多いが、釣りの対象魚の標準和名はマハゼだ。釣り人は“ハゼ”と呼ぶ。この“マハゼ”、実に美味い魚である。小生の知る限り、天ダネの魚としてこれ以上のモノはない。しかし、ハゼの食べ方は天ぷらばかりではない。
先ずは捌き方だが、1つは天ぷらやフライにするための背開き。もう1つは唐揚げや焼き干しなどにするための頭と内臓だけを取り除く処理法だ。
こうして処理したハゼの調理、料理法は実に多彩だが、写真で紹介しているのは、普段味わっているモノだ。これを参考に色々な料理を試して頂きたい。兎に角、1度食べればハゼの美味しさにビックリすること請け合いだ。