釣りビジョン

岐阜県高原川、富山県神通川、福井県九頭竜川 「夏は短し、アユ恋し!」2022年アユ釣り終焉の旅へ

2022年10月06日公開

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2022年初のアユ釣りは4月29日。今年日本一早い解禁となった埼玉県・秩父荒川からのスタートだった。あれから5ヵ月。季節は流れ、走り続けた短いアユ釣りシーズンもいよいよ終わりを告げようとしている。今シーズンの締めくくりとなる最後の“アユ旅”は、“腹パンアユ”の数釣り、大河川での強烈な引き!と多くのドラマが待っていた。

【この記事を書いたライター】SHOHEY

終盤とは思えぬアタリ!終わりの見えぬ川がそこにあった!

2022年のアユ釣りシーズンをどのように締めくくろうか?まずはもう一度入れ掛かりを満喫したい!この時期に入れ掛かり河川を見つけ出すことは容易ではない。更に今年は度重なるゲリラ豪雨や台風などにより、どの河川も例年に比べ早めの終盤を迎えようとしていた。
釣り旅の初日、まずは天候、川の状況などを考慮すると、数釣りが出来る河川はごく僅かしかない。私が考え抜いて選んだ河川は、2022年日本一!と言っても過言ではない、好調が続いた桃源郷「岐阜県奥飛騨・高原川」だ。私にとって今季5度目の高原川釣行となった。
往復10時間の道のりを何度も通った川である。もうすっかり行き慣れた山道を進み、いつものオトリ屋さん『もんじろう』へ。店主に情報を貰い一押しのポイントへと向かった。
この日、北陸方面は天気がよく、釣り人の多くが北陸の河川に向かっていたようで、高原川は釣り人も少なく貸し切り状態だった。今回入ったポイントは初めての場所。大石が点在し、渓流のような川相だ。
入川口から大石を巻いて上流へ進んだ。上流を見ると深場、下流を見れば瀬が続く。仕掛けを張りながら空を見上げると、うろこ雲が秋を感じさせる青空だった。ひと流し目…開始5分、すぐに1匹目がハリを引ったくった。その力強さは盛期のアユのアタリと変わりない。掛かったアユも追星のクッキリした若アユだった。「これは期待出来るぞ~」と、今日一日の釣りに思いを馳せ、ニンマリしてしまった。
掛かりアユをオトリにすると、また5分後にズキューン!とハリを引ったくられた。よく見ると川の中で“真っ黄黄”なアユがあちらこちらで追いかっけこをしてる。見えるアユの所へオトリを誘導すると一発!少しずつポイントをずらしていけば、どのポイントにも追い気の強いアユがいて、秒殺で掛かってくる時間が続いた。
あちらこちらに散った友人達も、“真っ黄黄”アユを思う存分楽しんだ。トロ、瀬、チャラ…場所に関係なく、どこにでも掛かるアユがいる。この時期に、これだけ綺麗なアユの入れ掛かりを楽しめる河川があるだろうか?9月後半というのに、この河川には終わりが見えなかった。
あまりにもアユが掛かるので足が止まり、ついつい2日間滞在してしまった。2日目には北陸にいた友人にも声を掛け、気の合う仲間たちと“湖産アユ”の引きを味わい、笑顔溢れる時間を過ごした。
なんと2日間で87匹の釣果。この旅の1つ目の「数釣り」という願いは叶い、大満足の釣行となった。

次の旅先は北上して「栄光の神通川」へ

北陸・神通川に向かう頃、日本列島に大型の台風が迫っていた。道中は終始雨。正直釣りが出来るかは分からない。しかし、移動距離を考えて、竿を出せる可能性があるのは北陸方面しかなかった。
朝5時30分、オトリ屋さんに到着。まだ外は薄暗く川の状態が分からず、暫し友人達と談笑していると、オトリ屋さんが「水は高いが濁りは酷くないので釣りは出来る」と伝えに来てくれた。
高水に少し不安はたったが、今日は神通川に詳しい先輩方が一緒だったので、安全に釣りのできる釣り場へと案内して貰うことになった。
止まぬ雨。肌寒い気温の中で着替えを済ませた。いつもチャラ瀬や浅場で泳がせ釣りをする私にとっては、この大河川の強い流れでの釣りは苦手だった。ご一緒して貰った名手の先輩方に色々教えて貰いながら、私にとっては未知の釣りが始まった。
金属ラインを使い、ハリは8号。竿を水面ギリギリまで寝かせ、ゆっくり上流へと引き上げる”引き釣り”。慣れない釣り方だったが、時間が追うごとに少しずつ慣れてきた。すると、ガツ、ガツー、ドッキューン!目印が一気に水中に!いつもの泳がせでは、中々味わうことのできない強烈な引きだ。竿を寝かせているので、自分の竿が大きく曲がる様も見ることが出来た。竿を持っているのが精一杯。竿尻をお腹に付けて、タモを取って引き抜きの体勢に入る。1つ1つの所作がいつもと違い新鮮だった。やっとの思いでキャッチしたアユは良型の背掛かりだった。「こりゃ~たまらん!」。振り返れば河原では先輩方が歓声を上げてくれている。「うれし~」。新しいアユ釣りの楽しさを感じた瞬間でもあった。

 

今シーズン終盤にして新しい発見

何度もキャッチミスやバラシをしてしまったが、この“引き釣り”という釣りの虜になった。この日は一日中竿を寝かせて引き上げる釣りを楽しんだ。
先輩方は立ち込み、強烈なアユとのやり取りしている。竿が大きく曲がり、これが実にカッコイイのだ。雑誌の1ページを見ているようだった。
途中雨が強くなるし、コケて水没はするしで、ガタガタ震えながらの釣りとなったが、今シーズン終盤にして新しい発見があったこと、堪らない引きを味わえたこと、言うことなしの神通川釣行となった。
自分の釣りの引き出しが増えたことが何よりも嬉しかった。先輩方のアドバイスのお陰である。先輩、ありがとう~!来シーズン、この“引き釣り”を練習しにまた必ず訪れようと誓い、神通川を後にした。

旅の最終地点はアユの聖地「九頭竜川じゃ~!」

夜の内にいよいよ台風さんがいらっしゃいまして、どこの河川も全滅状態。今日は台風一過で秋晴れの空が広がっているというのに…。そんな中、先輩達が見つけ出してくれた川があった。福井県の川なら何とか出来るらしい。しかし、更に西への移動となり、家からは遠ざかるばかり…。
「行く?」との先輩の問いかけに、勢いに任せ「行きます!行きますとも!」と、即答してしまった。我ながらアユに取り憑かれているな~と笑ってしまった。そうと決まれば出発だ!富山からは約2時間。
着いたポイントはまたしても大河川!「これぞ九頭竜川」といった雄大な流れがそこにあった。ついこの間、大水が出て壊滅的な増水をした河川とは思えない景色が広がっていた。
最初のポイントでは、先輩が釣れるのかテストをするとのことで、それを見学する。さすが先輩!良型のアユを掛けました。しかし、中々渋い状態。「自分には釣ることは出来ないだろう」という状況だった。
すると「移動しよう!」との提案。少し下流のポイントに移動した。こうして状況を見て何度でも移動し、少しでもよい状況のポイントを探していく。この行動力には尊敬しかない。自分だったら「ここでいいか」と思ってしまったに違いない。今日も勉強になる事ばかりである。
いよいよポイントに着き、やっと釣り開始!これまた私には苦手な流れではあるが、今日の私はちょっと違う。あの教えてもらった“引き釣り”があるのだ! 絶好の練習日和だ。まずは深トロのポイントへ。
オトリを自分の下流に送り出し、扇状に出し少しずつ上流へと引き上げていく。アユは中々釣れないが“引き釣り”の練習が楽しかった。すると、上流の相方が大きく竿を曲げた。
「これはでっかいぞ~」。アユとのやり取りに時間が掛かる。一番の楽しい時間だ。無事タモに収まったアユを見て渾身のドヤ顔!である。きっと彼はこの1匹で今日と言う日が大満足な一日になったに違いない。

“九頭竜アユ”が無事タモに収まった!

私はアタリがないので上流へと移動。トロでダメなら瀬だ!と、流れのある瀬へ向かった。するとアユが跳ねる!まずはアユがいることは確認出来た。上流にいた先輩の竿が曲がった!2連チャンである、ということでここには掛かるアユもいることは確認出来た。しかし、反応はあるがハリ掛かりしない状況が続いた。すると竿を畳んだ先輩がやって来て、「ここは前回きた時4時頃から釣れたんだよね~」と言う。現在3時45分、あと15分だ!ここで4時になるまで粘ることにした。
時刻は3時58分、スッコーン!と目印が一瞬で消えた。渾身のアタリである。これが“九頭竜アユ”なのか。この目印の吹っ飛んだ瞬間は、今でも思い出してしまう。ここまではよかったのだが、掛かりアユが流れに乗ってしまい、のされる~。必死で流れの弱い所に寄せるが、中々オトリアユが顔を出さない。ここでいけなかったのは、もっとちゃんと寄せてくればよかったこと。焦って強引な引き抜きをしてしまった。飛んできたアユは私を通り越して私の周りを1周。そして、ポロリ…。それを見ていた先輩は「まだ4時ちょっと前だったからね!」と笑って慰めてくれた。
気を取り直してもう1度同じ場所へ。時刻は4時8分、スッコーン!来ました、来ました!今度こそ“九頭竜アユ”が無事タモに収まった。「やっぱり4時になると釣れる」と、皆で大笑い。
こうしてアユ釣り聖地!「九頭竜川」で、皆の笑顔の中、私の2022年のアユ釣りシーズンが幕を下ろした。

2022年、全力で走り切ったアユ釣りシーズン
釣行日数44日、走行距離1万2000km。今シーズンも多くの川に出向き、多くの川に立って来た。そこには多くの出会いがあり、多くの学びがあった。1人では決して行けなかった場所…1人では経験出来なかったこと。仲間や川で出会った人達のお陰である。皆様に感謝感謝であります。
2022年のアユ釣り!釣れる日も、釣れない日も、雨の日も、晴れの日も…「すっごく!すっごく!楽しかったー!!」。この一言に尽きます。アユよ、友よ。ありがとう~。
2023年も「アユな夏!」に、また皆様と元気にお会いしましょ~!!

施設等情報

■高原川漁業協同組合
〒506-1161 岐阜県飛騨市神岡町船津2132-23
TEL:0578-82-2115
高原川漁業協同組合ホームページ
■富山漁業協同組合
〒930-0085 富山県富山市丸の内1-6-1
TEL:076-432-4803
富山漁業協同組合ホームページ
■九頭竜川中部漁業協同組合
〒910-1132 福井県吉田郡永平寺町松岡葵1-101
TEL:0776-61-0246
九頭竜川中部漁業協同組合ホームページ

施設等関連情報

■「高原川」
オトリ屋もんじろう
〒506-1145 岐阜県飛騨市神岡町釜崎384-2
TEL:0578-82-4338
「鉱山前 アクセス」
長野自動車道:松本ICから上高地・高山方面国道158号を進む 中部縦貫道平湯ICを直進・国道471号に入る 松本ICから約1時間半

■「神通川」
フィッシング吉井
フィッシング吉井ホームページ「新保大橋上流 アクセス」
北陸自動車道:富山ICから約10分

■「九頭竜川」
「五松橋下 アクセス」
北陸自動車道:福井北ICから約6分又は北陸自動車道 丸岡ICから約10分
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

SHOHEY
鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。
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