2022年10月19日公開
全国有数の観光スポット「横浜みなとみらい」。赤レンガ倉庫やランドマークタワーなど「お洒落な雰囲気」で大人気のエリアだ。「ここで釣り?」という感じもしないではないのだが、実は「釣り」は許容されていて、手軽に楽しめる穴場スポットでもある。今回は東京湾大感謝祭でハゼ釣り教室を行ないながら、ファミリーと楽しむことになった。
東京湾大感謝祭でのハゼ釣り教室の前に…
3年振りに開催されるイベントの前に試し釣りをすることにした。今回のイベントの参加者は48名。ほぼ初めて釣りを体験するファミリーが中心だ。
参加者には竿、リールも格安で販売して釣りを楽しんでもらう。
因みに、リールにまかれたラインはやや太目なので、軽いオモリだと潮の影響を受けて釣りにくい。そこで重めのオモリも用意した。
そして、さらに重要なのがハリのサイズだ。一般的にハリはねらう魚に合わせて設定を変えていく。しかし、この“ハゼ釣り”においては、釣るポイントによってハゼの育ちが違い、ハリのサイズや形状が釣果に影響することも多い。
逆にこの部分の“読み”は楽しく、「釣った」という満足感が得られる部分でもある。
とは言うものの、今期初めてのハゼ釣り。前日、先輩に状況を聞き、ハリはサイズを多めに用意しておいた。ほかのジャンルの釣りが主の私が「手軽にハゼ釣り」ということもある。そこで私は4本継ぎのモバイルロッドと小型スピニングリール、小型タックルボックスで「電車釣行」を考えたコンパクトスタイルで試すことにした。
ハゼねらいだけではない。クロダイ狙いのヘチ釣り師も…
上げ潮が効き、満潮近い時間だったので手前から探ってみる。今年はクロダイが多く、護岸にかなりの数が見える。そのためかクロダイを狙う「ヘチ釣り師」も多く訪れていた。
観光客や先に着いたファミリーも「大きい魚がいる」と大興奮。横浜の海の豊かさ、釣りのPRにもなりクロダイたちには感謝だ。
このポイント、壁際に50cmほどの一段高い部分があるので注意が必要だ。
水深は護岸が満潮時50cm前後、少し沖が2~3mといったところ。手前側浅場に仕掛けを入れて探ってみたがアタリがない。
ほかの若手スタッフも「条件はよいと思うんですけどね」と浅場を諦めて、アンダーハンドで少し沖、深めを探る。ところが、エサの青イソメがハゼに触られない状態。2時間ほど粘ったがアタリがない。
置き竿のまま、教室の準備を始めていると「あっ」、自分のコンパクトロッドが海面に引き込まれそうになっていた。
スタッフ騒然。ミチイトは細いハゼの仕掛け。「クロダイか?」、「巨大ボラか?」。時間を掛けて、キャラリーに注目されながら上げたのはアカエイだった。ヘチ釣り師の後輩がネットに納めてくれた。
この釣ったエイは危険な棘が処理されてあった。以前釣られた魚がリリースされたのだろう。今回もリリース。一度釣られた魚が元気に帰って行く姿を見ると嬉しくなってくる。
暫くすると「いましたよ」と、スタッフがマハゼを上げた。岸からポイントまでの距離、食い方を参考にできるので大助かりだ。「子供達がくれば釣れますよ」とスタッフ。一同安堵した瞬間であった。
前日の雨の影響で、朝方は水温が低過ぎたのかもしれない。仕掛けを上げて来ると、オモリが冷え切っていた。
子供達の到着を待っていたかのように釣れ始めた
教室の時間を迎え、ファミリー達が各インストラクターから説明を受ける。
アオイソメを触れない子供は少なく、すぐに慣れて、1cm程度に切って通し刺し。
一斉に釣りスタート! 暫く反応がなかったが「釣れた」と声が上がる。シマハゼだったが嬉しそうなファミリー。
子供さんが「初めて釣った」ということだった。「想い出の一匹。是非写真を撮ってあげて下さいね」。
その後、マハゼもあちらこちらでヒット。予想に反して下げ潮で釣れ始めた。通常は下げで水温が下がるのだが、運河の流れは複雑で読み辛いのも特徴だ。
私はハゼのいる距離を探りながらレクチャー。するとマハゼが連続ヒット。朝の苦労は何だったのか? 不思議な感じだ。
なかなかヒットしないファミリーを見ると、エサがそのまま残っているようだ。オモリを4号から8号にし、ハリも7号からハゼバリ4号程度にサイズを落とす。一つはハリが刺さりきらない状況、もう一つは、魚はいるが低水温による活性の低さが釣れない原因のようだ。
しかし、このセッティングにすると、ナイロンラインを使ったパックセットの釣り竿にマッチして、2度目のアタリの時にはしっかりと掛かるようになった。サイズは15~18cmが多く、掛かってしまえば引き味は充分。「乗り」や「もたれ」を捉えて合わせるハゼ本来の釣りとは違うが、まずは「釣りの楽しみ」を伝えることができた。
「また掛かった」と嬉しい声が聞こえると、初めて会ったはずの子供達が皆で駆け寄り、興味深々。ウロハゼやシマハゼを比べたり、変化する色をみて「変わった」と楽しそう。癒される光景であった。
因みにウロハゼは1尾確認できただけ。やはり水温が下がっていたのかもしれない。
その後、気温が25℃近くに上がり、水温も少し上昇したのか、連続ヒット、ダブルヒットの場面も見られた。
カンドコロは「置き竿」。2~3分経ったら回収、エサ付けして再投入。
自分のモバイルロッドは、ミチイトに極細PEとカーボンロッドの組み合わせでアタリが出やすい。苦戦している子供に貸すとたちまちヒットした。
午後2時になり皆さん大満足で教室が終了かと思いきや、エサがなくなるまで、皆さん楽しんでいた。
横浜エリアは少し遅れている感じもするので、11月一杯はいけそうだ。気軽に、大都会横浜エリアのハゼ釣り散策を楽しんでみてはいかがだろうか。