釣りビジョン

静岡県・狩野川、“友釣りの聖地”で今年最後のアユ釣り!

2022年10月27日公開

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急激に冷え込む日も増え、既にアユの友釣りは禁漁になっている河川も多い。まだまだ友釣りへの気持ちは冷めやらないが、いよいよ“納竿”を決意。最後の釣行に“友釣り発祥の地”ともいわれる静岡県・狩野川を選んだ。

前情報では「今の狩野川は釣れないよ」…!?

「たまには違う川へ遊びに行くのはどうですか」。この私の誘いに乗ってくれた所属同好会の人と、狩野川への釣行を決めたのが1週間前。「下流部よりも上流部のほうが釣れているようだ」という情報。そこで、『GFG(がまかつファングループ)』の懇親会などでもお世話になっているオトリ屋さん『旭水園』前に入川することにしていた。
ところが、今回同行してくれる私の師匠の一人、Kさんから前日に電話が…。同じ同好会に所属していて、狩野川によく行くOさんから「魚はいるけど、釣れないよ…」という情報が入ったというのである。渇水の上に、終盤ということで平日でも釣り人が多く、釣り荒れているという。不安な情報だったが、いざ到着してみると、川の様子は魚影も濃く、朝7時に到着した頃には、すでに4人の釣り人が竿を出していた。この日は天気もよく、気温も上がるということだったので、アユの活性が上がることを期待して準備を始めた。

美しい自然を満喫するだけの時間が続いて…午前中

まずは、『旭水園』前よりやや下流の吊り橋下に入った。因みに、『GFG懇親大会』が今年8月、ここで行なわれた。同行してくれたもう一人の師匠Sさんと私はその大会に参加していたので、なんとなく入川ポイントに目星をつけていた。
K師匠と、人生初の狩野川釣行で、友釣り歴3年目のKさんが右岸側の分流に入ったので、私はSさんと二人で上流部へ。
8月に竿を出した際、入れ掛かったポイントに早速オトリを出す。元気よくメスのオトリが泳ぎ出し、内心「これはすぐに掛かっちゃうだろ~」とニヤニヤしていた。しかし、待てども、待てども、ウンとも、スンとも、ピンとも、パチンとも来ない!岩の周り、ヨレ、瀬脇…。上・下流をウロウロと移動しつつ、ありとあらゆるポイントにオトリを泳がせる。アッという間に1時間が経過していた。その間、オトリは変わらない。手応えもなく、美しい自然を満喫するだけの時間が過ぎていく。

嬉しい連チャン!
ここは自分の中では一番のオトリ交換ポイントだったのだが、1時間は粘り過ぎてしまったようだ。仕方なく、新たなポイントを求めて橋の下流へ。
右岸側の入りやすい瀬肩が空いていたので入川。祈る思いでオトリを入れて10分程。右岸の瀬脇の優しい流れの中に、オトリがスルリと泳いでいくとゴソゴソ、ガツン!!と念願の手応え!ぽってりとした小太りのメスのアユが掛かって来てくれた。感激で震える手でオトリを交換して、同じ流れのやや下流側にオトリを入れると、これまたガガッ!!嬉しい連チャン!17、18cm級のアユが掛かって来てくれた。
これで、よい流れに乗れるかとワクワクしたのだが、残念ながらここでアタリもストップ。釣り下りながら下流部を見ていると、いつの間にか移動していたK師匠が、真ん中あたりに立ち込んで右岸に竿を出していた。しかも入れ掛かり状態。羨まし過ぎる。

 

K師匠、入れ掛かり

なんとかもう1つ、できればあと2つ、いやいや3つ。欲張る私にチャンスがやって来る。釣り下がりつつ他の釣り人の合間を縫って川の真ん中に鎮座する大岩の下へ。岩の脇によい流れ込みがあり、さらに岩の下のヨレをチェックしていると、“ギラリ”と魅力的な閃光。そそくさとオトリを泳がせつつ、下流部のK師匠の入れ掛かりを眺めていると、足元でギラッ!先程姿を見せてくれたアユが掛かったのだ。よそ見をしていたせいであたふたしつつも、ためてためてキャッチ!のはずが、見事なロケットをかましてしまった。
釣れないためにハリの交換を怠っていたことに気が付き後悔。逃がした獲物は大きかった、はず。泣く泣くハリを交換して釣りを再開したが、午前中はこれが最後になってしまった。

納竿までラスト半日!午前中の反省を活かせるか?

昼食を挟み、我々はまた同じく吊り橋の下へ。K師匠が午前中にチェックしていた竿抜けポイントを教えて貰って入川した。
この日は、竿抜けポイントにオトリが入ると、すぐに掛かってくるとのことだった。早速右岸側の護岸に立ってオトリを泳がせてみる。Sさんの話では、「流芯よりも、流芯脇や石の周りを入念に泳がせると釣れるよ」とのことだった。そこで、ついつい芯に入れてしまいたくなる気持ちを抑えて、言われたポイントで、オトリを弱らせないようじっくり攻める。
すると、足元から泳がせたオトリが、大きな岩の連なった深場へすっと入った瞬間、ガッツーン!午前中のロケットが尾を引いていた私は、慎重にトロ場へ寄せてキャッチした。タモに入ったのは、この時期ならではの真っ黒でやせ細ったオスアユだった。せっかく釣れた野アユではあるが、終盤のアユはオスアユをオトリにするよりも、メスをオトリにしたほうが掛かりがよい。最初のオトリ選びも、メスを選ぶのがこの時期の鉄則だ。釣れたばかりのオスアユを曳き舟に収め、綺麗なメスアユを取り出して、もう1度同じ深場を泳がせてみる。すると、ガツン!しかし、これまた黒いオスアユだった。オトリには使えなかったけれど、痩せた体に似合わぬ、強烈なアタリを味わわせてくれてありがとう。

狙ったポイントで狙い通りのメスアユが…

しかし、やはり欲張りな私。こうなると、どうしても綺麗なメスアユが釣りたくなる。納竿のタイムリミットがじりじりと近づく中、意を決して、腰の深さまで立ち込んだ。川の真ん中を流れる流心脇に狙うポイントを変えてみたのだ。深場の流れ込みにオスがいるのなら、やや浅く速い瀬の瀬脇にはよいメスアユがいるのではないか、と思ったからだ。それが功を奏し、瀬脇へオトリが入った途端に“ゴソゴソ”という手応え。むむ?と思っている内に目印が下流へと流されていった。慎重にキャッチして覗き込むと、そこにはぽってりと太った綺麗な色のメスアユがいた。狙ったポイントで狙い通りのアユが掛かった時の充足感たるや、というやつである。
その後も、色々なポイントを探ってみたが、残念ながらタイムリミット。オトリ込み7匹という結果で2022年のアユ釣りは“納竿”となった。
因みにK師匠はトップで18匹、続いてS師匠は11匹。Kさんは…、私と同じくリベンジを誓うも匹数はノーコメント。(苦笑)
連日釣り人が入る人気の河川。竿抜けを狙い、掛かるアユがいなくなったらすぐに移動。これが数を伸ばす秘訣だったようだ。かくいう私は、夏に釣れていたポイントのイメージが強く、同じ場所で粘り過ぎたのが、数を伸ばせなかった原因の一つだった。
この日は天気もよく、午後は汗ばむほどの陽気で、アユの活性はあがっていた。私も天気の恩恵にあずかりたかったが、その前に腕を磨いてこい!と言われた気がした。また来年リベンジ!ピカピカに腕を磨いてチャレンジしたい。

施設等情報

■旭水園(きょくすいえん)
〒410-3202 静岡県伊豆市松ヶ瀬273-3
TEL:0558-87-0162 旭水園(きょくすいえん)ホームページ

施設等関連情報

■遊漁料:年券1万1000円、日釣り券1800円(現場+800円)、小中学生は無料、女性日釣り券900円(半額)
■アクセス:下田駅-修善寺駅線「軽野神社バス停」から旭水園まで 徒歩3分、伊豆縦貫道大平IC出口から約5分
     
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この記事を書いたライター

堀 友里子
父・母・妹、全員釣り好き一家の長女として育ち、現在は鮎釣りに夢中。鮎釣りのシーズンオフには管理釣り場でフライフィッシング、渓流釣りなども。先輩たちに教えてもらいながら、グレ釣りやワカサギ釣りにも挑戦中。GFG神奈川支部に所属し、様々な地区の釣り仲間と交流を深めている。
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