2022年11月09日公開
朝夕の冷え込みが厳しくなり、秋の深まりを感じさせる季節となった。この時期になると、「何処か近場で川の小物釣りが楽しめる所はないか」と考える。そこで、春先にタナゴやクチボソ(タモロコ、モツゴ)が遊んでくれたJR外房線・大網駅周辺の釣り場を思い出し、出掛けてみた。
釣り場は駅近か、電車釣行も可能
大網駅へは、当方の自宅がある千葉市中央区から車で35分程。駅周辺には沢山の駐車場があり終日停めても数百円、駅から遠くなるほど安くなる。電車釣行ならJR千葉駅から25分程、東京駅からでも普通列車を乗り継いでも1時間30分程(途中特急を利用すれば1時間10分程)で行ける。最も近い釣り場までは大網駅から徒歩2、3分である。駅前にはトイレ、コンビニ、飲食店等もあるので電車釣行でも十分楽しめる。ただ、近くに釣り具店がないので餌の赤虫やグルテンなどは前もって用意しておきたい。
駅から川沿いを歩き2、3分で釣り場!
千葉県・房総半島内では、都市部から少し里山方面へ足を延せば、すぐに田園地帯が広がり田んぼの水路(ホソ)や小川を見つけられる。取り敢えず釣り糸を垂らしてみると、何かしらの小魚が遊んでくれる。タナゴ類が釣れる所は、淡水の二枚貝が生息している証。タナゴは卵を産み付ける二枚貝が居なければ生息出来ない。1匹でもタナゴが釣れれば二枚貝が生息する良い環境だと分かる。
今回の場所も駅から歩いてすぐの所にある小川にもかかわらず、植生豊かな土手を残していた。駅前の「おおあみえきまえはし」から川を覗くと、沢山のコイが泳いでいた。「コイに邪魔されない場所は何処か」と、川面を見ながら川沿いを歩く。200m程で良さそうなポイントがあった。竿と仕掛けは、コイがいるので和竿(竹竿)は使わず、カーボンの振り出し竿1.5mに親ウキの下にシモリウキが付いたタナゴ仕掛けを選んだ。
流れがあるので餌は赤虫を使った。水深は30~50cm。まずは様子見と第1投。向こう岸から流心に入るように落とし込む瀬流し、ゆっくり沈み込む。底スレスレを流すこと数回目に“ツンツンッ”とアタリ。すかさず合わせたが乗ってこない。更にアタリのあった所へ送り込むと、明確なアタリで7、8cm級のクチボソ(モツゴ)が顔を見せてくれた。見慣れた魚だが顔を拝めたことと、以外にも綺麗な魚体で思わず笑顔になった。
“本命”のタナゴが釣れた!
その後も大・中・小のクチボソが次々に釣れてくる。川底でヒラを打つ魚体も見えるが、ほとんどがクチボソだろう。餌をタナゴグルテンに付け替え、流れの弱い草陰にそっと落とし込んでみた。アタリが出るまでグルテンを多めに使用し、寄せ餌の役目をして貰う。数投してアタリが出始めたので、グルテンをハリ先に小さく丸め込む。ウキのアタリに合わせると5cm程のオカメ(タイリクバラタナゴ)が釣れて来た。水面から抜き上げタナゴを見る時が一番嬉しい。
タナゴ釣りの魅力の一つに場所探しがある。あちらこちら散策した結果、タナゴに出逢うことが出来れば、それまでの苦労も吹き飛び思わず笑みが零れる。更にグルテンを付けて同じ所を探ってみたが2匹目は来なかった。赤虫とグルテンを併用し、少しずつポイントを移動しながら探り続けるがクチボソばかり。次回のためにタナゴが釣れた場所を記録しておき、他を探すことにした。
ジュズカケハゼも顔を見せ、“ゲスト”も多彩だ!
それではと、駅の反対側(東口)から千葉東金道路・山田ICに向かう途中(駅から約800m)にある小川に向かった。春にタナゴが釣れたポイントは、先着者(4、5人グループ)がいたので、邪魔にならないように50m程離れた場所に入った。川の周りは人が入った踏み跡があり、「釣り切られて厳しいかな?」と思ったが、取り敢えず様子を見る。ここも少し流れがあり水草が揺れている。岸際の藻が生えている淀みを狙えば、グルテンでタナゴが釣れるような雰囲気だが、餌持ちのよい赤虫で反応を見ることにした。まずは瀬流しで広範囲を探る。水深に合わせゆっくりとシモっていき餌が底近くを這うイメージだ。中々アタリが出ない中、ベタ底の時竿先を叩く感触があり竿を上げてみた。ここでは初めてのジュズカケハゼが顔を見せてくれた。里川の釣りは、何が釣れてくるのか分からないところにも面白さがある。更に探ってゆくとモロコも来た。グルテンでもやってみたが小さいモロコばかりとなったところで納竿した。
今回の釣りで感じた事は、小魚はいるがタナゴはそう多くはいない。身近な住宅地で釣りが出来るのは嬉しいが、タナゴがもっと増える環境になればとの思いで釣り場を後にした。