2022年11月10日公開
11月の声を聞き、朝夕はグッと冷え込みが厳しくなって来た。この季節になると、ハゼは深場に移動を始める。“落ちハゼ”シーズンの到来である。11月3日、5日、6日の3日間、“江戸前”を中心に落ちハゼを狙って各釣り場を回ってみた。
公共交通機関で行ける釣り場!そして、延べ竿からリール竿へ!
小生、自動車や自転車といった車両を所持していない。したがって移動手段は電車、地下鉄、バス、そして己の脚という事になる。
また、“陸っぱり”のハゼ釣りと言うと、8尺(1尺は約30cm)から10尺の延べ竿を使うのが定番だが、これからの時期は大半の釣り場が岸から遠くなり、延べ竿では届かなくなる。そこで、トラウトやメバル用のライトアクションのパックロッドに小型スピニングリールを用意して出掛けた。
■初日=3日(木・祝日)まずは旧江戸川へ
先ずは、東京と千葉の境を流れる旧江戸川に。左岸側・浦安には、ハゼの好釣り場として知られる境川が流れており、船宿『吉野屋』の下流で旧江戸川から流れ込んでいる。つまり、境川の“本流”という事になる。
JR京葉線葛西臨海公園駅から歩き、右岸側(東京都側)の東京湾岸道路・舞浜大橋上流に到着した。祝日にもかかわらず、周囲に釣り人の姿はなく少々不安になったが、取り敢えず竿を出してみた。小型片テンビンに赤塗りした2号のオモリをセット、ハリス0.8号10cm、6号のハゼバリを結び、青イソメ餌を付けてキャスト。底には石や牡蠣殻が多い感じで、誘ってくる途中でゴツゴツと根掛かりしそうな感覚。しかし、間もなくコツーン!とアタリがあり、小気味よい引き込みで12cm級のハゼが釣れて来た。
最初の感触通り、兎に角、根掛かりが多い。川底はストラクチャー(障害物)だらけなのだろう。それでもアタリは頻繁にあり、12、13cm級の天ぷらサイズ中心に2時間足らずの内に30匹近くを釣り上げた。しかし、根掛かりの多さにストレスが募る。そこでSNSで「釣れている」と情報を得ていた神奈川県の鶴見川まで大きく移動する事にした。
17cm級を頭に2時間で34匹!
JRの葛西臨海公園駅に戻り、新木場駅、月島駅、大門駅と乗り換えを経て1時間後に京急鶴見駅に到着した。京急鶴見駅から鶴見川までは歩いて10分程だ。事前情報では、「潮見橋付近が良い」との事だったので、真っすぐ向かった。
既に大勢の釣り人が竿を出していた。大半の人がリール竿で釣っていたが、中には3間(1間は約1.8m)竿で狙っている人も。空いている場所で早速キャストした。こちらも水草や牡蠣殻、岩石等のストラクチャーだらけの川底といった感じだが、先ずは根掛かりせずに第1投で15cm級が小気味よい引きを味合わせてくれた。これを皮切りに根掛り連発の中、時折、引ったくるようなアタリで良型ハゼがボツボツと釣れ続いた。到着時が遅かったので2時間程の釣りだったが、17cm級を頭に34匹を釣り上げてこの日は納竿した。
この日は鶴見川に直行!
■2日目=5日(土)
3日の好釣果に味を占め、5日(土)は朝から鶴見川へ出掛けた。3日に入ったポイントには先行者が多く、入る余地が無かったので200m程下流で竿を出した。この日は、午前9時前に干潮を迎える下げ潮。1投目にリフト&フォールで誘うといきなり13cm級が来た。「これは…」と、ほくそ笑んだが、何故かその後はパッとしない。その内、殆どアタリが無くなってしまった。周りを見てもハゼを釣り上げている人はいない様子。それでも正午頃まで粘ったが、釣れる気配がないので上げ潮を待たずに移動を決断した。
10月に“いい思い”をした多摩川下流左岸側に流れ込む海老取川との合流点付近に移動することに。京浜急行・京急鶴見駅まで歩き、羽田空港行きに乗れば、乗り換えなしで最寄りの天空橋駅まで20分程だ。釣り場に着くと丁度上がろうとしていた先行者がおり、様子を聞くと「アタリが少なく厳しい」との事。不安を覚えたが、まずは海老取川の流芯にキャストしてカケ上がりを狙った。流れが強く、2号オモリでは心もとない中、いきなり引ったくるようなアタリで12cm級が釣れて来た。気をよくして周辺を探ったがその後はアタリがない。潮が満ちて来たので本流・多摩川の流れが弱い所を狙うと10cm級の「唐揚げサイズ」が釣れて来た。その後も同サイズを中心に一般にダボハゼと呼ばれるビリンゴやチチブ等のハゼの仲間交じりで入れ喰いになったが、天ぷらサイズのハゼは釣れずにこの日は納竿した。
荒川の中流から下流まで
■3日目=6日(日)
3日目は、「荒川の赤羽・岩渕水門近くや新河岸川でウナギが釣れており、良型ハゼも交じる」との情報を頼りに出掛けた。JR北赤羽駅付近から旧岩淵水門まで歩きながら気になるポイントで竿を出してみたが、釣れるのは小さなセイゴやウグイばかりだ。ハゼらしいアタリが全く無い状況に早々と移動を決断、同じ荒川の下流域まで移動。
地下鉄南北線志茂駅から飯田橋駅で東西線に乗り換え、南砂駅まで1時間足らずで到着。駅から歩いて清砂大橋下まで来ると、シーバスアングラーに交じって長竿でハゼを狙っている人がポツリポツリ。「これは期待出来るかも」と思いながら竿を出した。
流れが非常に強く、川底もこぶし大の岩だらけですぐに根掛かりしそうな感じだったが、突然強烈なアタリ。「これは良型かも…?」と期待したが、釣れて来たのは25cm級のセイゴ。その後はアタリもなく、周りにもハゼを釣り上げる人はおらず、この場所も早々に断念した。
最後に6月からずっと楽しませて貰っている旧中川・東大島駅下に移動する事にした。都営バスで船堀駅に向かい都営新宿線に乗り換え、東大島駅・小松川口を出て左岸側に入った。
釣り人の姿もチラホラ見えたので、「もしかしたら…」と期待しながら岸辺の水中を覗くと、3、4cmの極小サイズのハゼしか見えない。「中央付近なら…」との期待を込めてキャストしたが、アタリがあってもハリ掛かりしない。どうやら極小サイズが餌を突いているようだ。ここ1週間程の急激な気温、水温の低下も原因しているのだろう。
3日間、随分と歩き回ったが、各釣り場のハゼの釣れ方に、陸っぱりシーズン終了を感じる釣行となった。
色々使えるハゼの焼き干し
釣ったハゼは天ぷら材料だけではなく、色々な料理で楽しめる事は過去の記事で既に紹介して来たが、永く楽しむなら“焼き干し”を作って置くのが一番だ。