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宮城県名取市・閖上(ゆりあげ)地区で東北のハゼ釣りを堪能!!

2022年11月23日公開

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例年なら東北・宮城県地区では、この時期“大型ハゼ”のシーズン真っ盛り。しかし、今期は少し状況が違うようだ。当地は陸からのハゼ釣りも盛んで、シーズンになるとベテランからファミリー、観光客までも手軽に釣りが楽しめる釣り物として人気なのだが…。

【この記事を書いたライター】山口 充

アクセスは常磐道が便利

関東から宮城県沿岸エリアに向かう場合、東北道から磐越道、常磐道など様々な高速道路が利用出来るが、便利なのは常磐道。道は比較的空いておりアップダウンも東北道に比べると少ない。更にこれからのシーズンは、沿岸エリアを通るので雪が少ないと言う特徴がある。

釣りの復興を後押しする地元釣り具店

宮城県の旧友と閖上にある『つりえさ倶楽部マリン閖上港店』で待ち合わせ。餌は勿論、仕掛け等も十分揃っているので初めての人でも安心だ。オーナーの丹野さんに話を聞くと「今年のハゼは、この時期としては小さいんです」との事。友人からも「今年は厳しい」と聞いていた。それでも18cm前後が揃う様だ。餌は専門店だけに色々あり、青イソメが基本ながら“赤イソメ”という青イソメの中に有る“赤い物”を集めた餌も販売されている。これは私もカレイ釣り等で使った事があるが、柔らかくゴカイに近い感じ。赤イソメはその日の入荷で少し太めの感じだったので、丹野さんに勧められて青イソメとジャリメの2種類を購入。ポイントも沢山あり、駐車スペースも教えてくれるので大助かり。やはりSNS等だけではなく、地元釣り具店で話を聞く事がトラブル回避にも繋がり大切だと思う。更に、独自で「子供用ライフジャケット無料貸し出し」まで行っているのだ。被災から12年。復興としては道半ばかもしれないが、大切な事を、釣りをする前から教えて頂いた気がした。頭が下がる思いだ。

 

ポイントは無数!河口付近の土手からスタート

名取川河口から運河、教科書通りの素晴らしいハゼのポイントが点々とあり、季節によって選ぶ事が出来る。この時期、東北の朝の気温は一桁。そうなると「深いポイント」というイメージが浮かび、最初は浅場から水深が深くなる名取川河口付近の土手を選んだ。土手はサイクリングロードやランニングコースになっており、多目的公園や『震災復興伝承館』等がある。土手沿いには、土産店、食事も美味しい店等が点々とあり、散歩がてら当地を楽しむ事が出来る。選んだポイントは高い位置からの釣りになるが、釣り易く、柵が有る場所やコンクリートの壁がある等安全な場所。タックルはちょい投げセット、長めの落とし込みクロダイ用和竿、延べ竿5.6mの和竿でセットしてみた。場所によっては手前にゴロタ石があるが、無い場所は1m前後の深さが有る。更に河口付近には沢山の釣り人。

1投目からアタリが

まずは通常のハゼ天ビンにハゼバリ7号、オモリは4号、5.6mの和竿で狙う事にした。土手で釣りをしている常連さんの道具も長い延べ竿だったので、「郷に入れば郷に従え」と言う事。際沿いを探ると1投目からヒット。15、16cmのサイズ。数匹釣り上げて「おっ!良いじゃない」と錯覚してしまったが、本来この上のサイズがメインなのだ。場所を転々と探ると時折12、13cm級もヒット。確かにアベレージが小さい。暫くするとクロダイの稚魚が水面でキラキラとヒラを打ちながら押し寄せた。このクロダイの活性が高く連続ヒット。「参ったな」と思うも引きは最高で丁寧にリリース。考えてみるとクロダイ稚魚のサイズは通常9月から10月中旬に掛かるサイズ。チチブの仲間やメゴチもヒットしていて「細かいアタリはチチブかメゴチかも」と思っていた所、私の釣りを見ていた常連さんが「どう?釣れてる?」と話しかけて来た。「今年は厳しいね、おっ、数は凄いね」と、お褒めの言葉を頂いたが「もしや」と思い聞いて見ると「通常なら10月から11月頃ここでハゼ釣りするんだよ。ところが“お盆”の頃、何故か大釣りした」と話してくれた。常連さんのバケツを見てみると、数は少なかったものの20cm前後のハゼが数匹バケツに入っていた。「もしかして」と仕掛けをチェンジして挑む事にした。

細かいアタリは小型のハゼ

通常ならハリを大きくして挑むのがセオリーだろう。使っていた7号のハゼバリでも当地は小さい。私が数が上がり、常連さんが使っていた号数なら数が上がらなかったのも頷ける。そこで4号までサイズダウンさせて、オモリも2.5号まで軽くして細かいアタリを捉えた。「やっぱり」と複雑な心境。7~9cmのハゼが次々とヒット。最初の細かいアタリは小型ハゼだったのだ。「この時期にこのサイズとなると、産卵期はいつなのだろう?」と何が起きているのか分からない。通常当地のハリサイズなら釣れず「不調」という事になり「ハゼはダメなのか?」と思ってしまうだろう。「それなら」と場所を運河に移した。この時期は全く合わないポイント。さらに違和感を無くす為に、渓流釣りの目印仕掛けを装着。ハリをハゼ4号、オモリはガン玉で底に止まるギリギリでセット。すると小型ハゼがヒット。8cmから12cm。「居るにはいるんだ」と安心したが不思議な感覚だった。常連さんが話していた「お盆の大釣り」は、7月下旬から8月に東北地方を襲った「大雨災害」で流され、河口に固まった可能性が有る。私も東北に居て足止めされてしまったが、松島付近は抹茶色の水だった。仮説だが関東のハゼスタート時期のサイズと比較すると、流されてきたマハゼが8月産卵。そう考えると確かに現在のサイズに合う。更に“2年魚”の大型ハゼが多いと言うエリアでもある。謎が深まる。岩手に移動の為、午後3時に終了。“つるべ落とし”で日暮れが早い東北だ。移動中マスコミの先輩に伝えると「どうも周年産卵している可能性が高いんじゃないか」と言う。「岩手でもハゼ狙って来ます」と伝えて200km先の岩手県大槌に向かった。

施設等情報

宮城県名取市閖上地区 名取川河口付近

施設等関連情報

■つりえさ倶楽部マリン閖上港店
電話番号:090-1060-2622
所在地:〒981-1204 宮城県名取市閖上東二丁目11番地1 
駐車場:あり(無料)
アクセス:閖上漁協斜め向かい。仙台東部道路名取インターより車で1分
つりえさ倶楽部マリンホームページ
     
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この記事を書いたライター

山口 充
プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。
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