2022年11月28日公開
東北地方のハゼを追って宮城県から岩手県へ。岩手でもシーズンになると大型ハゼが手軽に釣れる。本来シーズン終了の季節だが、宮城の例もあり“ハゼ事情”が気になる所。当地ならではの魚にも期待して岩手県上閉伊郡・大槌町まで走った。
アクセス
常磐道から三陸道に進むと一旦宮城県「鳴瀬奥松島」で料金所を通過する。その先も高速道路が続いていて無料区間として青森八戸方面まで走る事が出来る。その為、途中ICでの降車も料金が掛からない為、“道の駅”や施設に立ち寄ったり、釣り場の移動も手軽に出来る。「復興道路」としても利用されている。特産物や土産を購入しながら、“釣りと旅”のテーマで走るには最高だ。釣果が悪い場合は、海産物も豊富なので釣り人に優しく有難い。
大槌町は釣りを応援してくれている
今回お世話になったのが、地元で釣り具店、釣り船を経営している『御箱崎釣具店』。きっかけは同釣り具店が受け付けをしていた“復興庁協賛”の復興釣り大会「大槌湾船カレイ釣り大会」にエントリーした事。当時、内閣官房長官だった菅義偉元総理から直接メッセージを受け取り、お届けしたのがご縁。大槌町の皆さんとも繋がりを持ちながら楽しませて頂いている。間もなく12年目。干支が一周する。先ずは店主の大羽道廣さんに挨拶。釣り具店内には様々な仕掛けも置いてあり安心。本来、“根魚”や様々な魚をターゲットにする予定だったが、宮城の一件が頭を過りハゼをメインに狙ってみる事に。
「ハゼが釣れていた場所に行きたいのですが…」。すると「今年はシーズン後半に小さくなってしまって」との事。宮城の件を話すと「えっ、宮城もそうなのですか」と驚いた様子。取り敢えずポイントを教えて頂き、青イソメを購入して釣り場に向かった。
素晴らしいハゼ釣りポイントが広がるが…
大羽さんにポイントを2つ教えて頂いた。駐車スペース等も教えてくれるので大助かり。三陸鉄道・大槌駅も見える場所の大槌川、その横に小槌川。両河川とも大槌湾に流れ込んでいて、水深も浅くハゼには最高の棲み家であろう。その小槌川と大槌港のポイントで試してみる事に。
先ずは小槌川のポイントへ。足場から水面までが高いので、リール仕様で挑戦。ところが、強風で軽いオモリでは釣りにならず、竿も飛ばされそう。安全を確保し根性で狙い続けるとアタリ!慎重にリールを巻いて来るとイシガレイの幼魚。この近くで産卵しているんだと感動。
しかし、更に風が強くなり、大槌港の波止に移動。ハゼを狙う水深を探る為に、“足元用”、“ちょい投げ”、“長距離用”と3本の竿を用意。投げ釣り用の仕掛けだとハリのサイズが大きいので、ハゼバリ7号の2本バリ仕掛けを作った。30m先に1本、15m付近に1本キャストして置き竿に。手前用のコンパクトロッドは7号のハゼバリ、これで探ると当たった。引きも良い。釣れて来たのはリュウグウハゼ。「足元でこんな魚が釣れるんだ。ハゼはハゼだけれど…」と困惑。因みに東北ではアイナメ釣りの特餌でもある。アタリが多く今度はアナハゼ登場。「まあ、これもハゼの名前付いているけど…」と苦笑い。中々“本命”がヒットしない。投げた2本の餌をチェックするとしゃぶられている。種類は判らないが反応はある。メゴチも釣れて楽しくなって来た。
岩手県のポテンシャルは凄い
投げ用を再投入して、様子を見ていると当たった。巻き上げると、マガレイの幼魚と小型ハゼのダブル。「嬉しい」。やっぱり居た。小型だったが頑張った甲斐があった。15~20m投げた所でアタリが有ったのでそのポイントに再投入。数匹の小型ハゼを釣る事が出来た。更に海タナゴも活性が高い。正午を過ぎると気温が下がって来た。東北独特の現象だ。護岸沿いを狙っているとビッグファイト。ハゼ仕掛けなので無理は出来ない。強い引き。無事上げたのは25cm級のアイナメ。「切れなくて良かった」とリリース。更に30cmクラスもヒット。正に至福の時。「ずっと釣りしていたいな…」と思っていたが対岸に虹が出た。当地では“しぐれ虹”というが、太陽が出ながら数分後に吹雪。流石に撤収と思ったが、投げ竿にアタリ。手応えもある。「やった!」。16.5cmのハゼ。
ここで納竿としたが、感動したのは沢山の魚たち。種類が豊富過ぎる。自然の中で産卵、この湾内で育って外洋に出て行くのだろう。時期にはソイ類も期待出来、マゴチの可能性もある。ヒラメも陸から狙える様だ。しかし、ハゼの謎は残ったまま。「2年魚なのか?はたまた産卵するのは1年半後で巨大化するのか…」。春先に再び“東北ハゼ”にチャレンジしてみるつもりだ。