大内丸・茨城県那珂湊港
五目&数で楽しむ♪茨城県・那珂湊沖の“ひとつテンヤ”マダイ!
チャンスを物に出来るか!?
午前4時半、那珂湊港へ到着。既に5人の釣り人が準備の真っ最中。思い思いのテンヤを並べ、リーダーをチェックしていた。間もなく大内森行船長が到着。前日の状況を聞くと「朝から1ノット近く潮が流れ、2.7kg、1.6kg、1.3kgが上がりました。それ以外にも良型のバラシが何度かありました。良型を掛けた時、バラさずにチャンスを物に出来るかが鍵ですね。良型のマダイは口が硬くハリが刺さり難くなりますから、柔らかいテンヤ竿では強めの合わせが必要です」。“秋ダイ”は1kg未満の小型中心だが、時には3kgを超える大型も交じる。それを確実に取るには、それなりの心構えが必要と言うわけだ。
釣り場は航程50分の大竹沖、水深31m
午前5時、定刻に河岸払い。右舷ミヨシ(船首)には、ひとつテンヤ初挑戦の高木宏男さん夫妻が並んだ。奥さんの知恵さんは船釣り自体が初体験とかで貸し竿での挑戦だ。釣り場までは航程約50分、港を出た船は南東へ向かう。前日、良型のバラシがあった大竹沖の根周りを狙うと言う。釣り場に着くとパラシュートアンカーが投入されてスタート。「いいですよ。水深31mです」。赤、銀、金、色取り取りのテンヤが海中へ吸い込まれていった。すぐに上乗りの大畠一夫さんが、高木さん夫妻にアドバイス。「はい、着きましたね。スプールから出ている道糸が止まった時が底に着いた状態です。オモリが底に着く度に道糸が少し緩むのが分かりますね。このオモリトントンの状態でアタリを待ちます。あとは10秒に1回くらい1m上下に誘います」。釣りインストラクターの資格を持つ大畠さんのアドバイスは的確だ。
初挑戦の夫婦に連続ヒット!
ファーストヒットは左舷胴の間(中央)の三富英男さん。一投目から掌サイズながら“本命”のマダイ、2投目には30cmの良型ハナダイを釣り上げた。夢中でカメラを回していると、船長が「裏で良いのが上がったよ」。慌てて駆けつけると800gのマダイが高木(宏)さんの足元の桶の中に。「着底して誘う間もなく来ました。良く引きましたね」とニッコリ。タモも使わずにごぼう抜きしたそうだ。すると、再び高木さんの竿が大きく弧を描いた。グググ、グググン!竿の曲りからみて3kgは超えていそうな3段引き。しかし、次の瞬間…フワッ…痛恨のバラシ。船長が朝言っていた事が現実となってしまった。「今のは間違いなく大きかったですね」と船長も残念そう。「キャー!私にも来たわ♪」。今度は奥さんに30cm級のハナダイがヒット。初めての船釣りでの獲物に満面の笑みを浮かべた。
8号のテンヤでスタート!一投目から“本命”ヒット
午前9時、私も左舷胴の間から竿を出した。前日から二枚潮がきつかったと船長から聞いていたため、比重の高いタングステンの8号(赤)でスタート。本来この水深なら5号程度で良いのだが、潮と風が逆になると底ダチすらとれなくなるそうだ。餌のサルエビを付け、まずは潮の向きを見るために真下へ投入。テンヤは意外にもすんなりと着底、潮は流れていないようだ。するとすぐにカリカリ、クンクンッとアタリ。何かが餌にいたずらをしているようだ。次の瞬間、クッ!と竿先が入った。大きく合わせると乗った!1投目から幸先よく上がって来たのは20cmながら“本命”のマダイだった。気を良くして次の投入。すると、今度は着底を待たずテンヤが浮いた。その違和感に慌てて糸フケを取ると、手元まで伝わる鋭い引き込み。今度は35cm超のオデコがボッコリと出たハナダイが浮上した。
根周りで良型“ゲスト”連発!
「今日は思うように潮がいかないね。昨日は1ノット流れていた場所が今日は全く流れていないですね」と船長。マダイやハナダイのアタリが出ていた船中も気が付けばフグの入れ喰いになっていた。上がってくるショウサイフグは立派なのだが、船長は移動を決断した。
午前10時、小移動後に状況は一変した。「潮が行き始めましたよ。0.5ノットぐらい流れてますね」(船長)。すると、右舷大ドモ(船尾)で45cm級のアイナメが上がったのを皮切りに、左舷ミヨシでは45cm超えのホウボウ、左舷大ドモでも同サイズのホウボウ。これにあやかろうと私も13号のテンヤに切り替えた。すると、着底して1回目の誘いで一気にグンと竿先が入った。しかし、鋭い引きを見せたのは最初だけ。巻けども巻けども重いだけで引きがほとんどない。海面に姿を見せたのは腹パン25cmのカサゴだった。
ラストの1流しで600gの“本命”ゲット!
午前11時、小移動後に魚探が底付近に反応を捉えた。中層にはイワシの反応がビッシリ。ここでテンヤを金色にチェンジ。道糸が右舷ミヨシへ向かって船下へと入っていく。船は北東の風に真っ直ぐ向いているため、潮は東へ流れているようだ。着底後、糸フケを取り1mフワッと誘いをかけ、フォール中道糸を張り気味で落としていくと、竿先がモゾモゾっと動いた。すかさず頭上まで大きく合わせるとダダダン、ダダダ。最初の突っ込みで“本命”と分かる手元までグッとくる引き込み。緩めにしておいたドラグも時折ジジジッと音を立てる。海面を割ったのは体高、厚み共申し分のない600g級のマダイだった。
今後は良型期待!テンヤ船は12月まで
この日の竿頭は三富さん、600gを頭にマダイ10尾、ハナダイ15尾、ホウボウ、ヒラメ、ショウサイフグと五目釣り達成。幸先良く800gを釣り上げた高木(宏)さんは途中から船酔いしてしまったが、奥さんは最後まで頑張って小型だが“本命”もキャッチした。12月まで狙えるマダイは今後南下してきた新群れが次々とやって来る。そうなれば大型も十分期待できるはずだ。初心者はアタリの多い今がチャンス!
(吉田 洋一郎)
今回利用した釣り船 |
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茨城県那珂湊港『大内丸』 〒311-1221 茨城県ひたちなか市湊本町22-7 TEL:090-3342-5443 詳細情報(釣りビジョン) 大内丸ホームページ |
出船データ |
(料金)ひとつテンヤマダイ船=10000円(氷・餌1パック付) ※船上での餌追加販売有 <午前便>午前5時出船、12時沖上がり ※午後便も出船中、要TEL確認 |