2022年12月12日公開
湖に落としたモノを回収する、その困難さをご存じだろうか? 過去に何度も湖にいろいろなものを沈め、その回収にトライしてきた哀れな語り部が今回の成功譚を語るー。(執筆:望月俊典)
2日後に再挑戦。絶対に取り戻す!
12月1日、琵琶湖のとあるエリアが解禁になり、そこへ釣りに行った…という話を何日か前に書いた。そのとき、ボートが横波を喰らい、リアデッキに置いてあった三脚ごとカメラ(GoPro)が琵琶湖に吸い込まれていったのだった…。
それから2日後の12月3日、この哀れな語り部(←筆者のことです)は再び、現場へ戻った。
実は落とした直後もしばらく回収にトライしていたのだが、ダメだった。いや、惜しいところまではいったのだ。GoProとモバイルバッテリーを繋ぐケーブルに大型メタルバイブのフックが引っかかり、少し持ち上がったような気がした。しかし、三脚などの重さでケーブルが抜けてしまい…失敗に終わったのである。
なので、今度は回収のための道具を設えてリトライすることにした。落とした三脚やカメラの構造上、小さいフックでは引っかかりにくいので…アングラーズ堅田店で売っていた一番大きなギャング針とナス型オモリで特製の仕掛けを作ってみた。過去にも深場にロッドやカメラなどを落とした際に回収に成功した実績のある回収機なのだ。
湖に落としたモノの回収が容易ではない理由
ところで、湖に落としたモノの回収がなぜ難しいかというと、落としたピンスポットを特定することがまず困難だから。落とした瞬間の記憶というのは興奮もあって曖昧なものだし、湖流の影響やモノの形状によってはカーブしながら落ちることも多いから。また、足が着くような浅いところにクルマのキーや工具などを落としても、回収するのは簡単ではない。手網を使えばすぐに取れると思うかもしれないが…やってみるとこれが難しい。ガサガサしているうちに泥に埋まってしまってドツボにハマるのだ。
ではなぜ今回は広い琵琶湖の水深5mに落ちた三脚の場所がわかったのかというと…他でもない魚探のおかげ。少し時間が経ってから落とした直後のことを冷静に振り返ってみると…ボートをUターンさせたのを思い出した。魚探の航跡を確認すると、やっぱりUターンしている。ホットスポットをターンした手前周辺の半径数mに絞ることができた。さらに、そこをライブスコープ(ガーミン魚探のライブソナー機能)を当てると…ボトムにうっすらと斜めの線が映った。これ…倒れた三脚だな。すかさずそこにウェイポイントを打つ。これでかなりの精度でピンポイントが特定できたはず。
落としたあとにここまで作業を進めていたので、あとは特製の仕掛けで回収するだけだ。真下ではなく、10mくらい距離を取ってキャストし、ズルズルと引いてくる。すると、5投目くらいで根がかりのような手応えアリ。ゆっくり引っ張ってくると…おかえり、三脚(2万円)とGoPro(中古で2万円)よ。
動画はこちら→ GoPro水没
落とした瞬間の動画も生きていた。落ちていくGoProと語り部の目が合っているのがわかる