釣りビジョン

2013.3.15号

長七丸・千葉県江見港
千葉県、南房総・江見沖のヤリイカ絶好調!!

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千葉県、南房総・江見沖に“パラソル級”と称される、オスの大型ヤリイカの大群が入って来た。待ち構えていたメスの群れと合わさり、現在、絶好調に釣れている。いよいよ南房でも春のヤリイカ釣りが本番を迎えた。その、南房総・江見港に所属する『長七丸』でも、連日好釣果が記録されていて、HPを覗くと「ヤリイカ群れ濃く絶好調、今がチャンス!」との文字が躍る。イカ釣りビギナーの私にも最適のタイミングと、予約を入れた。

この日の釣り場は“海中公園沖”

『長七丸』船宿
出掛けたのは7日(木)。『長七丸』では、船宿に設置されたボードに名前を書き込んで釣り座を確保する。駐車場から少し離れた乗船場までは船長が軽トラで荷物を運んでくれるので有難い。朝イチ、繁田浩行船長に状況を聞いてみると「前日は潮がブッ飛んでいて釣り難かったけど、イカは間違い無く大群でいます。今日は速い潮にも対応出来るように、ちょっと釣り場を変えてみるので更に期待できると思いますよ」と頼もしい言葉が返ってきた。この日は私を含め4人乗船、定刻通り午前5時半に出船。釣り場は港から約1時間走った通称“海中公園沖”。水深230mからカケ上がりのラインを流し始めた。

釣り座はこのボードに記入
繁田浩行船長
この日乗船した「第三長七丸」

ウネリ高く「乗りイマイチ」と船長は言うが…

ヤリイカダブル!でも船長はまだ不満顔
この日は朝から大きなウネリが入り「イカの乗りはイマイチ」と船長は言うが、それでも釣り開始直後から“本命”ヤリイカは勿論、ビール瓶サイズの良型スルメイカもボツボツと交じり、順調に釣り上がっているように見えた。しかし、船長は不満顔。という事は、「この位では全然満足できない」という事の裏返し。やはり相当にヤリイカの群れは濃いのだろう。そして朝釣れてきたヤリイカは不思議と小型のメスが中心。これも船長が気に入らない理由と見た。しかし、小移動と潮回しする度に船中でヒットが続く。狙った水深とラインは相変わらず250m前後から20~30mカケ上がる場所。

高いウネリはバラシの原因にも!
朝の内は大型のオスが交じる程度
同じタナでスルメイカも乗ってくる!

船宿のレンタルタックルや装備充実!

仕掛け図
『長七丸』では、電動リールセットにロッドホルダーが一式揃って2000円でレンタル可能。仕掛け投入器は勿論、仕掛けをさばくのに便利なマットも、四角い物から船縁に設置する細長タイプまで常備していて無料で使える。また、仕掛けも船上で購入できるので(1枚1000円)非常に便利。今回のヤリイカ釣りでは、11cmのプラヅノ5本を付けたブランコ仕掛けを使用。ヤリイカはバレやすいのでブランコ仕掛けが基本となる。オモリは150号。詳しくは、仕掛け図を参照。

貸し道具一式
船で購入できる仕掛け類
ツノは11cmの5本仕様

ヤリイカ釣りのコツとは!?

中型ヤリイカのダブル!
時計が8時を回った頃、私も船宿でレンタルした道具を出した。この頃には、海上のウネリは収まってきたが、今度は完全な“二枚潮”となっていた。仕掛けを投入すると、道糸が船底に潜り込むように斜め後方に流れるが、途中一旦糸がフケてから今度は斜め前方に道糸が入って行く。ウッカリするとそこが着底かと勘違いしてしまいそうな位の糸フケなので注意が必要。船長の指示ダナ(水深)を聞きながらリールカウンターを見て確認したい。船長に釣り方のコツを聞くと「ヤリイカはベタ底でのタナが基本ですが、底から15m位まではしっかりと探る事。まずは底立ちを確実に取って、ソフトなシャクリを小まめに入れつつ、ヤリイカにツノを抱かせるタイミングを作ることが大事ですよ」と丁寧に教えてくれた。

スルメは豪快に抜いても大丈夫!
ヤリイカの取り込みは慎重に!
無事にトリプルキャッチ!!

念願のヤリイカキャッチ!!

船長の教え通りにすると、なんと1投目からスルメイカが釣れてしまった。“本命”ではなかったが、久し振りの筒イカを釣り上げ相当に嬉しかった。実は私、「イカ釣りはビギナーだし難しい釣りで自分は苦手」と思っていた次第。しかし、あまりにあっけなく釣れてしまい少々拍子抜け。「イカ釣りはあまり難しく考えなくても大丈夫。釣れる時は簡単に釣れるし状況が良ければそんなもんだよ」と船長は笑った。ただ、実際に竿を出してみて分かったが、“二枚潮”の影響と、常に急こう配のカケ上がりを釣っていたので、糸の出し入れには多少難儀した。そんな中でも確実に底立ちを取り、ソフトに誘いを入れて竿を水平からやや煽り目にしてアタリを待っていると、竿先がクンクンと微妙に入るヤリイカ独特のアタリが頻繁に出る。そこで、追い乗りを期待し、手巻きで10m程誘い上げてから電動リールのスイッチを入れると、イカが乗った重量でドンッ!と竿が重くなる。「してやったり!」の嬉しい瞬間だ。その後も仕掛けを降ろす度にヤリイカのアタリを感じ、2点掛け、3点掛け、4点掛け!と、順調に“本命”を釣り上げていた自分に驚いた。しかも途中から“パラソル級”ばかりをゲット。気づけば短時間にツ抜け(2桁)を達成。釣りを教えた船長も気分が良かったのか「HPに載せるから写真撮らせてよ」とパチリ!

ヤリイカトリプル!
パラソル級のダブルにニンマリ!
スルメの船上干しを狙いカモメも乗船!

“パラソル級”ヤリイカがノリノリ!!

まさに“パラソル”!!
後半戦からは狙う水深も最深270mという深場から240mへカケ上がる場所を中心に流していたので、“二枚潮”の影響は更に大きく、せっかくイカを掛けても巻き上げ中に糸が一瞬フケたり、潮の抵抗が大きいので相当数のイカが途中でバレてしまった。それでも皆、多点掛けを連発。最高6点掛けもあり大いに盛り上がった。そして後半戦ではオスの大型ヤリイカの群れに当たったようで、サイズもグングンと大きくなり“パラソル級”がノリノリとなった。
結局、最後までイカの乗りは最高に良かったが、“二枚潮”に苦戦し、数は思ったように伸びなかった。それでもトップで62尾、スソ(最低)で18尾という十二分の成績。ちなみに、スソの釣り人は今回イカ釣り2回目との事だが、私自身の経験を思えば十分過ぎる釣果だろう。
取材後はシケが続き数日間出船出来なかったが、9日にはトップ53尾、そして12日にはなんとトップ107尾の束釣り(100尾以上)も記録されている。「春の大型ヤリイカ釣りのシーズンは間違いなく本格化だね!今が大チャンスですよ!!」と船長も太鼓判を押す。
南房のヤリイカ釣り、例年なら6月一杯までは楽しめると言う。しかし、これだけイカの乗りが良ければ、私のようなビギナーが腕を磨くにも最適な季節。是非、今週末は“パラソル級”を狙いに『長七丸』に乗ってみては如何だろう。

ヤリ&スルメの6点掛け!
2回目のイカ釣りは大満足!
ヤリイカ釣り最高の季節!

(鈴木 恭介)

今回利用した釣り船
千葉県江見港『長七丸』
〒299-2842
千葉県鴨川市江見青木27-3
TEL:047-096-0474
詳細情報(釣りビジョン)
長七丸ホームページ
出船データ
乗船料金:¥10,000-(氷付き)
出船~帰港時間/5:30~12:00
※3月中旬に出船時間が朝5時に変更予定(日程未確定)
出船時間は予約時に改めてお問合せ下さい。
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。
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