船宿 まる八・東京都平和島
東京湾・小柴沖のシロギス、自分でアタリを作り出す面白さ
ナギの東京湾 一路小柴沖へ
『船宿 まる八』は、『大田区立大森ふるさとの浜辺公園』に隣接している。京浜急行・平和島駅から徒歩でも約10分。至極便利だ。午前7時40分の出船だが、少し早目の6時30分頃到着した。「昨日は強風、明日も荒天予報だから、いい日に来たね」と言いながら飯島店主が迎えてくれた。7時を回ると、バイクや自転車で来る人もいて、丁度10人が左右に分かれて座った。定刻の7時40分、高橋広司(コウジ)船長の操船で離岸した。船は鏡のような運河の水面を分けて進む。東京モノレールを潜り抜け、羽田空港を右手に一路小柴沖を目指した。
数は伸びないが、魚はいる!
航程1時間程で小柴沖に到着。既に先着の船が数隻いた。船長は慎重に旋回して投入合図を出した。水深は30m。早速、竿を曲げたのは左舷ミヨシ(船首)に座った佐々木さん。しかし、「小さい」と不満そう。「船中第1号は一人だけ」と話しかけると「そりゃあ、そーだ」と笑顔に。続いて左舷胴の間(中央)の林さんにもアタリがあり、良型が取り込まれた。暫くして右舷ミヨシの船越さんが一荷釣り(2尾)。左舷トモ(船尾)の木村さんも苦労の末の1尾。更に右舷胴の間の鈴木さんも超大型を手に満面の笑み(巻頭写真)。10時を回って何とか全員が型を見た。しかし、いかんせん数が伸びない。私も竿を出すが、予想していた以上に手強い。それでも、船長が竿を出して5分程で2尾を釣り上げたのを見れば、魚がいるのは間違いないのだが…。
シロギス釣りの真髄 自分でアタリを作り出す
喰い渋りの中、左舷胴の間の林さんだけが着実に数を伸ばしてゆく。「シロギス釣りは、今の時期が一番面白い。夏季は“手返しの早さ”が技の全てだが、今はタナ取りだけでは釣れない。自分でアタリを作り出して、それをハリに掛ける。その日の“ベスト”を見つけ出す面白さがある」と林さん。これまで蓄積した経験に自信があるのだろう。この後「天ビン仕掛け」から「胴突き仕掛け」に変えていく。「天ビンは、魚が底にいる時に威力を発揮し胴突きは魚が浮いた時に有効。潮の動き等に応じて使い分けるのが釣果を伸ばすコツです」とも言う。
必殺技“タタキ釣り”を教わる
午後になると、右舷ミヨシの船越さんがタタキ釣りを始めた。カワハギやマルイカ釣りのように、竿を上下に振動させて次から次とシロギスを掛けてゆく。午後からは独壇場となった。見事としか言いようがない。「オモリは海底から離さないように、餌を振動させるイメージでやってごらん。柔らかい竿が適しているよ」と教わる。その通り、暫く叩いているとアタリが伝わる。竿を立てると魚が掛かっている。林さんの言う「アタリを作り出す」とはこの事か。お陰で私もツ抜け(2桁)を達成して沖上り時間を迎えた。最終結果は、林さんと船越さんが同数の31尾だった。
フェスティバルで活魚を展示予定
今回は、飯島店主の「気の置けない仲間」も乗船していたようだ。エアーポンプを使って、容器で活魚を持ち帰っていた。聞けば「JAPAN FISHING FESTIVAL 2013」=3月22日(金)~24日(日)パシフィコ横浜=で飯島店主が理事長を務める『東京湾遊漁船業協同組合』のブースに水槽を設置して展示予定とか。船宿の水槽から移送するのだという。同組合は子供たちを招いて稚魚の放流事業にも力を注いでいると聞いた。店主には、目を輝かして「東京湾の魚」に見入る子供たちの姿が見えるのであろう。ブースに立ち寄ると約束して帰路についた。
(釣りビジョンAPC・谷口 晴治)
今回利用した釣り船 |
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東京都大田区・大森・平和島 船宿『まる八』 〒143-0011 東京都大田区平和島5-8-1 TEL:03-3762-66314 詳細情報(釣りビジョン) まる八ホームページ |
出船データ |
シロギス乗合=8500円 餌・氷付 (女性は2割引、中学生以下は4500円) 7時40分出船 2時50分頃沖上がり |