今となっては、旅系ロッドのマルチピース化は当たり前になってきた。持ち運びが比較にならないくらい楽だし、飛行機内に持ち込めるのでロッドを紛失されたり折られたりする心配もない。そして、今回紹介するトランスセンデンスのロッドはさらに進化したマルチピースといえる。「バット部分の長さ違いのピースを付属させる」これだけで、まったく別のロッドを1本追加で持っていくに等しいメリットが得られるというのだ。海外釣行のスペシャリスト（琵琶湖の人気ガイドでもある）、高田雄介さんにお話を聞いた。

高田「エンハウス65B+は、バスやシーバスなら2～6オンスのビッグベイトを投げたり、怪魚でいうとでっかいディープクランク、ヘビースピナーベイトなどを使ったパプアンバスとトーマン、日本ならアカメ、ビワコオオナマズをターゲットにしたロッドです」

基本は6フィート5インチだが、バット部分を長いピースに変えることで7フィート5インチというまったく違うレングスになる。では、どう使い分けるのだろうか？

高田「パワー帯が大きく変わるわけではないのですが、例えばパプアンバスを丸太カヌーでやる時は65レングスを選択すると安全に釣りができます（転覆しづらい）。あるいは、アカメを水路で細かくロッドを振って釣るシチュエーション、そういう場面の取り回しは65が有利です。逆に、大きい遊漁船や通常のオカッパリは長い方が魚をコントロールしたり抜きあげたりしやすい75を使うイメージです」

持ってみると、75でも意外なほど軽く、65になるとかなり軽快とさえ感じる。そしてしなやかだ。怪魚ロッドというと、硬いイメージがあるかもしれないが、これはかなりよく曲がる。

高田「サオを曲げて魚を獲ることに特化した、本当の意味での怪魚ロッドだと思っています」