蒲谷丸・神奈川県金沢漁港
東京湾・LT(ライトタックル)アジも春風に誘われ高活性!
電車でも車でも便利!
電車なら京浜急行・金沢八景駅からシ-サイドラインに乗り換え、野島公園駅で降りれば徒歩5分。車なら首都高・湾岸線や横浜横須賀道路のICも近く、実にアクセスのよい所だ。当日は祭日の早朝だったので自宅がある横須賀から国道16号を利用したが僅か30分で着いてしまった。午前6時には金沢漁港の入口に到着、案内人がいて各船宿の場所を教えてくれる。車の窓を開け「蒲谷丸」と告げると、「右手奥」との事。奥に進みゲ-トを潜った右が駐車場。金沢漁港全体が一望できる眺めのよい場所だ。
天井にはレンタル用のタックルがずらり
長屋形式の10軒余りの店舗がズラッと軒を連ねている。蒲谷船長に駐車位置を指示してもらい荷物を降ろした。船の座席は先着順に店先の浮き桟橋に舫ってある船にクーラーや荷物を置いていく方法で、私は空いていた右舷の胴の間(中央)にクーラーを置いた。待合室はウッドのベンチシートやテーブルがあり先客数人がお茶を飲んでいた。隣室の受け付けでは、若女将が釣り人のお相手をしていた。天井にはレンタル用のタックルがずらっと並んでいる。
7時15分過ぎ、桟橋で船長が初心者にコマセの詰め方や青イソメの付け方、タナの取り方等をレクチャー。定刻の7時半、若女将に送られ9人が乗って桟橋を離れた。
タナ取りを大事に
海はベタナギの釣り日和。左手に『八景島シーパラダイス』、右手に緑の野島公園を近間に見ながら航程15分程で釣り場に到着。周囲にはアジは勿論、シログチ、メバル、カサゴ等を狙う多くの船が浮かんでいる。「間もなくです、準備してい下さい」と船長。エンジンの逆回転で船が止まると「やって下さい。32m、底へ着いたら2.5m位上げて」の指示、この釣りはタナ取りが重要だ。
親子兄妹で、ペアで!
左舷ミヨシ(船首)には、埼玉から来たと言う佐藤薫さん親子3人。まずはミヨシのお父さんにアタリ。“クンクン”と小刻みに竿先を揺する。静かにリーリングするお父さんに「来たの」と隣に座った娘の歩さんが表情を輝かしたが、途端に「アッ、バレタ」の声。続いて3番目に座った兄の剛さんの竿にアタリ。ゆっくり巻き上げて小振りながら“本命”のアジをゲット。矢張り埼玉・越谷から来たと言う右舷ミヨシの村田康博さんはサイズの良いシログチを釣り上げた。左舷胴の間の女性は可愛いカサゴの一荷(2尾)、底潮が流れてないのか。右舷トモ(船尾)では、千葉から来たと言う山岸光浩さん、興郎さん親子。興郎さんが高校入試を終え、無事合格したので祝いを兼ねて釣りに来たのだとか。ムーチングタイプの柔らかい竿で誘いをかけているが、こちらも釣れたのはシログチ。左舷の歩さんが真剣な顔でリーリングを始めた。海面に顔を出したのは良型のアジ、船縁でハリスを持ってアジをぶら下げるが、海側なので外れはしないかと気をもんでしまう。お父さんやお兄さんが「中へ、中へ」と叫ぶが本人はニッコリ。左舷トモでは伊藤塁さんが可愛いアジを、隣の白坂さんは良型のアジをゲットしてこちらもニッコリ。
アジのタナは少し上なのでは…
ここで私も竿を出した。写真を撮りながらの釣りなので手返しを考えて昨夜作ったのはハリス1.5号の金バリ2本仕掛け。シログチを避けようとハリに小さ目に青イソメを刺し、コマセのイワシミンチを詰めて投入。底から2mでコマセを撒き、更に50cm上げて少し待つと“グングン”の引き込み。「アジにしては引きが強いなあ」と思いながらリーリング。釣れて来たのは良型のシログチ。コマセを詰め替え再び投入。今度は2.5mでコマセを撒き、そこから50cm上げて待つ。すると“コクン、コクン”とアジらしいアタリ。慎重にリーリング、海面に黒っぽい背中が見えた。ハリスを持って取り込むと22、23cm級のアジ。「後ろで良型が顔を見せよ」と言う船長の声に、置き竿にしてカメラを持って跳んで行くと左舷トモの伊藤さんが25cm級の良型アジを握っていた。席に戻ってお辞儀している竿を上げて見ると上バリに小振りなアジ、下バリにはシログチと一荷釣り。
しかし、時間が経つにつれ船中ポツリポツリと釣れていたアジも、頻繁に竿を振るわしていたシログチのアタリも遠くなった。「潮がますます行かなくなっちゃたなア」と言う船長の「上げて」の合図で船団の中を移動。
潮が動いて再び喰い出すが…
少し灘寄りの28m立ちで「いいよー」と船長。コマセを撒いて暫くすると右舷ミヨシの村田さんの竿にアタリ。「久し振りだよ」と言いながらアジをゲットした。その後も連続してアジ。「ヤッター!」の声は剛さん。良型アジにニコニコ顔。少し潮が動き出したのかトモの伊藤さんが小振りながらアジの連発。トモでもミヨシでもシログチにカサゴも交じって釣れ出して来た。歩さんもお兄さんにまけず良型のアジをゲット。右舷トモの山岸興郎君はシログチばかりだったが“本命”のアジをゲットしてニッコリ。私はタナを大きく切って置き竿にしていたが、シログチの一荷が何度かあった。手持ちで誘っているとアジが喰って来たが、2度ほど海面でサヨナラ。「少し喰いが良くなってきたな」と周りを見回した時「これで最後の流しになります」と、船長からアナウンス。
上がり際になって村田さんとトモの伊藤さんが連チャンで“本命”を連発したがところで11時の沖上がりとなった。 アジの頭は、ミヨシの村田さんで“唐揚げサイズ”交じりながら15尾。左舷トモの伊藤さんは12尾、スソ(最低)は1尾で私は5尾だった。良型シログチは“本命”を圧倒、10~25尾、これにカサゴも交じって彩りを加えてくれた。
「アジは、これから脂が乗り出し、型もよくなって来ます。これから面白くなりますよ」と蒲谷船長。
女性や子供にも手軽に楽しめる東京湾のLTアジ。ファミリーフィッシングにもピッタリだ。『蒲谷丸』では、学校の春・夏・冬休み、更にGW期間中は男女&親子ペアで6000円という割引サービスも行っている。春休みに家族で出掛けてみては如何だろう。
(釣りビジョンAPC・倉形 金幸)
今回利用した釣り船 |
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神奈川県金沢漁港『蒲谷丸』 TEL:045-781-8552 詳細情報(釣りビジョン) 蒲谷丸ホームページ |
出船データ |
予約制乗合船 餌・氷付 5,500円 午前船7:30 出船 午後船12:30 出船 |