栃木丸・神奈川県長井新宿港
スルメイカ交じりのヤリイカ、ラストチャンス!!
初心者や不慣れな人は、“釣り教室”で特訓!
横浜横須賀道路を衣笠ICで降り、三浦縦貫道路の終点を左折、R134号線を荒崎入口で右折すれば間も無く右手に港が見える。最初の船宿が『栃木丸』だ。午前6時少し前に着いた。
大船長と奥さんが迎えてくれた。真白な船形ボードの釣座番号を取り、名簿に名前を記入する仕組みだ。右舷の(9)、(11)番が“釣り教室”になっている。初めての人や、イカ釣りに不慣れな人は、投入から竿のシャクリ方など、船長が丁寧に教えてくれる。『栃木丸』流の“実践釣り教室”だ。2名限定の予約制になっている。
ヤリイカ・スルメイカ、どっちも釣れる端境期
乗船者は私を含め8人。定刻7時より少し早めに出船した。海は殆ど風も無くベタナギ。1時間程でポイントの洲崎沖に着いた。「やってみましょう。水深は182m」。舵を握る栃木拓船長の合図で一斉に釣り始めた。左舷側に陣取った常連の3人。直結仕掛けのツノを手際よく捌く一連の動作に「イカの長井」を垣間見た気がした。
最初にイカを手にしたのは、左舷大ドモ(船尾)の岡村さん。勢い良く水鉄砲を吹きながらスルメイカが上がって来た。同時に右舷大ドモの菱沼さんもスルメイカを取り込んだ。隣の石渡さんも負けじと同型を抜き上げ、続けて2尾掛けも取り込んだ。私は、カメラを持って右だ、左だと忙しく飛び廻っている。左舷胴の間(中央)の久保田秀樹さんは、スルメイカをダブルで、隣の久保田一秀さんは3点掛けを取り込んだ。その間、石渡さんの仕掛けはブランコ仕掛けなので、サバに捕まり手こずっている。左舷大ドモの岡村さんは、11cmと14cmのツノを混ぜた直結仕掛けで、スルメイカ2尾とヤリイカ1尾を取り込んだ。どうも今日の洲崎沖はスルメイカがメーンの様だ。スルメイカは釣れた端から手際よく開き、アッと言う間に船上に“イカ暖簾”の出現だ。さながら、自慢の大漁旗の様だ。
沖の瀬で待望のヤリイカ
段々上潮の流れが速くなって来たのを見て、「オモリを150号に換えましょう」と船長。仕掛けを投入すると、道糸はサーッと横に流され、凧揚げ状態だ。1流し1回の釣りしか出来ない。11時頃、洲崎沖に見切りを付け、沖の瀬に向った。
ここで私も竿を出した。最初から11cmツノのブランコ仕掛けを出した。水深は150m、1シャクリ、2シャクリしながら4、5m上げて来た時、“ズシーン”と竿先に伝わる重量感。“ククッ、ククッ”と気持ちの良いイカ独特の引き。「来たよーッ」と一言声掛け、5回、6回と手巻きで巻いてから、電動リールのスイッチを入れた。海面近くになると、薄っすら白い影が繋がっている。1つ、2つ、3つ、4つ。いきなりヤリイカの4点掛けだ。「してヤッタリ!」。それが合図の様に他の人にもヤリイカが釣れ出した。沖の瀬で待望のヤリイカを捕らえた。この日の“釣り教室”の生徒の一人、児玉雄太郎君(世田谷区、小5)もヤリイカとスルメの2点掛けだ。150号のオモリと竿を巧みに操り、大人も顔負けだ。お父さんの行雄さんと“登校”して来たのを傍で見させて貰った。
雄太郎君の竿捌きは、小さな体で竿一杯にシャクリ、リールを巻く、イカ釣りのセオリーを忠実に実行していた。先に釣ったのは雄太郎君。時々船長に手ほどきを受けたり、オマツリ解きをして貰っていたが、「この前来た時は、お父さんは“ゼロ”僕は1尾だった。今回は3尾でお父さんは2尾。僕の勝ち。イカ釣りは難しいけれど面白い。今夜はお刺し身にして家族で食べます」と小学校5年生とは思えないしっかり者だ。お父さんに聞くと、「イカ釣りに連れて行って、とせがまれるので」と、顔を崩した。
ヤリイカ・スルメイカ、両方の仕掛けを準備
2時に沖上りとなった。結果はヤリイカのトップは7尾。スルメイカのトップは6尾だった。この時期は、スルメイカが多かったり、ヤリイカが多かったり日によって変わる。
大きなヤマ場は無かったけれど、上潮が速く、1流し1回の釣りしか出来なかった事を考えれば、致し方ない結果だったろう。潮ぐあいさえよければまだまだ楽しめるだろう。“スルメの肝とヤリイカの身の塩辛”の贅沢が出来るのも今の内だ。
(釣りビジョンAPC・飯妻 武夫)
今回利用した釣り船 |
---|
神奈川県長井新宿港『栃木丸』 〒238-0316 神奈川県横須賀市長井5-3-9 TEL:046-856-2446 詳細情報(釣りビジョン) 栃木丸ホームページ |
出船データ |
乗合料金:8,500円 出船時間:確認の事(月により変更する) 定 休 日:毎月第一、第三金曜日 貸 道 具:竿セットで2,000円 |