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「雪が降るとよく釣れる」は本当か? PART1

2023年02月16日公開

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冬に釣りをしていると、「雪が降るとよく釣れる」という話が、まことしやかにささやかれることがある。特にバスフィッシングの世界と、エリアフィッシングの世界ではよく耳にするし、筆者も過去にそう感じたことが何度かあった。これは本当なのか? それとも都市伝説? もし本当なら理由は何なのだろう。まずは、バスフィッシングにもエリアフィッシングにも長けている凄腕アングラー、伊藤雄大さんに話を聞いてみた。(執筆:横沢鉄平)

雪はつまり低気圧の接近

伊藤さんは、まず「雪が降るとよく釣れる」ことを肯定し、次のように話し始めた。
「僕にとっての雪は、穏やかな低気圧というイメージなんですね。雪の日は吹雪になることもあるのですが、不思議と風が吹かないイメージがあります。案外穏やかで、しんしんと雪が降るイメージが強いんですね。雨雲が来ているということは、少なくとも低気圧が来ているということなので。低気圧はどんな釣りにおいても有利に働くことが基本的に多い。魚の目線が上を向きやすいと思うんです」
 ボトムべったりだった魚が中層で喰ってきたり、また中層にいる魚が水面近くまで浮いてきて小魚を追ったり…と、低気圧が引き金になって魚が上を向き、浮きあがってくる傾向については、異論を唱える人も少ないだろう。たとえ真冬でも、雪が降れば同様の現象が起きやすいと考えるのは確かに自然かもしれない。
「バスの場合は、雪の降る向きがあれば効果がありますね。雪が降りそうだな…という段階から、止んでから晴れてくるまでの間は、ある程度その効果は続くと思いますね」。

雪の日のエリアトラウト特効ルアーとは?

エリアトラウトの場合、またバスとは違った意味のスイッチが、雪によってオンになるらしい。
「エリアフィッシングのトラウトは、水面にポトッと落ちて来るものに対して、テンションを上げる性質があるんですね。虫やペレットが落ちてきたと錯覚するんです。だから、それが雪であってもそわそわし始めます。特に熱いのは降り始めですね」
 トップウォーターに出きらないような状況であっても、雪が降り始めたタイミングでトラウトが水面を割ってルアーに襲い掛かる…そんなことは珍しくないようだ。それではその雪の降り始めのチャンスに、どんなルアーを使えばいい結果に結び付くのだろうか?
「雪の特効ルアーは2種類ありますね。一つ目は0.5~0.9gくらいの軽めのスプーンで、色が白っぽいものですね。多分雪が落ちてくる景色に紛れて、魚にとって見切るのが難しい存在になるんでしょうね。カラシカラーも強いですね。実は、桜の花びらが落ちてくるシーズンも、白いスプーンが爆釣するんです。これは桜パターンと呼ばれています」。
 雪に桜、なんとも風流なフィッシングパターンだ。そのパターンがハマったら一句ひねりたくなるかもしれない。ただ、ニジマスは賢いので、降り始めてしばらくたつと、だいぶ落ち着いてしまうそうだ。
「二つ目のルアーは、トップウォーター系ですね。中でもクリアー系のカラーが鉄板ですね。結局水面の乱反射の中に紛れて実体を捉えづらいんでしょうね」
 雪が降りそうな日は、白いスプーンとクリアーのトップウォータープラグ。これ、覚えておきましょう! 雪に関しては、他の釣り人にも話を聞いて、まだまだ掘り下げてみます。

 
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この記事を書いたライター

横沢 鉄平
フリーライター。ライフワークはバスフィッシングだが、ワカサギから世界の怪魚まで、すべての釣りを愛する男。ロッド&リールの「三匹が行く」、ルアーマガジンの「ドラマチックハンター」など、長期連載企画での出演経験も多数。キャンプ用品の「ヨコザワテッパン」考案者でもある。
YouTubeチャンネル「ヨコテツ」も、ささやかに継続中だ。
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