釣りビジョン

2013.5.15号

弥生丸・千葉県保田港
千葉県・保田沖、クロダイの乗っ込み真っ只中!

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マダイの乗っ込み(産卵活動)に次いで、東京湾ではクロダイの乗っ込みが始まった。千葉県側には、専門の乗合船を出している船宿は少ないが、保田港『弥生丸』では、釣り人の要望でこの時期、“クロダイ五目”の乗合船を出している。数・型共に十二分に楽しめる。4月半ばから6月までの期間限定のターゲットだ。水深は20~30mがメインステージになる。50cm級の大型を求めて2日(木)に出掛けた。

『大漁荘』看板前広場が、集合場所兼駐車場

館山自動車道路・鋸南保田ICで降り、2、3分で船宿に着いてしまった。私は、いつも船宿の近くでお弁当を買う事にしているのだが、ICから船宿の間が近すぎてコンビニが1軒も無く、慌てたが国道127号線を保田駅方面に戻った所にありホッとした。
127号線沿いの釣具店の大きな看板の右前方に、『大漁荘』の看板が目に飛び込んで来た。そこが『弥生丸』の集合場所(受け付け)兼、駐車場になっている。乗船30分前に船宿のワゴン車が来るので、受け付け(乗船名簿記入)を済ませ、クーラー等を車に乗せれば港まで運んでくれる。船の係留場所は、少し南に歩いて行った所にある。この日は、ゴールデンウイークを保田の別荘で釣り三昧と決め込んだと言う3人組が左舷に並び、右舷には私と千葉市から来た大和田さんの合計5人が乗船、定刻の午前6時に網代竜弥船長の操船で出港した。

待合所兼駐車場
舵を握った諏訪竜弥船長
仕掛け図

“置き竿釣法”で船中第1号が…俗に言う「スミイチ」でトホホ!!

釣り場は、港から航程10分もかからない保田沖。生憎、朝から小雨が降っていたが、海上はベタナギ。千葉県の景勝地で知られる鋸山が目前に凛とそそり立っている。エンジン音がスローになると、「入れて下さーい。水深は30mでーす。タナは下から4、5m巻いて下さい」と、船長からのアナウンスでスタート。
沖アミをハリに刺し、コマセを振り、タナを合わせる。「誰が最初に釣るか?」「型はどうか?」。緊張の瞬間だ。10分、20分沈黙の時間が過ぎていく。カメラを構えて待っている小生は拍子抜け。30分も過ぎた頃、痺れを切らせて早々に竿を出した。コマセを振って、タナを5mに合わせ、竿をキーパーに掛けて“置き竿釣法”で仲間入り。再度船中を見て回ったが、事態は変わらない。「釣れない日に当たってしまったか…」。そんな思いが脳裏をよぎる。ひと回りして自分の置き竿を手に持ち、何気なく聞き上げた時、モゾモゾッと竿先が揺れた。「あれー、何か掛かっている」。待望のクロダイか? 半信半疑でリールを巻くとギュギューン!ギュギューン!と何度も竿先が海中に突き刺さる“三段引き”に“本命”と確信。竿の弾力を利用し、リールを巻いたり、止めたり慎重にやり取りしてビシを掴むと、海面に顔を出したのは良型のクロダイだ。それも船中第1号のオマケ付き。計測すると44cmのグッドサイズ。「してヤッタリ!!」である。

船中第1号の44cm
仲村さん流石の貫録
堀田さんも粘り勝ち

習志野市の仲村さんが絶好調!

その1尾合図の様に、左舷大ドモ(船尾)の習志野市の仲村恒夫さんから「来たよー!」の声。慎重にリールを巻いている。時折強い引き込みでリールを巻く手が止まる。隣から差し出されたタモに収まったのはやはり45cm級の良型だった。すると5分もしない内に「来たよー」と又仲村さん。一人気を吐く。間もなく、左舷ミヨシ(船首)の千葉市の堀田光雄さんから「こっちも来たよ」。まだ仲村さんの写真を撮っている最中。「ゆっくり巻いて待ってて!」と言って、飛んで行ったら“三段引き”を楽しみながら巻いている。無事にタモに納まってホッといした。
更に仲村さんは、47cmの大型を取込んで絶好調だ。隣の小金井市の中井淑朗さんは、「夕べ別荘で飲み過ぎた」と言って、調子が上がらず、専ら仲村さんのタモ係。更に仲村さん、苦戦する他の人を尻目に5尾目をゲット。そこで仲村さんにタナを聞くと4mとの事。早速ミヨシの堀田さんに話すと、すぐに結果を出した。「来たよ!!」。しかし、慎重に巻き上げて来たが、釣れて来たのは40cmオーバーの大アジだった。計測の結果、44cmの幅広ビッグで、嬉しいゲストだ。写真のポーズも決まった。

タナを4mにして直ぐにヒット
44cmの大アジ
デカイ!“三段引き”を堪能した
鋸山が目の前

「重い、早くしてくれー」
釣りの前日のお酒は控えめに
帰りにサッパリするのも!

“餌取り”に閉口。大切なのはリズムと根気?

遠くに神奈川県・久里浜の東電の煙突が見え、空にはやっと太陽が顔を出し、鋸山の新緑の山肌が眩しい。間断なくコマセを撒いて上げてくると、付け餌の沖アミが無くなっている。“餌取り”が激しくて閉口する。タナを替えたり、コマセの振り方を替えたり、仕掛けの長さを替えてしてみたが、“餌泥棒”は相変わらずで、手の施し様が無い。右舷側は全く蚊帳の外。左舷の“別荘仲間”は順調で、中井さんも「両目が開いた」と嬉しそうだ。その後も仲村さんは好調に釣れ続き、終了間近に3尾を追加し“ツ抜け(2桁)”を達成した。“餌取り”を掻い潜り、自分流のリズムと根気で釣った結果が出たと言う事か。

仲村さんのタモ係じゃないよーだ
一人気を吐く仲村さん
船を降りると、洗面と手洗い
タオルが有り難い

竿頭は仲村さんの10尾!

船は、終日港の前を流しっ放し。潮の弛んだ時は喰いも落ちたが、仲村さんはコンスタントに釣り上げ、ダントツの10尾で最大は47cm、2.4kg。次は堀田さんの3尾。ゲストにカワハギやアジ(44cmの特大込み)。
潮温が上がり、抱卵したクロダイはドンドン浅場に乗っ込んで来るこの時期。貪欲に捕食するので釣りやすい時期でもある。水深も20~30mの浅場なので、引きの強さも半端ではない。脂の乗った抱卵クロダイ。まだ暫くは、数・型共に楽しめる。期間限定の釣り物だけに出掛けるなら今でしょう!

(釣りビジョンAPC:飯妻武夫)

今回利用した釣り船
千葉県保田港『弥生丸』
千葉県安房郡鋸南町大六79
TEL:0470-55-0747
詳細情報(釣りビジョン)
弥生丸ホームページ
出船データ
クロダイ五目:予約乗合船
アミコマセ、沖アミ1.5kg、氷付き
集  合:午前5時30分集合6時出船、沖上り13時
乗合料金:9,500円
貸 道 具:無料
仕 掛 け:自家製300円
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