今回実釣能力を検証したのはミノー。ダイソーで買ってきた5cmのフローティングミノーだ。サイズ的には渓流用というイメージだが、トラウトをはじめフィッシュイーター全般に使えそうだ。ボディー断面が丸っこいタイプなので、フラッシングはあまり強そうではない。今回、予定としては神奈川県の芦ノ湖でテストするつもりだったが、ものすごい強風で断念。そこで、比較的近くにある名門管理釣り場「東山湖フィッシングエリア」で、急遽インプレさせていただきました！　ありがとうございます。

管理釣り場でのインプレなので、まずはルアーのトレブルフックをシングルバーブレスに交換。しかし、このスプリットリングが、ちょっと個性的だった。
「あれ？　オレ乱視が進んじゃったかな？　スプリットリングが三重に見える……」
　いや、乱視ではなかった。普通のスプリットリングは切れ目と切れ目がぴったりと同じ位置で切られていて、どの部分であってもワイヤーが二重になっているものだ。しかし、このミノーのスプリットリングは、少し長さに余裕を持たせたかったのか？　切れ目が合わさる部分だけ三重になっている。正直、フックを取り換えにくいし、さすがにその部分だけ幅が広すぎるような。まあ、税込110円だから、許せる範囲だけどね。

まずキャスタビリティーに不満はなかった。形状的にも空気抵抗を受けにくそうなので、かなりの距離飛んでくれた。そしてアクションは、バランスのいいウォブンロール。ボディーの中央を支点としてタイトな幅でウォブリングしつつ、軽いローリングも伴う、ミノーの王道ともいえるアクション。トゥイッチすると派手に左右にダートする。なんだかほめ過ぎ？　いや、このミノーができすぎなのだ。釣れそうな気がする。早引きしたり、トゥイッチを加えたり、動きに関しては文句なし。ただ、それが釣れるかというと、それはまた別の話だ。

管理釣り場というのは、なかなか残酷な場所で、ルアーによってとんでもない釣果の差が出てしまう。一見、釣れそうな動きのこのミノーだけど、なかなかアタリが出ない。やっぱり所詮は100均のルアーなのか？　意識的に深めのレンジにまで潜らせてゆっくり巻いてみる。その時気が付いた。このミノー、超スローで巻いても、しっかり動いている。これにピンときた！　それからひたすら超スロー引きに徹すると、アタリが頻発！　後ろからついてきて迷った末に喰いついたり、衝動的に横から喰ってきたような感触の魚もいた。そうだな、その襲われ方がビッグベイトみたいだ。たった5cmのミノーなのに…これは小さな巨人か？　ラスト20分くらいでアタリ多数。3発乗って、3発目は45cmクラスのニジマスだった。
「くぅ～、よく引くぜ！」
でも、ファイト中にスプリットリングが伸ばされる心配はない。三重になっているくらいだからきっと強いはずだ。実質1時間半ほどしか使ってないから大きなことは言えないけれど、とにかくこのミノーのスロー引きだけは、武器になりそうな気がした。