小倉丸・千葉県千田港
千葉県・南房、千倉沖に“秋ダイ”シーズン到来!
何と、横浜から1時間50分!
千田港は千葉県の最南端・野島崎の北東側、房総半島の中では首都圏から遠い港の一つだ。しかし、館山自動車道路を利用すると意外なほど時間が掛からない。横浜からだとアクアライン経由で何と1時間50分(勿論、制限速度厳守!)。まだ真っ暗な午前4時半頃到着すると誰もいない。電話予約時に座席を指定できるから「ゆっくりでも安心」と言う訳だ。5時前、受付所に明かりが灯ると徐々に釣り人が集まり出し、暫しお茶を飲みながらの釣り談議。東の空が白みかけたのを確認して小倉眞(まこと)船長の誘導で港に移動した。
強風とウネリの悪条件、“手前マツリ”に苦しむ
港は受付所から徒歩1分。準備が整って5時30分、「第二十三小倉丸」は8人の釣り人を乗せて出港した。港の外は思っていた以上に風とウネリが残っていた。15分程走って、船長は最初の投入合図を出した。「タナは20mから19m」。私は左舷胴の間(中央)で竿を出した。しかし、10mの長ハリスを扱うのは久し振りの上にこの強風。最初から“手前マツリ”に苦しめられる。ロッドキーパーの糸止めを利用して何とかクリアしたが10分近くもロス。何ともお恥ずかしい。
イサキは上がるが“本命”が…
最初に竿を曲げたのは、右舷胴の間に座った丸偉夫(ひでお)さん(富津市)。しかし、マダイの引きにしては軽すぎる。上がって来たのはイサキだ。左舷トモ(船尾)の田坂紀明さん(四街道市)も竿を曲げた。強い引きに「もしや」と思ったが、イサキの一荷(2尾)。私を含めて上がってくるのはイサキばかり。これはこれで嬉しいゲストに違いないが…。そんな時、丸さんがやり取りを始めた。明らかにイサキとは違う引き込みに、周りも本人も「これはタイだろう」。しかし、上がったのはショゴ(小型カンパチ)だった。船長は「餌取りが集まらないように」と、小まめにポイント移動を繰り返すが…。赤色に輝く“本命”は一向に顔を見せてくれない。
待ちに待った“本命”のマダイをゲット!
やっと来た!待ちに待った“大本命”。竿を曲げたのは、川崎雅敏さん(地元・南房総市)。慎重にやり取りしてタモに納まったのは1kg見当のマダイ。この後、船長の「来てるよ」の声を聞いて右舷に駆け付けると、島田勝美さん(南房総市)がファイトの真っ最中。上がって来た魚を見て、本人も“ギャラリー”もビックリ。その正体はヤガラだった。ヤガラは刺し身良し、吸いものに良し、希少性ゆえにほとんど市場には出まわらないが、知る人ぞ知る“垂涎の高級魚”。そんな事は島田さん百も承知。二枚に捌いてミヨシ(船首)の釣り人と分けて持ち帰った。
他の釣り人も「めげずに、また来いよ」
2尾目のマダイも川崎さんが釣り上げた。結局、マダイはこの2尾だけだった(巻頭写真)。私の釣果はイサキが5尾。船長は納竿の合図を出しながら「“オデコ”を出して申し訳ない」とアナウンス。いかにも実直な船長らしい言葉だ。港への帰路、船長は「今日は沖からの潮が入った。来週は陸側からの濁り潮に変わるから期待できる」と、見通しを語ってくれた。他の釣り人も「大自然が相手だから、こんな日もある、めげずにまた来いよ」と声を掛けてくれた。台風シーズンでムラはあるが、千倉沖に本格的な“秋ダイ”のシーズンが到来した事は間違いない。
(釣りビジョンAPC・谷口 晴治)
今回利用した釣り船 |
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千葉県千田港『小倉丸』 〒295-0025 千葉県南房市千倉町千田991-3 TEL:0470-43-8355 詳細情報(釣りビジョン) 小倉丸ホームページ |
出船データ |
乗合料金:午前船:1万円 午後船:9,000円(付けエサ・コマセ・氷付) 出船時間 午前船:5時集合 5時15分頃出船 沖上り:11時30分 午後船:13時 沖上り:17時頃 定休日:第2・4水曜日 貸道具:無料 |