儀兵衛丸・神奈川県長井港
親子やカップルでハッピー！神奈川県・長井沖の“ショートカワハギ”

釣り場は港前　直ぐに投入合図

午前の出船は7時丁度。少し余裕をもって6時10分に到着すると、先客は4人（男性2人とカップル1組）。私は空いている左舷ミヨシ（船首）に席を確保した。その後、男性1人とカップルがもう1組来店して総勢8人が集まった。定刻7時キッカリに梶ヶ谷泰宏船長（弟船長）の操船で出船した。釣り場は港前一帯。僅か5、6分で到着。すぐに投入合図が出た。水深は18m。

「以前取材に来た人は本当に上手だった」

私がカワハギ釣りをやったのは20年以上も昔の事。釣り方などほとんど忘却の彼方だ。ここは、上手な人の技術を見ておく方が得策と、カメラを小道具に右舷側から一人ひとり観察することに。竿を細かく震わせる人、ジーっと竿先に集中して反応を待つ人、ゆっくり仕掛けを上下する人など様々だ。するとその内の1人が、「以前取材に来た人は本当に上手だった」と。私にとっては一番痛いところを突かれた。ここは得意技“笑って誤魔化す”を使ってしのいだ。

待ちに待った入れ喰いタイムに突入

船長は、アタリがないと見るや、即移動する。3か所ほど探ったが、上がってくるのはベラやキタマクラなど“外道”ばかり。たまにカワハギが上がるがリリースサイズだ。左舷トモ（船尾）の釣り人もいきなり2尾連続で掛けるがリリース。「2週間前は20尾以上釣れた。そのほとんどが25cmクラスでワッペンサイズはほんの4、5尾だったのに…」と首を傾げる。そんな中、右舷胴の間の和泉まりかさん（相模原市）の竿が小気味よくカンカンカン！と叩かれた。キープサイズとしては船中第1号。間を置かずそのミヨシ側に座った寺島晶代さん（川崎市）がダブル掛け。隣の長沢幹也さんにも良型が来た。いよいよ待ちに待った入れ喰いタイム突入だ。

2打席連続ヒット！自分の才能が恐い？？

こうなると私も落ち着かない、取材そっちのけで竿を出す。1投目からコツコツとアタリ。「カワハギは頭を海底に向かせて釣れ」と教わったのを思い出す。竿を一旦送り込んでから聞き上げるとゴンゴン！と結構な引き。途中で竿が引き込まれる。良型が釣れてすぐに2投目にかかる。またもや同サイズだ。2打席連続ヒット。自分の才能？？が恐いと思った、この時は。すると何やら右舷側が騒がしい。駆け付けると、和泉さんとお隣の興膳（こうぜん）隆弘さん（相模原市）が仲良くダブルヒット。“ハッピースマイル”を写真に納めた（巻頭写真）。

人気の理由は「家族や愛する人と沖釣りが楽しめる」

楽しい時間は、アッという間に過ぎる。11時に船長から「餌を付け直して下さい。これが最後になります」とアナウンス。
最終結果はトップで35尾ほど。その内半分近くはリリースだったが、良型の強い引きを全員が堪能したのでは。ところで私の方は尻すぼみの5尾。ワンパターンでは釣果が伸びないことを思い知らされた。「釣り方の引き出しを増やす」という宿題が残った。噂に聞いた“ショートカワハギ”。人気の理由は、近い・軽いタックル・格安な料金ということもあるが、何より家族や愛する人と一緒に沖釣りが楽しめるということでは。帰港したのも束の間、11時30分、泰宏船長は午後船を待っていたカップルを乗せて沖に引き返した。

※カワハギの捌き方、キモ乗せ、煮付けの作り方については、梶ヶ谷泰宏船長による動画解説があります。2011.9.15号を参照して下さい。

（釣りビジョンAPC・谷口　晴治）

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