2023年05月13日公開
東京に住んでいて「釣り」でよかったのは、富士山が見える、様々な魚が対象の乗合船がある。そして荒川、江戸川、利根川が流れ、巨大な淡水魚釣りが楽しめる事だ。それも1mオーバーが高確率で釣れるのである。荒川で手長エビやハゼなどの釣りに出掛けたことのある人なら、時折巨大な魚のハネやモジリを見たことがあるはず。流心で派手にジャンプするレンギョ、デカイ音のコイ、一際大きく背ビレや尾ヒレを見せてもじるのがソウギョだ。今回は、この大きなソウギョを狙ってみた。結果、GWの最中の2回釣行で、105cmを2匹釣る事が出来た。必ず釣れる魚ではないが、コツも含めてレポート!!
どこにソウギョはいるのだろう。ポイント探しの肝は?
「どこで釣れるのか」が釣り人の一番に気になるところだが、荒川の場合、葛飾区・堀切辺りから上流ならどこでも釣れる可能性がある。ソウギョ釣りのポイントは岸辺の葦が目印で、潮の高い時に葦を食べに来てその跡が出来る。因みに、ソウギョの場合は餌場をテリトリーにしているので、潮が低い時は近辺の深みで待機しているようだ。
今回の釣り場は2日で2ヵ所。結果は105cmが2匹!
今回は1日1ヵ所ずつ、2日で2ヵ所を狙ってどちらも105cmが釣れた。最初に釣ったJR京浜東北線の鉄橋下流のソウギョは20kgの秤では測りきれない太さだった。秤を持参するのなら50kgまで測れるものが必要かもしれない。荒川の場合、ポイントは至る所にあり、葦をテーマにしたマイポイント探しも楽しいと思う。時折コンクリート護岸から釣れることもあるが、これは偶然掛かったケースが多いようだ。
バランスが肝心。タックル&仕掛け選び
魚が大きいのでタックル選定は重要だ。高級品である必要はないが、バランスの取れたセッティングがキモだ。ロッドは硬めの小継ぎ磯竿3-39、リールは3000クラスに透明のナイロン4号を150m、ハリはコイスレ12号、ウキは自立タイプを使用する。このタックルでは20kgオーバーを狙うには華奢に感じるかもしれない。しかし、食わせる事と釣り上げる事の両方を考慮すると、丁度いいバランスだと思う。ドラグはリール引き出しで700gにセットし、竿の角度とスプールを抑えることでコントロールする。
今回のソウギョとのファイト時間は8分と7分。以前は8ftの柔らか目のルアーロッドに、PE1号、リーダー20LBを使っていた。しかし、荒川に多い乱杭掛かりや一気に走られてしまうこともあり、タックルは穏やかにやり取りの出来る磯竿とナイロンラインに落ち着いている。リリースが前提なのでファイトは10分以内、陸上3分以内。この手早いリリースを心掛けている。
仕掛けは透明ナイロン4号のハリまでの通しで、自作の自立ウキをウキ止めなしにした完全フリー。パン餌を水面から水面下50cmほどの間の水深で流すのにはナイロンがいい感じだ。フリーウキにすることにより食い込みが良くなる気がしている。ハリは水面の時は軽めのオーナーコイスレ、少し沈める時は太めのがまかつコイスレで。
重要なタックルの一つが玉網だ。以前は軽さが気に入って、トラウト用折り畳みランディングネットを使用していたが、これまでに2本破損。20kgオーバーが取り込みで暴れると、玉網の強度が重要になる。現在は磯用ステン50cm枠に深さ約70cmのラバーコーティングネットをしようしているが、枠がそろそろ壊れそうだ。購入する時は大きさだけでなく強度も考慮することをお勧めする。
餌と必要なもの
夜間、満潮時に岸辺に寄っているソウギョなら葦の葉でも釣れる。しかし、日中の潮位が低い時にはパン餌が有効な気がする。当然ソウギョを寄せる事が必要で、食パンを小さくちぎりながら、絶え間なく1時間に1斤使うペースで撒いて誘い出す。
この釣りに必要なものの一つにレジャーシートがあげられる。理想はカープシート。魚体保護だけでなく、魚の移動にもこれがあると楽だ。抱きかかえて記念撮影をするのなら、着替えを用意したほうがよいかもしれない。かなりぬめりがあるので抱き抱えるのに勇気が必要だ。
釣り方とファイト、そして取り込み
磯の本流釣りと全く同じ。ソウギョは日中、餌場テリトリー近辺の沖目の流れにいるようなので、パンを切れ目なく撒き、仕掛けはこの流れるパンの筋に入れて流す。コマセのパンが効いてくると、まずコイがポコッという感じで食ってくる。コイも本流は大きく、アベレージ80、90cmオーバーもいるはずだが、中々掛からない。基本は水面にパンを流すのだが、目立つ反応がない場合は、パンの柔らかい部分を固めて水面下50cm程度を流すこともある。
ソウギョが寄ると魚体が大きいので水が撚れ、活性が高いとヒレが見え、餌のの周囲を回りだす。そこで動かすと水の泡になるので我慢し、糸にテンションが掛かった時点で軽く合わせる。強く合わせると一気の走りを誘発してしまうので、乗せる感じで合わせてファイトに入る。
急激なテンションを掛けなければ、ソウギョは比較的楽に近くまで寄ってくる。コイと違って潜らないので、ドラグを信じて足元まで寄せて、魚が釣られていることに気付く前に一気に玉網ですくう。過去に110cmが3分で上がった。ただし、玉網入れに失敗すると一気に沖に走ったり、ローリングが始まって長時間のファイトになってしまうので、玉入れはソウギョ釣りテクニックの重要な部分だ。
餌盗りは鳥。カモ、オオバン、カルガモも寄ってくるが、ソウギョとコイはこれらを恐れないようで問題なく釣れる。嫌うのはカラスのようで、カラスが寄っている時は撒き餌、付け餌ともに水面下約50cmに流れるようにする。
パンソウギョ釣りのコツまとめ
・岸辺の葦にソウギョの喰い跡を見つける
・コマセパンは切れ目なく撒く
・潮目(撒いたパンがたまるところ)で喰う
・ファイトは優しく
・一気に玉網ですくう
・120cmオーバーもいる