釣りビジョン

2014.4.15号

深川 吉野屋・東京都深川
江戸前の高級魚・マゴチ、サクラと共に満開!

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春になると、産卵のため浅場に乗っ込んで来る東京湾・江戸前のマゴチ。東京・深川の『深川 吉野屋』が3月15日から乗合船をスタート、初日から66cmが出て好調との情報。昨年“オデコ”を食らった敵討ちとばかりに、雪辱を果たさんと5日に出掛けた。

粋な深川は待合所も粋な佇まい

東京・深川と言えば、江戸時代から下町の情緒溢れる粋な処と言われているが、『深川 吉野屋』の待合所、乗船場の造りも江戸情緒タップリだ。横浜から高速湾岸線→首都高速深川線・枝川ICを降り、午前6時過ぎには船宿に着いた。待合所が開くまで、早く来た順にクーラーを乗船場の前に置いて釣り座を取るシステム。近いからと自転車でやって来る釣り人もいる。“開店”を待っている間、目の前の平久公園の満開の桜が目を楽しませてくれた。

ここが新田橋際の待合所、“開店”時には粋なノレンが掛かります
受付兼乗船場の入口、ここにクーラーやバックを順番に

目の保養をしながらポイントへ

その日の釣り物の船場所が書かれている
釣り人8人が順番に釣り座を取った。左舷ミヨシ(船首)の2人連れ、丸山大祐さん、吉田友尚さん(共に板橋区)はマゴチ釣りは初めてと言う。佐久間誠船長が出船前に、餌の付け方、釣り方をレクチャーしてくれ、いよいよ出船。深川の細い掘割を抜け、しおはま橋や辰巳水門を潜ると後方に東京スカイツリー、隅田川沿いの桜も目を楽しませてくれた。船はオモ舵(右)を取って岸寄りに進んだ。アレッと思っている内、舳を築地中央市場の岸壁に着け、餌にするサイマキ(小型クルマエビ)をここで受け取り、直ぐ離岸。佃島やレインボーブリッジ、羽田空港を過ごし一路、房総半島・大貫沖のポイントを目指した。

マゴチ船はこの船です
佐久間誠船長がマゴチ釣り初めての人にレクチャーしてくれる
桜や東京スカイツリー、目の保養しながら釣り場へ

サイマキのつけ方とタナ取りがキモ!

配られたサイマキの餌付けだが、この付け方がキモなのだ。ケンと呼ばれるエビの目の上の尖った角を少し折り捨て、口からハリ先を刺し、ケンのあたりにハリ先を出す。エビの頭の黒い部分に刺すと死んでしまう、マゴチは死んだ餌は喰わないので慎重にしたい。そしてサイマキが這うような位置にタナを取ることが釣果を上げるキモだ。

餌のサイマキは5匹付き、後は1匹100円で購入する
タナは餌のサイマキが海底を歩く様な状態に合わせる
餌付けが肝心、エビを殺さないよう素早く、丁寧に着ける

朝の内は、喰い渋り

9時前、千葉県側に“東京観音”と呼ばれる大貫観音、神奈川県側には三浦半島・観音崎灯台が見える場所でストップ。佐久間船長の合図でハリに付けられたエビは15号のオモリに引かれて海中に消えた。水深は13m。オモリが底を叩いたら1mほど巻き上げる。左舷大ドモ(船尾)には、初出船に乗って66cmを釣ったと言う飯口弘己さんが、2匹目のドジョウならぬ大マゴチを狙って竿を出した。隣で連れの関根茂さんが(共に江東区)、「1尾でも釣れればいいんです」と、胴にかかる軟らかい竿を出した。右舷ミヨシの渡辺和人さんは東京・調布から来たと言いい、胴の間(中央)の小林克博さん(川口市)等とたまにサイマキに抱きついてくるスミイカやシリヤケイカを狙ってイカ用の仕掛けも用意。トモ(船尾)は濱上敏治さん(練馬区)。私は空いていた左舷の胴の間に座った。1投目は全員にアタリなし、佐久間船長から移動の合図が出た。

なかなかアタリがないなあ
餌のサイマキに抱きついてきたゲストのシリヤケイカ
こちらもアタリがありません、アタリよ来い!

船中1号はマゴチ釣り初めての人に

移動して間もなく、小林さんが痛恨のバラシ。その直後左舷ミヨシの丸山さんが竿を大きく竿を煽った。黒い竿が弧を描きグイグイ引き込まれる。船長が素早くタモで掬った。50cmオーバーがタモの中で暴れた。右舷トモの竿が大きく弧を描いたが引き込みのない重み。海中でイカがサイマキに抱きついているのが見えたが、タモを出すとスーと離れて墨を吐いて海底に消えた。私も竿を出した。マゴチ竿に15号の鋳込みテンビンオモリ、1.5mのハリス、餌をつけ、タナ取りして竿掛けへ掛ける。カメラを持って動き廻っていると佐久間船長が「喰ってるよ!」と教えてくれた。慌てて席に戻り、大きく合わせるとグイグイと心地よい引きこみ。船長の差し出してくれたタモに納まったのは50cm級だ。船中2番は置き竿に喰ったのだ。飯口さんは頭だけ残したエビを持って「バレた」と悔しそう。

初めてマゴチに挑戦、見事ゲット、それも船中一番で
鋳込みテンビンオモリと仕掛け
(左が深川 吉野屋特製)
仕掛け図

60.5cmの大型ゲット!!

観音崎寄りの17m立ちに移動した10時半過ぎ、関根さんと飯口さん同時にヒット、カメラを構える暇もなく茶褐色の魚体が甲板で暴れた。その10分後、「裏で当たってるよ」という声にカメラを持って跳んでゆくと、小林さんがタモの中で暴れているビッグサイズと格闘していた。「デカイ!」、すぐに船長がメジャーで測ると60.5cm。この日一番の大物だった。そしてまた私の置き竿がクンクンとやってる。竿を持って引き込みを待つ。合わせのタイミングを待つ時間がマゴチ釣りの心躍る瞬間だ。ギューと引き込むのを待って大きく合わせる、グイグイ引き込む、魚の引きに合わせてリーリング、2尾目が釣れた(釣ったではない)。直後、関根さんが大きく竿を煽った。カメラを構えると「イカだよ」と言っているうち竿がはぜた。更に右舷でトモで「バレた」、「イカだ」の声。しかし、風も凪いで潮が弛んで来るとアタリも遠くなった。

やっと来ましたよ、マアマアサイズ50cmあるかなァ
同時に来たね!俺のもイイサイズだよ

ハイライトは潮変わりの前後

ウーン当たってる、バレルなよ
潮が再び動き出した1時過ぎ。トモの飯口さんにアタリ。タイミングを計って合わせると小気味よい引き、釣れたのはブルーの鰭を大きく広げたホウボウ。嬉しいゲストにニッコリ。そしてその10分後、私も含めた左舷4人同時にアタリ。関根さんとミヨシの丸山さんが取り込んだ、飯口さんと私は痛恨のバラシ。
丸山さんは1尾目を釣って間もなく船酔いしてしまい、ほんの少し前に船酔いが治り、再び竿を出した途端の快挙。それも50cmオーバーの良型。私は映像を撮り損ねた上に、バラしてしまったのに…。餌を付けて入れ直した竿に直ぐアタリ。今度は慎重に引き込みを待って合わせをくれ、3尾目をタモで掬ってもらった。またまた飯口さんと関根さんにアタリ。しかし関根さんはタモ取りの際、タモに入らずバレてしまった。その間にも再び私の竿にアタリがあり、船長が引き込みを見て一気に抜き上げてくれた。

ゲストのホウボウ、鰭がブルーで綺麗でしょう
船酔いが治って直ぐ釣れました、「申し訳ない」
エヘヘ、釣っちゃた2尾目

南風に変わり、アタリあるも喰い込まず幕!

スパンカーを畳んだら、帰港です
2時を過ぎると強い南風が吹き出し波が騒ぎ出した。皮肉にも風でアタリがわかり難くなったら頻繁にアタリが出る様になった。だが、喰い込みは悪く、餌を取られるばかり。それでも小林さんとトモの濱上さんが40cm級を取り込んだが、沖上がりの時間となった。
全体の釣果は船中15尾。トップは何と私の5尾(釣ったのは2尾、後は釣れたが3尾だったが、昨年の無念を晴らせた)、後は3尾、2尾、1尾と続きオデコが2人。型は60.5cmを頭に大半が50cm級で50cm以下は数尾。今シーズンも好調!の期待を抱かせてくれるに十分な成績だった。

(釣りビジョンAPC・倉形 金幸)

今回利用した釣り船
東京都深川『深川吉野屋』
〒135-0042
東京都江東区木場6-12-7
TEL:03-3644-3562(定休日:毎週火曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
深川吉野屋ホームページ
出船データ
(料金)
男性・9,500円、女性&高校生・7,500円、中学生以下・5,000円
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