釣りビジョン

2010.6.1号

利八丸・千葉県勝山港
勝山沖のマルイカ、浅場で釣れ出す!

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早いところでは2月頃からスタートしたマルイカ釣り。当初は、水深80m前後が中心だったが、いよいよ20~30mの浅場でも釣れる時期になった。5月19日、千葉県・内房、安房勝山港『利八丸』の乗合船に乗ってみた。

南西の強風14mでも問題なし!

釣りの対象となる“筒イカ”の中で値段、食味共最上級とされるケンサキイカだが、マルイカはその“子供”である。
この日は、朝から南西の強風、途中の東京湾アクアラインの表示では風速14m、出船出来るのか心配になった。しかし、午前4時30分に到着すると、既に7人のマルイカファンが集まっていた。早速女将さんに話を聞くと「この風なら問題ないでしょう」と涼しい顔。

利八丸
マルイカ
大漁!関東沖釣り爆釣会ロケにて 前列左側が女将さん

最初の釣り場は、勝山港の目の前

画像右側が浮島、左側に勝山港
『利八丸』の乗船場には、“ガツガツ”とした朝の港特有の張り詰めた空気感はなく、何とも和やかな雰囲気。
午前5時の出船時刻、好調が続くノッコミのマダイ船と2隻が出船。マルイカ船の舵を握る舟宝康弘(ふなとみやすひろ)船長から「ポイントは、すぐそこですから、仕度しておいて下さいね。反応が中層に浮いている時は、タナを言いますから合わせて下さい」と丁寧にアナウンスがった。
次の瞬間、「ハイ、やって下さ~い。水深20m、いい反応が出ていますよ」。何と最初の釣り場は、港口と浮島の中間地点(港口から500m程)。正に目と鼻の先で、心配した強風は、丁度浮島がブロックする形となりベタナギに近い状態。女将さんの余裕はこういう事だったのかと納得した。

仕掛けのセレクトは自由に!

“直ブラ”仕掛け
船中を見渡した所、“直ブラ”、“直結”を中心に1人だけハリスの長い“ブランコ仕掛け”を使っている人がいた。オモリは30号。最初のアタリは“直ブラ”を使った左舷胴の間(中央)の釣り人。ほぼ着底と同時に乗って来たようだ。他の人達にもポツポツと型が出始め、「足だけだった!」とか「スッテにスミが付いて来たよ」などマルイカとの駆け引きが始まった。最初の反応はすぐに消えてしまい、船長はマルイカの反応を探し始めた。釣り場は、勝山前から保田沖、金谷の手前くらいの間で、いつでも浮島が視界に入る距離だった。
なかなかまとまった反応が出ないようで、小さな反応を探って行く感じ。その度に誰かしらの竿が曲がり、マルイカが釣れてくるが、1回の流しでイカが乗ってくるのは最初の投入だけで数が伸びない。仕掛けの違いにも大差はない。

着底と同時にマルイカがヒット
残念なマルイカの足だけ
ムギイカも結構交じった

3年振りのマルイカ釣り

直結仕掛けにも
出船から2時間程取材に集中して、その後道具を出してみた。マルイカ釣りはあまり経験がないので、船長が入門者に薦めているというハリスの長い“ブランコ仕掛け”を使用した。
浮きスッテのサイズ5cm、5本ヅノのオーソドックスなスタイル。釣りに参加したのは保田沖。間もなく隣りの釣り人のスッテにカタクチイワシが釣れてきた。どうやらイカはこれを狙っている様だ。
私も仕掛けが着底すると2m底を切り、大きくひとシャクリ。竿先を海面に向けて10秒程数えてきき上げると、軟調ロッドの穂先が絞り込まれ、全長15cm程のムギイカ(スルメイカの“子供”)が上から2番目のスッテに掛かっていた。その後ムギイカを3尾釣った所でようやく“本命”のマルイカが登場。20cm級と小ぶりだったが、凡そ3年振りに釣ったマルイカは美しく透き通っていた。

ダブルヒット
ブランコ仕掛けにヒット
周年イカ専門に狙うお客さん

勝山前で好反応!

マルイカタックル図
午前9時頃、勝山前に戻って船長から投入合図が出された。水深は20m。オモリが着底する前に仕掛けが止められ竿先に“フワフワ”とした感触が伝わった。キュッと竿を立てるとグゥーッと重い。上げてみると下から2番目のスッテに全長25cm程のマルイカが付いていた。ここから一気に“ラッシュ”がかかり、ムギイカとマルイカが連続で釣れて来た。正に“入れ乗り”状態が2流し続いた。しかし、その後は、再び小さな反応を見つけてはの拾い釣りが続いて、午後1時の納竿時間になった。結果は15~25cmのマルイカ17尾とムギイカ13尾を釣った私がトップで、マルイカ16尾の方が2人いた。船長の話では、少し“いい群れ”に当たれば、後半の“入れ乗り”状態が続くとのこと。まだしばらくは期待しても良さそうだ。

ノッコミマダイも依然好調!

さて、港へ戻るとマダイ船の乗船者が大型クーラーボックスに群がっていた。中を覗き込むと見事な大ダイが3尾。女将さんがハカリに乗せると、最大は4.2kg。この大ダイを釣った人は、他に2.6kg、2.4kgも釣っており、1人で3尾の好釣果。それを見て「今日はマダイだったかな~(笑)」と常連さん。マダイ釣りは『利八丸』の周年の釣り物で得意分野でもある。マルイカ、マダイ共に大いに楽しみだ。

下から4.2kg、2.6kg、2.4kg
ノッコミマダイも好調キープ

この夏、新造船が就航!

この夏、利八丸では大型新造船が就航する予定。7月後半から8月の前半には出船出来るはず。こちらも是非お楽しみに!

(津端 雄大)

今回利用した釣り船
千葉県 内房 勝山港『利八丸』
〒299-2117 千葉県安房郡鋸南町勝山471-7
TEL:0470-55-3837(定休日:なし)
詳細情報(釣りビジョン)
利八丸ホームページ
出船データ
(船宿)勝山港『利八丸』=0470・55・3837
(料金)マルイカ船=氷付き8,000円
(午前5時出船、午後1時沖上がり)
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