福田丸・千葉県外川港
シーズン到来!外房・銚子沖「夏ヒラメ」
釣り人は8人、夜明け前に出港
『福田丸』は外川港の西側から回り込んだ最先端(Cと書いて筆が離れる位置)から出船する。集合時刻の15分前、午前3時45分前に到着すると、車が3台先着していた。船の真ん前にクーラーボックスが行儀よく並んでいる。4時キッカリに船に照明が入り乗船開始。前夜、船宿の番号札を取った人が優先、次にクーラーボックスを置いた順に座席を確保して行く。私は空いていた左舷ミヨシ(船首)に入った。釣り人は私を入れて8人。準備が整い4時45分『第二十一福田丸』は出港した。
湖のようなベタナギ 高まる期待
「釣り場まで20分程走りますよ」。福田稔船長のアナウンスが響く。港を出ると、太陽が昇り始めた。船は太陽を背に進む。海はベタナギ。まるで湖のようだ。“好漁”の予感に期待が高まる。ほどなくエンジン音がスローダウンして釣り場到着。早速、船の前と後にある生簀から、活イワシが配られた。
朝の「ひと流し」で船中10匹!
「朝が一番期待できる時間帯ですよ」と船長からのアナウンス。投入のブザーが鳴った。開始早々、左舷胴の間(中央)に座った大山文男さん(川崎市)がやり取りを始めた。「船中1号」はあっけなくタモに納まった。その次も、大山さんが上げた。先ほどより一回り大きい。続いてその隣の佐藤俊也さん(越谷市)にも良型が来た。さらに反対側から「こっちも来た」の声。駆け付けると右舷トモ(船尾)の富田史枝さん(練馬区)がファイトの真っ最中。動画を撮り終えると、ミヨシからも声がかかる。カメラ片手に右往左往。最初のひと流しで船中10匹のヒラメが上がった。
船長のヒントは「イワシの“泳ぎ”を竿先で感じるように」
右舷ミヨシ側に座ったのは、静岡県熱海市にある温泉旅館の厨房を預かる2人組。板長の工藤薫さんは、ヒラメ釣りのベテラン。ポンポンポンと3匹連続で釣り上げた。が、お伴の日吉友裕さんは、この日が初挑戦。苦戦を見かねた船長がイワシのつけ方、タナの取り方等を“手取り足取り”説明した後「イワシが元気に泳いでいるか、竿先で感じるように」とヒントを。
暫くして、その日吉さんがやり取りを始めた。先輩の工藤さんから「ゆっくり、慌てないで」。船長からは「工藤さん、ドラグ調整を見てやって」と声が飛ぶ。無事にタモ取りされて、“ギャラリー”から大喝采が起きた。日吉さんも弾ける笑顔で応えた(巻頭写真)。
イワシを離すなよ。早く喰い込め!
オデコ(釣果ゼロ)がいなくなったので、私も竿を出すことに。先ほど聞いた「船長のヒント」を参考にイワシを元気に泳がせることに集中する。暫くして日吉さんが2匹目を上げたと聞き、置き竿にして出掛けた。撮影から戻ると竿先がクイクイとお辞儀を繰り返している。これは“本命”に違いない。竿を手に「イワシを離すなよ、早く喰い込め!」と念ずると大きく引き込まれた。竿を立てて無我夢中でリールを巻いた。タモに入ったヒラメを見て、思わず「ヤッター!!」。
強い引きが楽しめる「夏ビラメ」のシーズン到来
最終結果は1~5匹。竿頭は大山さんと工藤さんの2人、4匹が3人だった。船長は「オデコなしで第一目標はクリアしたけど、こんなもんじゃあない…」と、少し不満気な様子。今回は場所によって春の濁り潮が残っていた。7月中旬には潮温が安定し、数も期待できるに違いない。いよいよ銚子沖に強い引きが楽しめる「夏ビラメ」のシーズンがやってくる。
(釣りビジョンAPC・谷口 晴治)
今回利用した釣り船 |
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千葉県外川港『福田丸』 〒288-0014 千葉県銚子市外川町1-10829 TEL:0479-22-5741 詳細情報(釣りビジョン) 福田丸ホームページ |
出船データ |
ヒラメ予約乗合 料 金 : 1万2,000円 集合時間 : 午前4時 出船時間 : 午前4時40分~5時00分 納竿時間 : 11時30分~12時00分 定 休 日 : 4月~11月の毎月第四木曜日 座席確保 : 前日夜9時までは船宿の番号磁石を取る(優先) 当日朝は白線内にクーラーを置く 宿 泊 : 素泊まり2,000円 |