まごうの丸・神奈川県茅ヶ崎港
神奈川県・湘南、茅ヶ崎の海はシロギスが真っ盛り!
潮温低下で喰い渋る
早朝、自宅がある横須賀市を出て葉山、逗子、鎌倉、江の島と海岸線に沿って茅ヶ崎港へ。7月1日に海開きしたとあって、逗子や鎌倉の砂浜には人影が多い。6時前に『まごうの丸』に着くと釣り人でごった返しており、駐車場もすでに車で一杯だった。店先で三橋勇樹店長が迎えてくれた。様子を聞くと「このところ好調でしたが、昨日から潮温が下がってしまい、釣果は落ちてしまいました。それでもそこそこは釣れますよ。潮温が直ればまた束釣り出来ると思いますが…」とやや歯切れが悪い。茅ヶ崎では船代と餌代は別で、自分が必要と思われる分だけ餌を購入するシステムだ。私は餌のジャリメを2パック購入した。
2隻出し!釣り場は目の前!
店先の魚種が書かれた木札の前に先着順に置いた荷物は、トラックで岸壁の船脇まで運んでくれる。この日のシロギス船は2隻出しとの事。私の乗った「第十八まごうの丸」の釣り人は12人。7時、三橋店長が自ら舵を握って岸壁を離れた。港を出ると直ぐに左に舵を切り、茅ヶ崎の名所・烏帽子岩に近い水深8mでスタートした。港を出て僅か10分だ。「餌の頭を1cmほど切って、2cmほど垂らして下さい」と船長からアドバイス。しかし、喰いはいまいちでメゴチとヒイラギが連発してすぐに竿上げの合図。
朝の内はアタリも遠く、50年来の同級生仲間も苦戦
平塚大橋が見える南西側に移動した。水深は12m。「やって下さい」の合図に一斉に仕掛けが海中に消える。右舷ミヨシ(船首)の服部正光さん(横浜市)は、「アタリがないね。たまにアタリがあっても喰い込まないよ」と潮温低下を証明するような呟き。地元の常連、角田喜弘さんも2本竿を巧みに操って誘いを掛けているが、「アタリがないね」と嘆く。胴の間(中央)に座った阿部行伸さん(大田区)は、トモ(船尾)から2番目の鈴木昌人さん(品川区)と大ドモの鈴木顕人さん(町田市)は、兄弟でシロギス釣りを楽しみに来たと言う。私は左舷のミヨシだ。2番目からは地元・茅ヶ崎の小学校から50年続いている仲間と言う事で船中紅一点の杉崎和子さんをはじめ、井嶋茂夫さん、弓萩栄一さん、桐山敏夫さんの4人組である。その隣は木宮則徳さん(奥多摩市)、トモは常連でベテランの野口尚彦さん(平塚市)。
気温上昇と共に口を使い出す!
「数日前より潮温が2、3度低いね。潮も行って(流れて)ないし」とボヤいていた船長だが、船を少し移動させてカケ上がりの縁を流し始めた。すると潮温が上がって来たのか野口さん、服部さん、角田さん等の竿が立ち始め“パールホワイト”の魚体が姿を見せた。時間の経過と共に杉崎さんが「釣れたー!」、井嶋さんが「やっと来た!」と20cm級をぶら下げる。ここで私も竿を出した。ミヨシなので軟調の2.4mの竿、15号のオモリ、天ビン仕掛けで全長90cmの2本バリ。置き竿にすると“クンクン”と竿先が持ち込まれ18cm級のシロギスが釣れ、掴むと冷たい。オモリもヒヤリと感じる。やはり潮が冷たいようだ。角田さんが「余り動かさない方がいいね」と言っていたが、正解のようだ。
活性化するも喰いは浅い
チョイ投げして誘いをかけていた服部さんも「アタリがあってもなかなかハリ掛かりしないね」と首をひねる。「ワー、折角喰っていたのに、軽くなっちゃた」は餌付けに苦しんでいた杉崎さん。「俺にはどうしてメゴチばかりなんだ」と鈴木昌人さん。黙々と2本竿を交互に上げていたのは野口さん。「もう30尾を超えたかな。でもアタリの分釣れてれば50尾近くはいってるね」と悔しそう。
釣り座に戻って誘いをかけると、ククンと頻繁にアタリは来るが、3回に1回は途中で軽くなってしまう。そこで餌の軟らかい部分を小さく付けてみた。ハリ掛かりはよくなったが、釣り上げても喰い込みが浅く、手元でポトリと落ちる。阿部さんはPEの細い道糸に手前マツリで苦しんでいたので1mほどナイロンの先糸を付けてあげる。暫くして「釣れました!」と一荷(2匹)でシロギスをぶら下げ、良型にニコニコ顔。
小まめな流し直しでアタリを拾う
「潮が行かないねー」と船長。南風に乗せて船を流す。「おお、デカイ!」と言う角田さんの声に振り向くと、服部さんが「これくらいのサイズが交じってくれなくちゃ」と23cm級を手にしていた。「こっちは又、ダブルで来ました」は阿部さん。トモの鈴木顕人さんのバケツの中もシロギスで埋まって来た。木宮さんも「久し振りに来た」とシロギスをかざしてくれた。井嶋さんの軟らかい赤い竿が弓なりになってシロギスを釣り上げた。弓萩さんと桐山さんも「忘れた頃に来た」、「釣り方忘れたよ」と言いながら笑顔で取り込んでいる。角田さんも調子が上がって来た。2本竿が交互に上がっている。
再び活性が鈍る、アタリがあった分釣れていれば
午後に入ると潮が変わったのか再び喰いが落ちた。トモで調子よく取り込んでいた野口さん、午前中で60尾丁度と言っていたが、「止まっちゃった」とボヤく。「12時過ぎからは3尾しか釣れませんでした。80尾位はイケると思っていたんですが」と残念そう。角田さんや服部さんも「喰いが渋かったねー」、「こんなことは珍しいよ」と竿を畳んだ。
結果は63尾の野口さんがダントツ、2番手の角田さんが35尾、私は16尾、スソは10尾。「アタリのあった分、釣れていタラ、潮温が直っていレバ」のタラ・レバで幕となった。
しかし、魚影の濃さは疑いようがなく、条件さえよくなれば確実に釣れるようになるはずだ。暫くはビギナーにも数釣りが楽しめるだろう。
(釣りビジョンAPC・倉形 金幸)
今回利用した釣り船 |
---|
神奈川県茅ヶ崎港『まごうの丸』 〒253-0061 神奈川県茅ヶ崎市南湖6-4-16(定休日:第1、第3火曜日) TEL:0467-86-5938 詳細情報(釣りビジョン) まごうの丸ホームページ |
出船データ |
シロギス乗り合い7,000円(氷付・餌別)、餌ジャリメ1パック500円 出船6時50分・沖上がり2時 |