太平丸・千葉県御宿岩和田港
千葉県・南房総、御宿岩和田沖のヒラメを狙う!

釣り場までは航程20分

出掛けたのは12月24日。このところ強い冬型の気圧配置で海はシケ続き。当日も西からの強風が吹く予報だったが、〆切を考えるとこの日以外の取材日はなかった。早朝5時前に御宿岩和田港に到着。『太平丸』は港から5分程の所に素泊まりができる立派な船宿を構えているが直接港に集合すれば良い。5時になると軽トラに乗った『太平丸』大船長、大野益宏(おおの・ますひろ)さんと若船長の大野利広(おおの・としひろ)さんがやって来た。出船は朝5時30分。この日の釣り人は10人。私は人数に含まれていないが余裕があれば船宿のレンタルタックルでクリスマス記念ヒラメをゲットしようと船長に道具の用意をお願いしていた。定刻に出船。舵を握るのは若船長。大船長は釣り人のフォローに徹するようだ。釣り場は港を出て少し北上した御宿沖。海が悪いのでスローに航行したが、それでも20分程で到着。釣り場が近いのは嬉しい。「はいどうぞ!」と、船長アナウンスでいよいよ釣り開始。

時合の訪れに船上一気に活気付く

南房総のヒラメ釣りは、至ってオーソドックス。活マイワシを餌にオモリを底から1m程上げてアタリを待つのが基本だ。オモリは80号。現在は“根回り”を狙っているので「根掛りに気を付けて小マメに底立ちを取るのが最大のコツですね」と若船長。予報通り西の強風だったが、横流しスタイルで水深13、14mの根回りを探り始めた。スタートして1度目、2度目の流しでは魚からの反応はなかったが、3度目の潮回しからアタリが出始め、ポツリポツリながらヒラメが釣れ始め、6時半を過ぎる頃には、ヒットしたヒラメのタモ入れ中に「反対側の釣り人にも乗った!」、「こっちでも!」と、タモ係の大船長は大忙し。時合の訪れに船上は一気に活気付いた。そして驚いたのがそのサイズ。どれも2㎏級の中型が揃っていた。ヒラメ釣りでの嬉しいゲスト、ワラサも交じって釣り人は大喜び。舵を握る若船長にも笑顔が見えた。

5.36㎏の“大板”上がる!

その後も潮回しの度に飽きない程度にアタリがあり、ヒラメもワラサも釣り上がったが、8時を過ぎる頃には魚からの反応が消えてしまった。どうやら魚探にアジの反応が出ないとヒラメが食って来ない様子。事実、「アジの良い反応あるよ」と言って流し始めた時にはアタリがあったのだ。後で若船長に聞いたのだが、今はイワシの群れが釣り場に入って来ていないので、アジのいる根周りにヒラメが着いているそうだ。時計が9時を少し回ったところで移動。御宿岩和田港が目の前に見える場所まで戻って来た。西風が更に強くなり、横流しでの釣りが不可能になってスパンカーを上げた。新しい釣り場の水深は12、13mと気持ち浅くなった。そんな中、船1隻程の大きさしかない根回りをピンスポットで攻めた。「出れば一発大物の場所!」と若船長。その狙い通り、ここでこの日最大の5.36㎏の“大板”が上がった。

竿頭4枚、10人中9人がヒラメをゲット!

その後も同エリアで粘り、中・大型サイズを中心に飽きない程度に釣れ続き、11時半の沖上がり時間を迎え終了となった。「狙う根周りはピンスポットだけに、最初にその場所に入れれば良い結果が得られる可能性が高い」と若船長。他に3隻の釣り船が近くにいたが確かにこのエリアに入ったのは『太平丸』が最初だった。ちなみに私は今回色々な意味で余裕がなく、竿を出さずに終了となってしまった(トホホ…)。
結局、この日は10人で16枚のヒラメとワラサ3本という釣果。竿頭は4枚だったが、残念ながら1人だけオデコが出てしまった。しかし、「オデコが付き物」と言われるヒラメ釣りで、10人中9人がヒラメを手中にしたのだから魚影の濃さを実感するには十分な成績だった。
取材日2日後の26日(日)には5.92㎏と4.6㎏も上がったそうで、日増しにンサイズもアップしている感がある。御宿沖のヒラメ釣り、ヤリイカ釣りが始まる2月頃まで続く。

(鈴木 恭介)

※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。