釣りビジョン

2011.1.1号

SHINSEIMARU・静岡県清水港
静岡・清水沖の“アマダイ”好調!

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京都を中心に“グジ”の呼び名で知られる“アマダ”イ。日本料理の高級食材としても知られた魚だ。そのアマダイ釣りを得意とする清水港『SHINSEIMARU』では、例年11月後半から12月上旬に乗合船をスタートさせているが、今年は12月に入っても潮温が20度までしか下がらず出船が大幅に遅れていた。「潮温が17度台まで下がったから、そろそろいいでしょう」と、増田憲光(ますだのりみつ)船長から声が掛かった。目安は潮温18度以下だそうだ。

午前6時30分に出船

12月19日午前6時前、駐車場に到着。間もなく船長の車が到着した。「氷を配りますから、ここで入れていって下さいね」。この日の釣り人は私を含めて8人。午前6時30分の定刻に河岸払い。「釣り場までは航程40分程」と船長。天気予報はナギだったが、海上には“うさぎ(白波)”が飛んでおり、朝の内は少し波があった。
「はい、それでは始めますから準備をして下さいね」。波の影響もあり、釣り場には少々遅れて到着。その頃には太陽も顔を出し、すっかり明るくなっていた。最初のポイントは水深100m前後。緩やかにアップダウンしているポイントだ。「はい、いいですよ~水深105m」。いっせいに仕掛けが入った。すると、着底してすぐに右舷胴の間(中央)でヒット。しかし、引き込みがおかしい。上がって来たのは何とウミヘビ。この日は、ウミヘビが船中10尾近くも上がった。「ウミヘビが水深100m以上のポイントであがる事はめったにないんだけどね」と船長も困った様子。

仲間3人での楽しい釣行に会話も弾む
歴史ある白灯台

右舷ミヨシと胴の間で連続ヒット!

「来ましたよ!」。右舷ミヨシ(船首)に座った常連の平垣陸雄さんの竿が、小気味良い突っ込みを見せた。平垣さんは『SHINSEIMARU』に通い続けて10年以上のベテラン。慣れた手つきで海面まで上げてハリスをたぐって来ると、ピンクの魚体が2尾。1尾はアマダイ釣りでは定番ゲストのレンコダイ、肝心のアマダイは20㎝級とやや小ぶりだった。続いてウミヘビを釣った人のトモ寄りの人にもヒット。「実は昨日、大塚さんの『FISHING WORLD』のアマダイ釣りを見て勉強して来たんですよ。今日はやる気満々です」と、話しながら美しい魚体の中型アマダイを釣り上げた。数分の間に2尾が釣れ、幸先の良いスタートとなった。

『釣りビジョン』いつも見てますよ♪
ちょっと小さ目かな~
朝イチのウミヘビの汚名返上

砂の中からアマダイを誘い出そう

仕掛けは、片テンビンの2本バリ。全長は2尋(ヒロ=1尋は約1.5m)。餌は沖アミ。アマダイは基本的に海底が砂泥地の場所に生息している。「普段は海底の穴などに身を隠しているので、オモリが着底した時の振動で刺激してやるんです。底から1~2mタナを切ってゆっくりと餌を踊らせて誘うのがオーソドックスな釣り方です」と船長。この日の潮流はずっとトロ潮で0.3~0.1ノット程度しか流れていなかった。このように潮が流れていない日は底から仕掛け分きっちりタナを切らなければいけない。しかし、朝のうちは多少波があったため、平垣さんは底から1m切って誘いを掛けていたようだ。

良型のイトヨリも交じった
使用した天ビンと仕掛け
この美しい魚体がいいですよね~

竿は手持ちが基本!

私も竿を出した。船長から教わった通り、着底してから2mタナを切った。そして、フワッと大きく上まで煽るとクンクン!と竿先にアタリ。軽く合わせを入れて巻き上げを開始。船長の言う通りやったのだから間違いなくアマダイだろうと、勝手な思い込みに期待も高まる。同時に胴の間(中央)の人にも同じタイミングでヒット。しかし、海面に姿を見せたのはピンクではなく、オレンジがかったシルエット。釣れて来たのは25㎝級のレンコダイだった。その後、納竿1時間前の正午までは、潮回しの度にポツリポツリと釣れては来たが、時合と呼べるような瞬間はなかった。そんな中でも平垣さんは、5尾を釣り上げていた。コツを聞いてみると、「アマダイはやっぱり誘うことが大切ですね。置き竿でも釣れる日もありますが、手持ちで誘っている人と、置き竿にしている人とでは釣果に差が出ますね」と教えてくれた。

なかなかの型だね
5尾を釣り上げた常連さん
私の竿にきた“レンコダイ”
「新しいHP作ったから見てね♪」増田船長
船酔いしちゃったけどレンコは釣れました♪
当日の仕掛け図

納竿間際に怒涛の良型4連発!

「来ましたよ!これはいい型ですね」と左舷胴の間から歓声が上がり、30cm近い良型が釣り上げられた。そして、左舷ミヨシの人にもヒット。これも大きそうだ。胴調子の竿がキュンキュンしなる。こちらも30cm級。その後も同型が取り込まれ、遅まきながら時合の到来!「潮替わりのタイミングでいくらか潮が流れたみたいだね。もう少し頑張ってみて」と船長。そして、平垣さんにも連続ヒット。30㎝超えをポンポンと釣りあげていった。「入れ食いだよ。着底して1回誘い上げるだけで釣れちゃう。たまんないね~」と大喜び。そして、何と4尾目も連チャンで釣り上げ、合計9尾を釣り上げたところで納竿時間を迎えた。“本命”のオデコは私と、船酔いしてしまった人だけだった。

時合にはこのサイズが連発した
お見事9尾!
これだけあればいろんな料理が楽しめますね~

清水沖のアマダイ釣りは3月まで楽しめる

「アマダイは潮温が18度以下になったこれからが本番ですよ」と船長。この日の潮温は17.9℃とアマダイ狙いとしてはギリギリ。朝の内の波の影響、潮がほとんど動かなかったことを考えれば、竿頭9尾上々の成績。『SHINSEIMARU』では3月までアマダイ狙いで出船している。予約乗合のため釣行前の予約を忘れずに。

アマダイのコブ締め
アマダイの酒蒸し
アマダイの塩焼き

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
静岡県清水港『SHINSEIMARU』
〒424-0932 静岡県静岡市清水ドリームプラザ前マリーナ内
TEL:0543-53-8880
詳細情報(釣りビジョン)
SHINSEIMARUホームページ
出船データ
釣り物:アマダイ
午前6時集合、6時30分出船。13時沖上がり
料金:10000円(餌・氷付)
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