池田丸・神奈川県腰越港
神奈川県・湘南、江の島沖の“夏ダコ”好スタート!
船中の初獲物は500g級
「いいですよ」。港を出て1分、江の島東側で舵を握る遠藤政嗣船長から投入の合図が出た。「えっ、ここからやるの」。同行のカメラマンが思わず声を上げるのも無理はない。陸から投げ釣りでも届きそうな場所なのだから。この時期、マダコは沿岸部の浅場に寄って来るが、それにしてもこんな近場から始めるとは思っていなかっただけに少々慌てた。
しかし、釣り始めて間もなく、私の道具に異変を感じた。指先に掛けた太いテトロン系の道糸に僅かに重みが伝わって来たのだ。少し道糸を送り気味にして、次の瞬間、少々力を入れて手前に引くと心地よい重み。道糸を緩めないように手繰って来ると、テンヤにしがみ付いたマダコが上がって来た。船中の第1号は500g級のまずまずサイズだった。
合わせの力加減は“適度”に!
マダコ釣りでは、“アタリ”があったら、思いっ切り合わせる-と言うのが、定番になっているきらいがあるが、あまり力任せに合わせると、相手が小さい時には、すっぽ抜けたり、身切れしてしまう。かと言って手加減しすぎればカンナ(ハリ)がしっかりと掛からず、バラシの原因になる。何事も“適度”が大切だ。水深7、8mのその釣り場から小移動した所で船中2尾目も私の道具に来た。ほとんど同型だったが、思わず「美味そう」と声が出てしまうサイズである。しかし、他の乗船者3人には中々“アタリ”が来ない。痺れを切らした船長は、船を少し沖に出し、鎌倉沖方面に移動した。
マダコ釣りの根掛かりは“税金”
港口から5、6分走ったが、水深はやはり7、8mしかない。私に3尾目が釣れた時、トモ(船尾)から2番目で釣っていた相模原市の田村正喜さんが1尾目を釣り上げた。この人、この日が初めてのタコ釣りとか。しかし、この後、この田村さんが、ドラマを起こすとは、この時点では、誰も思っていなかった。
マダコは、誰でも知っているように海底にいる。したがって、マダコ釣りでは、テンヤを海底にペッタリ着けて狙うのが常道。当然のことながら、根掛かりは“税金”と言われるほど頻繁に起こる。この日も何度となく、テンヤが根掛かりしたが、オモリが独立した形になった独特のテンヤのお蔭か、船長に申告して船を動かしてもらえばかなりの確率で外れてくれた。
マダコ釣りの釣果は偏る!?
確かな“アタリ”で合わせたつもりが、ガチッと根掛かり。船長に船を後退させて貰い外すことに成功したが、外れたテンヤが重い。手繰ってみると500g級のマダコがテンヤを抱いていた。根掛かりしている間も餌のワタリガニから離れられなかったマダコ君は、私の3尾目の獲物となった。この時点で田村さんも3尾目のマダコを釣り、トモから0、3、0、3尾の釣果で典型的なマダコ船の偏りが生まれていた。真偽の程は定かではないが、1度マダコが乗ったテンヤには、マダコの臭い?が付くため、乗りやすくなり、同じ人に連発する傾向がある-と言われる。そのためか、どうしても釣果が偏るという。その後も田村さんと私が4尾目を釣った時、私の隣で1尾目が上がった。田村さんが5尾目を釣り、私の隣の人が2尾目を釣った。私が5尾目を釣り、田村さんに追いついた時、一人蚊帳の外だった大ドモ(船尾)の人が、大きなアクションで一際大きなマダコを釣り上げた。間違いなく1.5kgはありそうなこの日のビックワンだった。
田村さん、何と“ツ抜け”を達成!
その後、私は6尾目、7尾目、8尾目と痛恨のバラシを続けている間に田村さんは、一人数を伸ばし、午後1時を少し回って納竿するまでに何と“ツ抜け”(10尾)を達成してしまった。結局、最終的な成績は、2、10、2、5尾の合計19尾。マダコ釣りの成績としては、十分に納得出来る釣果だった。
サイズは300g級の小型も僅かに交じったが、大半が500~800g弱と十分に食べごたえがある大きさが揃った。今シーズンの“夏ダコ”、大いに期待出来そうだ。
(野口 哲雄)
今回利用した釣り船 |
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神奈川県腰越港『池田丸』 〒248-0033 神奈川県鎌倉市腰越2-12-10 TEL:0467-32-2121 定休日:第1・3木曜日 詳細情報(釣りビジョン) 池田丸ホームページ |
出船データ |
午前6時出船、午後1時沖上がり 料金:8000円(貸し道具無料。テンヤを無くした場合は1個500円) |