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長野県・野尻湖「バスオブジャパン」オールジャパン戦参戦記! 

2022年07月02日公開

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「バスオブジャパン」のオールジャパン戦が長野県・野尻湖で開催された。前回の利根川に引き続き、今回もコ・アングラーとして参戦した。ムラのあるアフタースポーンのスモールマウスバスをどのように攻略してきたかをレポート。

当日までの野尻湖情報を整理

5月後半から、野尻湖の各ボート店の釣果情報をチェック。スポーニングは終わり、回復したバスからややディープに落ちてベイトを追っている状況。しかし、シャローにも魚は居て、かなり多彩な釣り方で釣れていた。また、今の時期は、例年なら虫パターンが通用し出す。「虫パターンも試す価値はあるかな」と思い、戦略の中に入れた。持ち込んだタックルはスピニング4本にベイト1本。スピニングでは、ダウンショット、ノーシンカー、ネコリグ、虫パターンを。ベイトタックルではラバージグのスイミングをやろうと準備した。今回のボーターはKさん。5月後半から何回もプラを行い、オブリミット直前の12日(日)にもプラをしており、魚の動きは読めていそうだったので、プランはお任せし、ポイントに合わせて投げるルアーを選べるよう用意した。
※オフリミット=トーナメント1週間前の日曜日以降、前日までの期間。この期間はプラを行うことが禁止されている。前日の土曜日はプラを行うことが出来る。

前日夜に出発、現地で朝を迎える

野尻湖の朝は、釣り場としては遅い。午前7時の時報が鳴るまで、ボートは桟橋を離れることが出来ない。そのため、集合は6時、スタート7時30分、帰着14時30分と、トーナメントも遅めのスケジュール。当日未明に出るという手もあるのだが、私はいつも前日の夜中に現地に到着するように出発し、現地で仮眠を取っている。今回も22時30分頃に出発し、関越道、上信越道を通って現地入り。信濃町の出口、料金所に続く道で、ヘッドライトに路上で戯れる2匹の“子犬”が映った。慌てて急ブレーキ。すると子犬たちはピョーン!と跳ねて逃げて行った。「キツネ!?」。そう、それは、犬ではなくキツネの子供だった。初めて野生のホンドギツネを見た。轢かなくて良かった。

何はともあれ、無事到着。今回お世話になるのは、有名な「ナウマンゾウ博物館」に近い『吉野屋』。道の反対側に廃校となった野尻湖小学校があり、その校庭が無料駐車場となっている。『吉野屋』の駐車場には、バスボートを優先して停めるため、この小学校跡に停車した。5時まで仮眠を取り、タックルを持って集合場所へ。今回お世話になるKさんと合流、ボートに荷物を積んだ。ボートを見てビックリ。フロントデッキに3台、コクピットに2台。合計5台もの魚探がセットされていた。内1台は、ライブスコープ。バスの大きさや数、どんな動きをしているかまで手にとるように分かってしまう優れものだ。

 

狙いは回遊するポストスポーンからの回復バス!

ミーティングで禁漁区域や注意点についての説明を受け、いよいよトーナメント開始。我々のボートは20番スタート。我々はスタート地点のすぐ左側にある弁天島の東側に入った。ここは、バスの回遊ルート。水深3~4mラインには小型が、6~8mラインには大型の個体が回ってくるという事を、Kさんは昨日のプラクティスで掴んでいた。すでに先行者がいたが、6mラインは空いていた。ここから、ライブスコープが大活躍。バスの群れを見つけ、狙い撃ちにしていく。Kさんはダウンショットを手に取り、バスの群れがこれから通る位置にピッチングで入れている。後ろで釣る私は、同じ場所には投げられない。想像力を働かせ、「この辺りを通るのかな?」という辺りにストレートワームのネコリグを入れてみた。20分程でKさんに最初のバスがヒット!元気によく引くが、Kさんには物足りないサイズのようだ。上がって来たのは30cmほどのスモールマウス。「このサイズじゃないんだよなー!」と言いながらもキープ。続いてまたしてもKさんにヒット!今度は最初からドラグがジィーッ!これはデカそうだ。私はルアーを回収して、ネットを構える。Kさんが自分で取り込むというので、ネットを渡した。バスが浮いて来た「デカい!」。45cmはある。次の瞬間、バスがジャンプ!「あーーっ!バレたー!」。

私はネコリグ、ノーシンカーとやっていたがアタらず、広く探ろうと決意。ベイトタックルにセットした、3/8ozのフットボールラバージグにシャッドテールワームをセットしたものに変えた。「ライブスコープの届かないとこまで飛んでいけー!」とばかりにフルキャスト。数投、リフト&フォールで探ってみるが、何だか違う気がした。「これじゃない」。そこで、フルキャストしてボトムまで落とす。この時、フロントデッキのライブスコープを見て、バスの群れがボートの右側を泳いでいるのを確認。しかも、船首側から船尾側、つまりKさんが狙っているゾーンから、こちらに向かっている!チャンスだ!ボトムに着いたジグを竿をちょっとだけ煽って浮かせ、そのままゆっくり、ゆっくり巻いてみる。ボトムを少し切って一定の速度で泳がせる。止めたりシェイクしたりという小技は入れずに、ひたすらゆっくり。1投目、アタリなし。ライブスコープを見ると、バスの群れはライブスコープの映し出す範囲から出ていこうとしていた。Kさんは、新しく映り込んだ別のバスを狙っている。

「そっちだー!行けー!」とフルキャスト。また少し浮かせてゆっくり巻いてみると、「コンッ!」とアタリ。「喰った!」。合わせると、ズシッと重さが伝わり、ロッドが弧を描く。「おっ!やっぱり喰ったか!デカいぞー!落ち着いてー!」。Kさんがルアーを回収してネットを構えてくれた。ドラグからラインがズルズルと引き出される。分かってはいたが、凄いパワーだ。バスが浮いて来た。ルアーが見えない。完全に口の中に入っているようだ。一発、ジャンプされたが無事にネットイン!フットボールラバージグで釣った初のスモールマウスバス、そしてベイトタックルで釣った初のスモールマウスバス。さらには、先月買ったばかりのリールで釣った初のバス。初めてだらけのバスとなった。

2匹目はジグヘッドリグでキャッチ

これで、スイミングでもバスが釣れることが分かった。暫くはラバージグを巻き続けたが、ここで気分を変えてルアーチェンジ。ラバージグのトレーラーに付けていたのと同じワームを1/16ozのジグヘッドリグで使う。ある程度早く沈めるためにあえて選んだ。

昼近くなり、風が南から北に変わった。このタイミングで、再び私にヒット!今度はスピニングなので、先ほどより更に慎重に。1匹目と同じ位のサイズだが、時間をかけてしっかり上げてくる。今度は自分でネットを使ってキャッチ!

この後、Kさんは狙い撃ちで45cmクラスを頭に5匹のリミットを揃えたが、私にはバイトもなく、この2匹で帰着した。

結果、1875gで9位。1匹あたり900g強というところ。シングルに何とか入れた。優勝は3kg近いスコアを出しており、あと1匹、同じ位のサイズが取れていればいい勝負が出来た試合だった。

難しいと言われる野尻湖のスモールマウスバス。しかし、いる場所と使うルアーを合わせれば、必ずというほど答えが返ってくる。ベイトもワカサギ、エビ、虫類と豊富で、魚影も濃くコンディションも良い。スモールマウスバスを狙いたい人にはおすすめのフィールドだ。

施設等情報

野尻湖レンタルボート吉野屋
〒389-1303 長野県上水内郡信濃町野尻283-6
TEL: 026-258-2528 野尻湖レンタルボート吉野屋ホームページ

施設等関連情報

営業期間:4月25日~11月上旬
営業時間:7:00~16:00(出船時間)
設備:各種レンタルボート、ガイドサービス、専用スロープ、専用駐車場、バーベキューエリア(要予約)、船舶免許教習所、宿泊施設
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

はるの まさを
育児休暇が明けて、2019年から「バスオブジャパン」に参戦。また、地元の釣具屋と始めたクラブトーナメントにも参画。トーナメント参戦記、プライベート釣行記とも、毎回テーマを決めて楽しく「タメになる」記事をお届けしたい。
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