2022年10月27日公開
ネットやカタログからの丸写し情報にうんざりしている皆さん。「メーカー担当者にしっかり聞いた」タックル情報を提供します。今回はサワラ用ボートロッドのPART1。ここ数年、秋の東京湾のボートフィッシングを熱くさせているターゲットは「サワラ」。それの影響なのか、もともとサワラの本場である西日本や北陸、東海エリアでもサワラ熱が上がっているようだ。その証拠に、この2年で、数多くのロッドメーカーがサワラキャスティング用ボートロッドを次々にリリース! 今まで、ボートシーバス用ロッドなどで釣っていた人は、サワラに特化されたロッドを熱望していたはず。今回のPART1では4ブランドを紹介!
レジットデザイン:ミノー特化モデル、ブレードジグ特化モデルを衝撃リリース!
「ここ数年、人気のサワラですが、実際専用ロッドというのがあまりなかった。強めのシーバスロッド使ったりしてましたよね。でもそれだと非力だし、逆にシイラ用などの青物のロッドを使ってみると、完全にオーバースペックなので、サワラの引き味を楽しめない。そこで、『スクアド』からサワラ専用ロッドを2モデルリリースしました」
そう語るのは、レジットデザイン代表で、高名なロッドマイスターでもある飯高氏。彼が豊富な実戦経験から導き出したサワラロッド像は、まず「のされないけれど、しっかり曲がること」。素材は24トンの低弾性素材をメインにして、お家芸でもあるアラミド素材も使用。サワラの得意技である船べりでの突っ込みは、しばしばラインブレイクを起こすが、アラミドの粘りと並外れた復元力がそれを効果的に防いでくれる。もう一つの特徴がワンサイズ口径を大きくしたSiCガイドだ。
「人によっては、ボイルが始まって船中がドタバタしていると、なかなかリーダーを組むのは難しい。最悪、電車結びでもトラブルなく飛ばせるように、ガイド径を大きくしたんです」
これを聞いてほっとする人も少なくないのでは? 昨今のサワラシーンを現場で感じてきたからこその、トラブルレス重視策なのだ。
●スクアド SKS75M+ -SAWARA Minnow Special(レジットデザイン)
発見したサワラの「跳ね」に対して、ミノーを遠投して届かせるロッド。X-80マグナム、ルドラ、ブローウィン!サゴシチューンなど、様々なウエイトのミノーに対応。ジャーキングなどの演出も付けやすい。低弾性メインのブランクスは応用範囲が広く、ブレードジグも投げられる。
●スクアド SKS70MH+ -SAWARA Blade Jig Special(レジットデザイン)
人気の「ブレードジグ」に特化したスペシャルロッド。ミノースペシャルよりワンランクパワーを上げたMHアクション。メタルマジックなどのブレードジグを気持ちよく投げられれて、60gクラスの重量級でも問題なし。高速巻きを安定させるために、グリップ長を長めに設定して、しっかり脇に挟めるようにデザイン。春先の深場攻めでは、80gくらいまでのメタルジグまで扱える。
テイルウォーク:サワラ用ロッドは実に4機種。自分に合うロッドがきっとある!
オフショア用ロッドにも定評のあるテイルウォークには、4本ものサワラ対応ボートロッドが存在する。その中でも「ボートゲーマーSSD」からリリースされた2本はサワラを強く意識して開発された特化モデルだ。テイルウォークの佐々木さんは次のように語った。
「ボートゲーマーSSDは、もともとボートシーバス用なのですが、その中でもS73Mが13cmクラスのミノーに適していたので、サゴシやサワラに使っていたんです。でも、ブレードゲームが流行してきたら、それ1本でやるにはパワー不足になってしまった。そこで、サワラ特化モデルとして、今年の秋に2機種を追加しました」。
そのほかに、ジグフォースSSD S651-LJとスプリントスティックSSD 70Lの2本はサワラが主眼ではあるが、たとえゲストで青物がかかっても十分対応できるパワーを誇る。
●ボートゲーマーSSD S72MH(テイルウォーク)
サワラのブレードジギングは「リールから煙が出るほど早く巻け」といわれる。しかし、ただ早く巻けばいいというわけではない。その速度が安定していないとダメで。時には10対0ほどの差がつくこともあるという。そのためにはグリップをしっかり脇に挟んだ状態で巻くのがベスト。このロッドは脇にも挟みやすく、とにかく高速巻きしやすい。そしてやや強めの設定にしたティップは、船べりでサワラをポロリと落とす悲劇を防いでくれる。
●ボートゲーマーSSD S610M+(テイルウォーク)
サワラの乗合船で、胴の間に入ったときは、どうしてもルアーをオーバーヘッドで投げられない。この場合は7フィートでは長すぎる。そうかといって、6フィート強にすると、みよしに立った時はさすがに短い。そんな乗合船を想定して決めた絶妙なレングスが6フィート10インチ。ティップからベリーを若干マイルドにした、どちらかというとミノー寄りの味付けだが、ブレードゲームにも十分対応できる。
●ジグフォースSSD S651-LJ(テイルウォーク)
高速巻きブレードジギング専用モデル。広島で遊漁船を営むブレードジギングの先駆者的な船長が、テイルウォークのライトジギング用ロッドを「ブレードジギングに最適」と推奨。でもキャスティング仕様になっていなかったので、ブランクスをそのままで、ガイドスペックとリアグリップの長さを調整してサワラスペシャル化。パラボリックに曲がる設定で、破断強度もかなり高く設定してある。突然のゲストで青物が来ても、まったく怖くない。
●スプリントスティックSSD 70L(テイルウォーク)
スプリントスティックは、もともとシイラやマグロを獲るためのオフショアキャスティングロッドシリーズ。最もライトなモデルがMLだったのだが、今秋、サワラモデルを追加するためにLクラスを新設した。前出の3本のサワラロッドよりも弾性率の低い素材を選択し、さらに高い耐衝撃性を誇る。青物がかかっても、余裕をもって戦える。比較的西日本のブレードゲームを意識したモデルだ。
ジャクソン:コスパに優れたモデルから上級者の要求に応えるハイエンドモデルまで!
ジャクソンの人気商品でもある低価格帯のソルト用ロッドカテゴリーは言わずと知れた「オーシャンゲート」。その中の「オフショアキャスティング」シリーズは、3機種ある中の実に2機種がサワラに適している。
「JOG-702L-KLCはどちらかというと西日本向きの設計です。サワラ以外に10キロクラスのブリまで来るので、それにも対応できるようにブランクスを設計しました。ガイドもオールダブルフットでタフなロッドに仕上げています。JOG-700L-KOCは、どちらかというと東京湾を意識して作りました。バットガイド以外はシングルフットにすることで、操作性と感度を上げています。このロッドは『巻きの感度』をインストールしました」
そう説明したのは、ジャクソンでロッド開発を担当する横川さん。さすが静岡県のメーカーだけあって、東にも西にもアンテナを張り巡らせているようだ。また、東京湾ボートシーバスガイドの人気船「アンリミテッド」のキャプテン池上日明氏が監修しているロッドが「ジェスター」。この上級者向けのハイグレードシリーズにもサワラ対応ロッドがある!
●オーシャンゲート・オフショアキャスティングJOG-702L-K OC(ジャクソン)
サワラだけではなく、10キロクラスのブリでも堂々勝負できるブランクス設定と、オールダブルフットフレームガイド。PEラインも3号までOK。乗合船の中でガチャガチャしても、あまり心配にならないタフなロッドだ。
●オーシャンゲート・オフショアキャスティングJOG-700L-K LC(ジャクソン)
東京湾でブレードジグや、28gのサゴシチューンなどのミノーも投げやすいように設計。グリップは操作しやすいためにやや短くした。フラッシュ系、ジャーク系の一段深く潜るミノーにも向いているモデル。感度が高いので、リーリング中のブレードジグが一瞬軽くなるような繊細なバイトも感じ取れる。
●ジェスターJSS-701XMH-SP(ジャクソン)
ジェスターは東京湾のカリスマシーバスガイド「池上日明」氏が監修するシーバスを主眼としたボートロッドシリーズ。中でもこのロッドは中型青物やシイラ、カツオ、重量級ルアーでのランカーシーバス、そしてサワラにまで対応。品番最後のSPとはサスペンション機能を意味する。例えば、魚がヒットして真下に走り、急に魚が浮上し始めたり、横に走ることがある。その瞬間、竿の戻りが一瞬遅いと、バラシにつながる。ところが、このロッドならサスペンションのように即座に戻るので、バラシを効果的に防げる。ただ、乗合船よりはプレジャーボート向きの1本だ。
メガバス:超人気サワラガイドが提案する、空海GULFのサワラロッド!
メガバスのテスターで、サワラのスペシャリストとしても知られる、遊漁船船長・久保田秀樹さん。その彼が開発に寄与したサワラ用ボートロッドが、デストロイヤー空海GULF CKG-72MSになる。
「僕の場合、ミノーはジャーキングというよりトゥイッチで使います。サワラは、捕食しているベイトサイズが小さいとき、やっぱり波動で喰わせないといけない。だから、ルアーサイズを下げずに、細かく動かして魚にリアクションバイトさせるみたいな釣り方なんです。基本的には80マグナムを使っているんですけど、それに最適な竿ですね」
そんな久保田さんの言葉には自信がみなぎっていた。
「これ1本あれば東京湾でボートシーバスからルアーマゴチまで、いろんな釣りができます。5~6キロのワラサでも全然大丈夫ですね。ブレードジグでも使えます」
●デストロイヤー空海GULF CKG-72MS(メガバス)
取り回しのいい7.2フィートレングス。少し柔らかいティップはショートバイトをはじきにくい。パワーのあるバットは、しっかり魚をかけてくれるし、ファイトでも負けない。サワラゲームに求められるすべての要素を実装したら、東京湾での万能ロッドになっていた。また、サワラゲームは「跳ね」などを正確に狙うことが不可欠。ティップだけを使ったキャストで、遠くまで、かつ正確に飛ばせるのもこのロッドの得意技だ。
この記事を書いたライター
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